共通テスト 数学I・数学A 2022年度 第1問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
実数 $a,b,c$ が\[ a+b+c=1 \quad \cdots ① \]および\[ a^2+b^2+c^2=13 \quad \cdots ② \]を満たしているとする。
(1) $(a+b+c)^2$ を展開した式において、①と②を用いると\[ ab+bc+ca=\myBox{アイ} \]であることがわかる。よって\[ (a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2=\myBox{ウエ} \]である。
(2) $a-b=2\sqrt{5}$ の場合に、$(a-b)(b-c)(c-a)$ の値を求めてみよう。
$b-c=x$, $c-a=y$ とおくと\[ x+y=\myBox{オカ}\sqrt{5} \]である。また、(1)の計算から\[ x^2+y^2=\myBox{キク} \]が成り立つ。
これらより\[ (a-b)(b-c)(c-a)=\myBox{ケ}\sqrt{5} \]である。
考え方
よくある式の値を求める問題です。計算自体も、それほど複雑ではありません。
【必答問題】
解答編
問題
実数 $a,b,c$ が\[ a+b+c=1 \quad \cdots ① \]および\[ a^2+b^2+c^2=13 \quad \cdots ② \]を満たしているとする。
(1) $(a+b+c)^2$ を展開した式において、①と②を用いると\[ ab+bc+ca=\myBox{アイ} \]であることがわかる。よって\[ (a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2=\myBox{ウエ} \]である。
解説
$(a+b+c)^2$ を展開すると
\begin{eqnarray}
& &
(a+b+c)^2 \\[5pt]
&=&
a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca \\[5pt]
&=&
13+2(ab+bc+ca) \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって\[ ab+bc+ca=\frac{1^2-13}{2}=-6 \]となります。
これより
\begin{eqnarray}
& &
(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2 \\[5pt]
&=&
a^2-2ab+b^2 \\
& & +b^2-2bc+c^2 \\
& & +c^2-2ca+a^2 \\[5pt]
&=&
2(a^2+b^2+c^2)-2(ab+bc+ca) \\[5pt]
&=&
2\cdot13-2\cdot(-6) \\[5pt]
&=&
26+12=38 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
解答
アイ:-6
ウエ:38
解答編 つづき
(2) $a-b=2\sqrt{5}$ の場合に、$(a-b)(b-c)(c-a)$ の値を求めてみよう。
$b-c=x$, $c-a=y$ とおくと\[ x+y=\myBox{オカ}\sqrt{5} \]である。また、(1)の計算から\[ x^2+y^2=\myBox{キク} \]が成り立つ。
これらより\[ (a-b)(b-c)(c-a)=\myBox{ケ}\sqrt{5} \]である。
解説
$x+y=(b-c)+(c-a)=b-a=-2\sqrt{5}$ であり、
\begin{eqnarray}
x^2+y^2
&=&
(b-c)^2+(c-a)^2 \\[5pt]
&=&
(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2 -(a-b)^2 \\[5pt]
&=&
38 -(2\sqrt{5})^2 \\[5pt]
&=&
38 -20 \\[5pt]
&=&
18
\end{eqnarray}となります。これらから
\begin{eqnarray}
(x+y)^2 &=& (-2\sqrt{5})^2 \\[5pt]
x^2+2xy+y^2 &=& 20 \\[5pt]
2xy &=& 20-18 \\[5pt]
xy &=& 1 \\[5pt]
(b-c)(c-a) &=& 1 \\[5pt]
\end{eqnarray}となることがわかります。よって、\[ (a-b)(b-c)(c-a)=a-b=2\sqrt{5} \]となります。
解答
オカ:-2
キク:18
ケ:2