京都大学 理学部特色入試 2022年度 第4問 解説

問題編

問題

 $0$ 以上 $1$ 未満の実数 $p$ を固定する。 $n$ を正の整数とし、 $xy$ 平面上の領域 $D_n$ を $x+y\leqq n$ で定める。 $xy$ 平面上の点 $P_0(0, n)$ から始まる点列 $P_0,P_1,P_2,\ldots$ を以下の条件を満たすように定める。

 (A) $P_k(x_k,y_k)$ が $y_k\gt 0$ を満たすならば、
  (i) 確率 $p$ で $P_{k+1}$ を $(x_k+1,y_k)$ とおく。
  (ii) 確率 $1-p$ で $P_{k+1}$ を $(x_k,y_k-1)$ とおく。
 (B) $P_k(x_k,y_k)$ が $y_k=0$ を満たすならば、 $P_{k+1}$ を $P_k$ とおく。

このとき、以下の設問に答えよ。

(1) $p=\dfrac{1}{2}$ のとき、 $P_{n+k}$ が $(k,0)$ となる確率を $p_{n,k}$ とする。このとき\[ \sum_{k=0}^{\infty} kp_{n,k} \]を求めよ。

(2) 各々の $n$ に対し、上の操作で実現可能な点列 $P_0(0,n), P_1,P_2,\ldots,P_{2n}$ で、これらすべての点が $D_n$ に属するものの個数を $C_n$ とする。また、 $C_0=1$ とする。このとき、\[ C_{n+1}=\sum_{k=0}^n C_k C_{n-k} \]が成り立つことを示せ。

(3) 点列 $P_0(0,n),P_1,P_2,P_3,\ldots$ のすべての点が領域 $D_n$ に属する確率を $q_n$ とする。このとき、\[ \lim_{n\to\infty} q_n \]を $p$ を用いて表せ。

ただし、正の実数の列 $\{a_j\}$ が、任意の正の整数 $m$ に対して $\displaystyle \sum_{j=1}^m a_j\leqq 1$ を満たすとき、以下が成り立つことを用いてもよい。

 ・極限 $\displaystyle \lim_{m\to\infty} \sum_{j=1}^m a_j$ が存在する。この極限値を $a$ とすると $a\leqq 1$

 ・$a$ の値は実数の列 $\{a_n\}$ の順番を入れ替えても変わらない。

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考え方

(1)は、二項係数を変形して和を求めていきます。

(2)は、カタラン数のことで、特色入試を受ける人なら見たことはあるでしょう。よくある最短経路と問題の設定は異なる(この問題では $x$ 軸にたどりついた後はもう動かない)ので注意しましょう。

(3)は、極限が存在することを用いていいと言われているので、これを使いましょう。(2)の式も利用して、極限を2通りの方法で表せば、極限値に関する方程式が得られます。細かい議論や式変形が多いので、答えを求めるのは大変です。

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