【標準】正弦定理と比
ここでは、$\sin$ の比が与えられている状況で、角を求める問題を考えます。【標準】余弦定理と比で見た内容に帰着させて考えます。
なお、辺 $\mathrm{AB}$, $\mathrm{BC}$, $\mathrm{CA}$ の長さを、それぞれ、 $c,a,b$ と書き、角 $\angle \mathrm{ CAB }$, $\angle \mathrm{ ABC }$, $\angle \mathrm{ BCA }$ の大きさを、それぞれ、 $A,B,C$ と書くことにします。
例題
3辺の長さや3辺の長さの比がわかっていれば余弦定理を使えば解けます。しかし、今わかっているのは、 $\sin$ の比です。これを辺の長さを使って表現できれば解けそうですね。
$\sin$ と辺の長さの関係は、正弦定理を使えばいいですね。正弦定理から、
\begin{eqnarray}
& &
a:b:c \\
&=&
2R\sin A : 2R\sin B : 2R\sin C \\
&=&
\sin A : \sin B : \sin C \\
\end{eqnarray}なので、 $a:b:c=13:8:7$ であることがわかります。正弦定理は、辺の比と $\sin$ の比が一致することを表している、と見ることもできるわけですね。
あとは、【標準】余弦定理と比と流れは同じです。
正の数 k を用いて、 $a=13k$, $b=8k$, $c=7k$ と書けます。余弦定理から
\begin{eqnarray}
\cos A
&=&
\frac{(8k)^2+(7k)^2-(13k)^2}{2\cdot 8k\cdot 7k} \\[5pt]
&=&
\frac{64+49-169}{2\cdot 8\cdot 7} \\[5pt]
&=&
\frac{-56}{2\cdot 8\cdot 7} \\[5pt]
&=&
-\frac{1}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}なので、 $A=120^{\circ}$ と求められます。
ちなみに、問題文が次のような形になっている場合もあります。
形は違いますが、内容は同じです。 $\displaystyle \frac{\sin A}{13}=k$ とすると、
\begin{eqnarray}
& &
\sin A:\sin B:\sin C \\
&=&
13k:8k:7k \\
&=&
13:8:7
\end{eqnarray}となるからです。
おわりに
ここでは、 $\sin$ の比が与えられているときに、角度を求める問題を考えました。正弦定理を使って辺の比に変換し、余弦定理を使って角度を求める、という順番で求めることができるんでしたね。 $\sin$ の比から直接角度を求めることはできないので、このやり方をよく理解しておきましょう。