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京都大学 理学部特色入試 2019年度 第1問 解説

(2018年11月に行われた特色入試の問題です。2019年に行われた特色入試の問題はこちら

問題編

問題

 $a$ を $2$ 以上の整数とし、有理数 $b$ を $b=1+\dfrac{1}{a}$ により定める。自然数 $n$ に対して、\[ S_n=\sum_{k=1}^n k^{\frac{1}{a} } \]とおく。ただし、 $k^{\frac{1}{a} }$ とは $a$ 乗すると $k$ になる正の実数のことである。以下の設問に答えよ。

(1) $\displaystyle \lim_{n\to\infty} \frac{S_n}{n^b}=\frac{1}{b}$ を示せ。

(2) $\displaystyle \lim_{n\to\infty} \left(S_n-\frac{n^b}{b} \right)=\infty$ を示せ。

考え方

(1)はよくある問題です。こういう変わった和を計算する問題で、分母に $n$ があれば、ピンとくるものがあるでしょう。

(2)は、(1)の収束スピードに関する問題です。少し見方を変えなければいけませんが、各項の評価に持ち込んで考えましょう。


解答編

問題

 $a$ を $2$ 以上の整数とし、有理数 $b$ を $b=1+\dfrac{1}{a}$ により定める。自然数 $n$ に対して、\[ S_n=\sum_{k=1}^n k^{\frac{1}{a} } \]とおく。ただし、 $k^{\frac{1}{a} }$ とは $a$ 乗すると $k$ になる正の実数のことである。以下の設問に答えよ。

(1) $\displaystyle \lim_{n\to\infty} \frac{S_n}{n^b}=\frac{1}{b}$ を示せ。

解答

(1)
\[ n^b=n\cdot n^{\frac{1}{a} } \]なので、
\begin{eqnarray} & & \frac{S_n}{n^b} \\[5pt] &=& \frac{1}{n} \sum_{k=1}^n \left(\frac{k}{n}\right)^{\frac{1}{a} } \\[5pt] \end{eqnarray}だから、区分求積法より \begin{eqnarray} & & \lim_{n\to\infty} \frac{S_n}{n^b} \\[5pt] &=& \int_0^1 x^{\frac{1}{a} } dx \\[5pt] &=& \frac{1}{\frac{1}{a}+1} \left[ x^{\frac{1}{a}+1} \right]_0^1 \\[5pt] &=& \frac{1}{b} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。

解答編 つづき

問題

(2) $\displaystyle \lim_{n\to\infty} \left(S_n-\frac{n^b}{b} \right)=\infty$ を示せ。

解答

(2)

(1)の最後の積分より、
\begin{eqnarray} \int_0^n x^{\frac{1}{a} } dx &=& \frac{1}{\frac{1}{a}+1} \left[ x^{\frac{1}{a}+1} \right]_0^n \\[5pt] &=& \frac{n^b}{b} \end{eqnarray}だから、 \begin{eqnarray} & & S_n -\frac{n^b}{b} \\[5pt] &=& \sum_{k=1}^n k^{\frac{1}{a} } -\int_0^n x^{\frac{1}{a} } dx \\[5pt] &=& \sum_{k=1}^n \int_{k-1}^k \left( k^{\frac{1}{a} } -x^{\frac{1}{a} } \right) dx \\[5pt] \end{eqnarray}と変形できる。

ここで、 $f(x)=x^{\frac{1}{a} }$ とおき、 $k-1\leqq x\leqq k$ において、 $y=f(x)$ と $y=k^{\frac{1}{a} }$ について考える。

\[ f'(x)=\frac{1}{a}x^{\frac{1}{a}-1} \]で、つねに正だから、 $y=f(x)$ は単調増加である。また、 $a\geqq 2$ なので、2階微分はつねに負だから、 $y=f(x)$ は上に凸である。

\[ \int_{k-1}^k \left( k^{\frac{1}{a} } -x^{\frac{1}{a} } \right) dx \]は、 $x=k-1$, $y=k^{\frac{1}{a} }$, $y=f(x)$ で囲まれた部分の面積を表している。 $y=f(x)$ は上に凸なので、この面積は、 $y=f(x)$ の $x=k$ での接線と $x=k-1$, $y=k^{\frac{1}{a} }$ で囲まれた部分の面積以上である。この図形は、底辺が $1$ で、高さが $f'(x)$ の傾きである直角三角形なので、面積は\[ \frac{1}{2a}k^{\frac{1}{a}-1} \]となる。

よって、
\begin{eqnarray} & & \sum_{k=1}^n \int_{k-1}^k \left( k^{\frac{1}{a} } -x^{\frac{1}{a} } \right) dx \\[5pt] &\geqq& \sum_{k=1}^n \int_{k-1}^k \frac{1}{2a}k^{\frac{1}{a}-1} dx \\[5pt] &=& \frac{1}{2a}\sum_{k=1}^n k^{\frac{1}{a}-1} \quad \cdots(*) \\[5pt] \end{eqnarray}となる。

ここで、 $s=\dfrac{1}{a}-1$ とすると、 $-1\lt s \lt 0$ だから、 $y=x^s$ は単調減少なので
\begin{eqnarray} & & \sum_{k=1}^n k^s \\[5pt] &\geqq& \int_1^{n+1} x^s dx \\[5pt] &=& \frac{1}{s+1} \left[ x^{s+1} \right]_1^{n+1} \\[5pt] &=& \frac{1}{s+1} \{ (n+1)^{s+1} -1 \} \end{eqnarray}となる。 $s+1\gt 0$ なので、 $n\to \infty$ とすると、最後の式も正の無限大に発散する。よって、(*) も正の無限大に発散することがわかるので、\[ \lim_{n\to\infty} \left(S_n-\frac{n^b}{b} \right)=\infty \]となる。

(終)

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