センター試験 数学II・数学B 2015年度 第1問 [2] 解説
問題編
問題
a, bを正の実数とする。連立方程式
\begin{eqnarray} (\ast) \left\{ \begin{array}{l} x\sqrt{y^3} &=& a \\ \sqrt[3]{x} y &=& b \end{array} \right. \end{eqnarray}を満たす正の実数 x, y について考えよう。(1) 連立方程式 $(\ast)$ を満たす正の実数 x, y は\[ x=a^{^{\myBox{ス}}}\ b^{^{\myBox{セソ}}}, \quad y=a^p\ b^{^{\myBox{タ}}} \]となる。ただし\[ p=\frac{\myBox{チツ}}{\myBox{テ}} \]である。
(2) $b=2\sqrt[3]{a^4}$ とする。a が $a\gt 0$ の範囲を動くとき、連立方程式 $(\ast)$ を満たす正の実数 x, y について、$x+y$ の最小値を求めよう。
$b=2 \sqrt[3]{a^4}$ であるから、$(\ast)$ を満たす正の実数 x, y は、a を用いて\[ x=2^{^{\mybox{セソ}}}\ a^{^{\myBox{トナ}}}, \quad y=2^{^{\mybox{タ}}}\ a^{^{\myBox{ニ}}} \]と表される。したがって、相加平均と相乗平均の関係を利用すると、$x+y$ は $a=2^q$ のとき最小値 $\sqrt{\myBox{ヌ}}$ をとることがわかる。ただし\[ q=\frac{\myBox{ネノ}}{\myBox{ハ}} \]である。
考え方
(1)は両辺の$\log$をとってから計算してもいいですし、両辺を何乗かして直接計算することもできます。
(2)の前半は指数関数の計算です。後半は「相加相乗を使う」と書いてあるので、その通り変形していけば答えが得られます。
解答編
問題
a, bを正の実数とする。連立方程式
\begin{eqnarray} (\ast) \left\{ \begin{array}{l} x\sqrt{y^3} &=& a \\ \sqrt[3]{x} y &=& b \end{array} \right. \end{eqnarray}を満たす正の実数 x, y について考えよう。(1) 連立方程式 $(\ast)$ を満たす正の実数 x, y は\[ x=a^{^{\myBox{ス}}}\ b^{^{\myBox{セソ}}}, \quad y=a^p\ b^{^{\myBox{タ}}} \]となる。ただし\[ p=\frac{\myBox{チツ}}{\myBox{テ}} \]である。
解説
1つ目の式を2乗し、2つ目の式を3乗すると\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x^2 y^3 &=& a^2 \\ x y^3 &=& b^3 \end{array} \right. \end{eqnarray}となります。辺々割ると、$x=a^2 b^{-3}$となります。
これを2つ目の式に代入すると
\begin{eqnarray}
\sqrt[3]{a^2 b^{-3} } y &=& b \\
y &=& b \cdot a^{-\frac{2}{3} } b \\[5pt]
&=& a^{-\frac{2}{3} } b^2
\end{eqnarray}となります。
解答
スセソ:2-3タチツテ:2-23
解答編 つづき
問題
(2) $b=2\sqrt[3]{a^4}$ とする。a が $a\gt 0$ の範囲を動くとき、連立方程式 $(\ast)$ を満たす正の実数 x, y について、$x+y$ の最小値を求めよう。
$b=2 \sqrt[3]{a^4}$ であるから、$(\ast)$ を満たす正の実数 x, y は、a を用いて\[ x=2^{^{\mybox{セソ}}}\ a^{^{\myBox{トナ}}}, \quad y=2^{^{\mybox{タ}}}\ a^{^{\myBox{ニ}}} \]と表される。
解説
(1)の結果から、x は、\begin{eqnarray} x &=& a^2 b^{-3} \\ &=& a^2 (2\sqrt[3]{a^4})^{-3} \\ &=& 2^{-3} a^{2+4/3\times(-3)} \\ &=& 2^{-3} a^{-2} \end{eqnarray}と求められます。
また、y は
\begin{eqnarray}
y &=& a^{-2/3} b^2 \\
&=& a^{-2/3} (2\sqrt[3]{a^4})^2 \\
&=& 2^2 a^{-2/3 + 4/3 \times 2}\\
&=& 2^2 a^2
\end{eqnarray}と求められます。
解答
トナ:-2ニ:2
解答編 つづき
問題
したがって、相加平均と相乗平均の関係を利用すると、$x+y$ は $a=2^q$ のとき最小値 $\sqrt{\myBox{ヌ}}$ をとることがわかる。ただし\[ q=\frac{\myBox{ネノ}}{\myBox{ハ}} \]である。
解説
先ほどの結果から、$x+y$ は、$2^{-3} a^{-2}+2^2 a^{2}$ と書けます。相加相乗平均の関係より、
\begin{eqnarray}
2^{-3} a^{-2}+2^2 a^{2}
&\geqq& 2 \sqrt{ 2^{-3} a^{-2} \cdot 2^2 a^{2} } \\
&=& 2 \sqrt{ 2^{-1} } \\
&=& \sqrt{ 2 }
\end{eqnarray}となります。等号が成り立つのは、$2^{-3} a^{-2} = 2^2 a^2$ のときであり、$a^4=2^{-5}$ なので、$a=2^{-5/4}$ のときです。このときに最小値 $\sqrt{2}$ をとることがわかります。
解答
ヌ:2ネノハ:-54