【標準】接する2つの曲線と微分
ここでは、2つの曲線が接する場合を考える問題を見ていきます。
共有点において共通の接線を持つとき
$f(x)=ax^3-1$, $g(x)=\log x$ とおき、点 P の座標を $(p,q)$ としましょう。
点 P は2つの曲線のどちらも通るので、 $f(p)=g(p)=q$ となります。よって、\[ ap^3-1=\log p \]が成り立ちます。
次に、点 P で共通の接線を持つ、という条件について考えてみましょう。これはこの点での接線を考えると一致するということです。接線は、接点と傾きが決まれば1つに決まるので、この「点 P で共通の接線を持つ」という条件は、「 $x=p$ での微分係数が同じ」と言い換えられます。
よって、 $f'(p)=g'(p)$ が成り立ちます。 $f'(x)=3ax^2$, $g'(x)=\dfrac{1}{x}$ なので、\[ 3ap^2=\dfrac{1}{p} \]が成り立つことがわかります。
この2つの条件を用いて考えていきましょう。
2つ目の条件から、\[ ap^3=\frac{1}{3} \]であることがわかります。これを1つ目の条件式に代入すると
\begin{eqnarray}
\frac{1}{3}-1 &=& \log p\\[5pt]
p &=& e^{-\frac{2}{3} }\\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これを $ap^3=\dfrac{1}{3}$ に代入して
\begin{eqnarray}
ae^{-2} &=& \frac{1}{3} \\[5pt]
a &=& \frac{e^2}{3} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これが答えです。
この問題では、2つの曲線について、共有点があり、その点での接線が同じであることから、「 $f(p)=g(p)$ 」と「 $f'(p)=g'(p)$ 」という2つの条件を導きました。微分を用いるのはここまでで、2つの条件から値を求めるのは、また別の式変形を用いています。
ここでは、指数・対数の計算を使っていますが、どういう計算をするかは、もちろん考えている関数によって変わってきます。つまり、微分の計算だけができるだけではダメということです。過去に学んだいろんな関数が出てくるので、基本的な計算はできておく必要があります。
2つの曲線が接する
上の例題のように、2つの曲線 $y=f(x)$, $y=g(x)$ が、共有点 $(p,q)$ をもち、この点で共通の接線を持つとき、つまり、「 $f(p)=g(p)$ 」と「 $f'(p)=g'(p)$ 」が成り立つとき、2つの曲線はこの点で接するといいます。
微分の世界では、接するというのは、その点での微分係数が同じであることを言います。その意味では、曲線と直線が接するときも、曲線と曲線が接するときも、同じ内容で定義されていると言えます。
おわりに
ここでは、2つの曲線が接する、という条件を使う問題を考えました。「 $f(p)=g(p)$ 」と「 $f'(p)=g'(p)$ 」という2つの条件に変換して考えられるようになりましょう。