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京都大学 理系 2016年度 第3問 解説

問題編

【問題】
四面体$\mathrm{ OABC }$が次の条件をみたすならば、それは正四面体であることを示せ。
 条件:頂点A、B、Cからそれぞれの対面を含む平面へ下した垂線は対面の外心を通る。

ただし、四面体にある頂点の対面とは、その頂点を除くほかの3つの頂点がなす三角形のことをいう。

【考え方】
ベクトルなどを使って計算し始めたくなりますが、そうすると罠にはまってしまいます。条件を読むと、垂線があり、外接円の半径があるので、実はもうほとんど辺の長さがわかるところまで来ています。図形的に解くのが一番簡単です。

なお、文系第4問に、これと1文字だけ違う問題が出題されています。


解答編

【問題】
四面体$\mathrm{ OABC }$が次の条件をみたすならば、それは正四面体であることを示せ。
 条件:頂点A、B、Cからそれぞれの対面を含む平面へ下した垂線は対面の外心を通る。

ただし、四面体にある頂点の対面とは、その頂点を除くほかの3つの頂点がなす三角形のことをいう。

【解答】
Aから三角形OBCに下した垂線の足をPとする。条件から、これが三角形OBCの外心になるので、$\mathrm{ OP }=\mathrm{ BP }=\mathrm{ CP }$である。

三角形OAPに着目すると、これは直角三角形なので、$\mathrm{ OA }^2=\mathrm{ PA }^2+\mathrm{ OP }^2$である。同様に、$\mathrm{ BA }^2=\mathrm{ PA }^2+\mathrm{ BP }^2$と$\mathrm{ CA }^2=\mathrm{ PA }^2+\mathrm{ CP }^2$も成り立つ。これらと$\mathrm{ OP }=\mathrm{ BP }=\mathrm{ CP }$より、各右辺が等しいから、各左辺も等しいことがわかる。よって、$\mathrm{ OA }=\mathrm{ BA }=\mathrm{ CA }$が成り立つ。

Bについても同様に考えると、$\mathrm{ OB }=\mathrm{ AB }=\mathrm{ CB }$が成り立ち、Cについても同様に考えると、$\mathrm{ OC }=\mathrm{ AC }=\mathrm{ BC }$が成り立つ。

以上から、辺の長さがすべて等しいので、四面体OABCは正四面体となる。
【解答終】

【解説】
答えを見ると簡単ですが、ひらめかないとなかなか先に進めない問題です。

ここでは、三平方の定理を用いて解きましたが、三角形OAPと三角形BAPと三角形CAPが合同であることを用いることで、より簡単に示すこともできます。

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