東京大学 理系 2013年度 第3問 解説

問題編

問題

 A, B の2人がいる。投げたとき表裏の出る確率がそれぞれ $\dfrac{1}{2}$ のコインが1枚あり、最初は A がそのコインを持っている。次の操作を繰り返す。

 (i) A がコインを持っているときは、コインを投げ、表が出れば A に1点を与え、コインは A がそのまま持つ。裏が出れば、両者に点を与えず、 A はコインを B に渡す。

 (ii) B がコインを持っているときは、コインを投げ、表が出れば B に1点を与え、コインは B がそのまま持つ。裏が出れば、両者に点を与えず、 B はコインを A に渡す。

 そして、 A, B のいずれかが2点を獲得した時点で、2点を獲得した方の勝利とする。たとえば、コインが表、裏、表、表と出た場合、この時点で A は1点、 B は2点を獲得しているので B の勝利となる。

(1) A, B あわせてちょうど $n$ 回コインを投げ終えたときに A の勝利となる確率 $p(n)$ を求めよ。

(2) $\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} p(n)$ を求めよ。

【広告】
教科書や従来の参考書では、いろいろ書かれているわりに、読者が一番知りたい肝心なことは省かれている傾向があります。本書は、ここを重点的に丁寧に解説しました。ですから、しっかり読んでもらえばスムーズに理解してもらえるはずです。本書は気楽に読めて即効的な力がつくことを謳うものではありません。しっかり読む人に、数学的な心と考えること理解することの喜びと力を伝えるものです。
著者:長岡 亮介
出版社:旺文社
発売日:2012-09-23
ページ数:752 ページ
値段:¥1,870
(2020年09月 時点の情報です)

考え方

状況はそんなに複雑そうに見えないのに、(1)の確率を考える時点ですごく大変です。こういうケースでは確率漸化式を考えることが多いですが、この問題では直接確率を求めたほうがいいでしょう。何に注目して考えるかで、複雑さが大きく異なってきます。

(1)ができたとしても、(2)がまた大変です。部分和の計算には、いわゆる「等差×等比」の和が出てきますが、そのさらに複雑な応用バージョンも出てきます。部分和さえ出せれば、極限を求めるのはそれほどしんどくはないですが、そこまでたどり着くのは大変です。極限値も、直感的にパッとわかるような値ではありません。答えが出ても本当にあってるのか不安になる値です。

1 2