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【基本】2つの円の共有点(方程式に注目)

ここでは、2つの円の共有点を求める問題を考えます。

📘 目次

2つの円の共有点

例題
2つの円 $x^2+y^2=25$, $x^2-14x+y^2-2y+25=0$ の共有点の座標を求めなさい。

「2つの円の共有点」は、どちらの方程式も満たす点、ということです。なので、2直線の交点を求めるときや円と直線の交点を求めるときと同じように、与えられた式を組み合わせて解いていきます。

両方とも二次方程式なので、一見すると解けなさそうな感じもしますが、二次の係数が同じなので、うまく計算できます。1つ目の式を2つ目に代入すると
\begin{eqnarray} (x^2+y^2)-14x-2y+25 &=& 0 \\[5pt] 25-14x-2y+25 &=& 0 \\[5pt] -2y &=& 14x-50 \\[5pt] y &=& -7x+25 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これを1つ目の円の方程式に代入すると \begin{eqnarray} x^2 +(-7x+25)^2 &=& 25 \\[5pt] x^2 +49x^2-350x+625 &=& 25 \\[5pt] 50x^2 -350x+600 &=& 0 \\[5pt] x^2 -7x+12 &=& 0 \\[5pt] (x-3)(x-4) &=& 0 \\[5pt] x &=& 3,4 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これを、途中で得られた式\[ y = -7x+25 \]に代入すると、共有点の座標は $(3,4)$, $(4,-3)$ と求めることができます。

2つの円の共有点の求め方の流れ

先ほどの例題で、2つの円の共有点の座標を求めました。この流れをもう一度書いておきましょう。

円の方程式は、【基本】直線の方程式(一般形)で見た通り、\[ x^2+y^2+lx+my+n=0 \]の形になります。よって、2つの円の方程式を辺々引けば、 x, y の一次方程式が得られます。 $x^2,y^2$ の係数が同じで、 $xy$ の項がないので、文字は $x,y$ だけになるからですね。

得られた一次方程式を使って、どちらかの円の方程式に代入すれば、 xy の二次方程式になります。文字が一つの二次方程式なので、こうなれば解けますね。この結果を、途中で得られた一次方程式に代入すれば、共有点の座標が求められます。

途中で xy の二次方程式が出てきて、その解に応じて共有点の座標が求められるので、共有点の数は、 $0,1,2$ のどれか、であることがわかります。二次方程式の解の個数に応じて変わってきます。

途中で出てくる一次方程式について

さて、先ほどの例題では、2つの円 $x^2+y^2=25$, $x^2-14x+y^2-2y+25=0$ の共有点を求めるときに、一次方程式 $y=-7x+25$ が出てきました。2つの円の方程式から出てきたものなので、この直線は2つの円と何か関係があるはずだ、と予想できますが、どんな関係があるのでしょうか。それは、グラフをかけばすぐにわかります。

上の図を見てわかる通り、直線 $y=-7x+25$ は、2つの共有点を通る直線だったのですね。でも、なぜそうなるのでしょうか。

そもそも、この直線がどうやって出てきたかを考えましょう。1つ目の円の方程式を2つ目の円の方程式に代入して求めましたね。このことから、直線の方程式は、次のようにして求めていることと同じになります。
\begin{eqnarray} (x^2-14x+y^2-2y+25)-(x^2+y^2-25)=0 \end{eqnarray}1つ目の円の方程式を $x^2+y^2-25=0$ と変形して、これを2つ目の円の方程式から引いているわけですね。これを計算していくと、例題で解いたときと同じ直線の方程式が得られます。

上の式は、二次の項がすべて消えるので、直線の方程式を表すことがわかります。また、 $(p,q)$ が2つの円の共有点だとすると、上の式の1つ目のカッコに代入しても2つ目のカッコに代入しても、どちらも $0$ になることから、上の直線は $(p,q)$ を通ることがわかります。なので、上の式で表される直線は、2つの円の共有点をすべて通る直線であることがわかります。

つまり、2つの円の共有点を求めるときに、「2つの円の方程式を組み合わせて一次方程式を作り、それをもとに共有点を求める」のは、「2つの円の共有点を通る直線を求め、その直線と円の共有点を求める」ことと同じなんですね。

2つの円の共有点が存在する場合、2つの円の方程式を辺々引いて得られる一次方程式は、2つの円の共有点を通る直線になります。このことは重要なので覚えておきましょう。今後、このことはまた出てきます。

おわりに

ここでは、2つの円の共有点の座標を求める問題を見てきました。2つの方程式を組み合わせて解くだけですが、その背後で、共有点を通る直線が出てくるのはおもしろいですね。

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