京都大学 理系 2006年度 第6問 解説
問題編
【問題】
$\displaystyle 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2}$として、関数Fを\[ F(\theta) = \int_0^{\theta}x\cos(x+\alpha)dx \]で定める。$\theta$が$\displaystyle \left[0,\frac{\pi}{2}\right]$の範囲を動くとき、Fの最大値を求めよ。
【考え方】
最大値を求めるので、微分して増減表を書く、という流れで解いていきます。いつ最大をとるかがわかれば、最大値を求めるのも簡単です。部分積分を1回するだけで計算できます。微分積分の問題にしては簡単な問題です。
解答編
【問題】
$\displaystyle 0 \lt \alpha \lt \frac{\pi}{2}$として、関数Fを\[ F(\theta) = \int_0^{\theta}x\cos(x+\alpha)dx \]で定める。$\theta$が$\displaystyle \left[0,\frac{\pi}{2}\right]$の範囲を動くとき、Fの最大値を求めよ。
【解答】
$F'(\theta)=\theta\cos(\theta+\alpha)$なので、$F'(\theta)=0$のとき$\displaystyle \theta=0, \frac{\pi}{2}-\alpha$となる。これを$\theta_1$とすると、増減表は次のようになる。
\begin{array}{c|ccccc}
\theta & 0 & \cdots & \theta_1 & \cdots & \frac{\pi}{2} \\
\hline
F'(\theta) & & + & 0 & - & \\
\hline
F(\theta) & & \nearrow & & \searrow &
\end{array}
よって、最大値は、
\begin{eqnarray}
F(\theta_1)
&=&
\int_0^{\theta_1}x\cos(x+\alpha)dx \\[5pt]
&=&
\left[ x\sin(x+\alpha) \right]_0^{\theta_1} -\int_0^{\theta_1}\sin(x+\alpha)dx \\[5pt]
&=&
\theta_1\sin(\theta_1+\alpha) -\left[ -\cos(x+\alpha) \right]_0^{\theta_1} \\[5pt]
&=&
\left( \frac{\pi}{2}-\alpha \right)\sin\left( \frac{\pi}{2}-\alpha+\alpha \right) +\cos\left( \frac{\pi}{2}-\alpha+\alpha \right) -\cos\alpha \\[5pt]
&=&
\frac{\pi}{2}-\alpha -\cos\alpha \\[5pt]
\end{eqnarray}となる。
【解答終】
【解説】
$F(x)=\int_0^xf(t)dt$のときに$F'(x)=f(x)$になることと、部分積分がわかっていれば、難しいところはありません。