京都大学 理系 2006年度 第4問 解説
問題編
【問題】
2以上の自然数nに対し、$n$と$n^2+2$がともに素数になるのは$n=3$の場合に限ることを示せ。
【考え方】
これはよく読むと、「nが3より大きい素数のとき、$n^2+2$は素数にならない」ということを示せばいいということがわかります。
$n^2+2$を計算してみると、$n$が5のときは27、7のときは51、11のときは123、13のときは171となり、確かに素数にはなりません。よく見ると3の倍数になっています。「3より大きい素数」は3で割り切れませんが、3で割り切れない整数を2乗すると、3で割った余りが1になるので、このことを使って解答を書いていきます。
解答編
【問題】
2以上の自然数nに対し、$n$と$n^2+2$がともに素数になるのは$n=3$の場合に限ることを示せ。
【解答】
$n=2$のとき、$n^2+2=6$となり、これは素数ではない。
$n=3$のとき、$n^2+2=11$となり、これは素数。
以下では、$n$を3より大きい素数のとき、$n^2+2$が素数ではないことを示す。
$n$を3より大きい素数であるとき、ある自然数mを用いて、$n=3m\pm 1$と書ける。このとき、
\begin{eqnarray}
n^2+2
&=&
(3m \pm 1)^2+2 \\
&\equiv &
(\pm 1)^2+2 \pmod 3 \\
&\equiv &
0 \pmod 3 \\
\end{eqnarray}となる。$n^2+2$は3より大きいので、これは素数にならない。
よって、題意を満たすnは3のみとなる。
【解答終】
【解説】
3で割った余りに注目する、ということに気づけば解けますが、逆に言うと、それに気づかない限り何も手が出せない問題でもあります。いくつか具体的に計算してみて、規則性がないか考える必要があります。