京都大学 理学部特色入試 2019年度 第2問 解説

(2018年11月に行われた特色入試の問題です。)

問題編

問題

 以下の設問に答えよ。ただし、 $0!=1$ とする。

(1) $n$ を自然数とする。 $F(x)$ は実数を係数とする $x$ の $n$ 次以下の多項式であって、 $m$ が整数のとき $F(m)$ がつねに整数となるものとする。このとき、次の性質(あ)、(い)を満たす実数 $c_0,c_1,c_2,\cdots,c_n$ が存在することを示せ。

(あ)次の式が $x$ についての恒等式となる。
\begin{eqnarray}
& &
\frac{F(x)}{(x+1)(x+2)\cdots(x+n)} \\[5pt] &=&
c_0+\frac{c_1}{x+1}+\frac{c_2}{(x+1)(x+2)}+\cdots \\
& &
+\frac{c_n}{(x+1)(x+2)\cdots(x+n)} \\
\end{eqnarray}

(い) $0\leqq k\leqq n$ を満たすすべての整数 $k$ について $(n-k)!c_k$ は整数である。

(2) $0$ 以上の整数 $k$ に対して、 $x$ の $k$ 次多項式 $P_k(x)$ を次のように定める。
\begin{eqnarray}
P_0(x) &=& 1, \\[5pt] P_1(x) &=& x+1, \\[5pt] P_2(x) &=& (x+1)(x+3), \\[5pt] &\vdots& \\[5pt] P_k(x) &=& (x+1)(x+3)\cdots(x+2k-3)(x+2k-1), \\[5pt] &\vdots& \\[5pt] \end{eqnarray}

また、 $a,b$ を $a\leqq b$ を満たす $0$ 以上の整数とする。このとき、 $x$ についての次の恒等式が成り立つことを示せ。\[ \frac{P_{a+b}(x)}{a!b!P_a(x)P_b(x)} = \sum_{q=0}^a \frac{2^q}{q!(a-q)!(b-q)!P_q(x)} \]

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考え方

(1)は、計算の処理が大変ですが、やるべきことはわかりやすいです。そもそも、 $c_k$ たちはどのように出せばいいかは、具体的な手順を示すことができます。

(2)は、パッと見た感じ、何がやりたいのかわからない式で、手の付け所が難しいです。いくつかの値を入れて成り立つことを調べるという方針は、(1)と同じです。ただ、何を入れればいいかは、考えないといけません。(1)とは異なり、 $P_k(x)=0$ となる値を使っても、 $a+b+1$ 個の値を使うのは難しいです。

右辺の分子にある $2^q$ をどう使うかを考えると、どんな値を $x$ に入れればいいか、思いつきやすくなるかもしれません。また、分母に $q!$ などがあって、シグマもあるので、二項係数にからんだ式変形も使います。