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【基本】正弦定理の証明

【導入】正弦定理・余弦定理を使えば何ができる?では、簡単に正弦定理の紹介を行いましたが、ここでは正弦定理の証明を見ていきます。証明自体を覚えておく必要は特にありませんが、基本的な定理の証明なので、ここで紹介しておきます。

なお、辺 $\mathrm{AB}$, $\mathrm{BC}$, $\mathrm{CA}$ の長さを、それぞれ、 $c,a,b$ と書き、角 $\angle \mathrm{ CAB }$, $\angle \mathrm{ ABC }$, $\angle \mathrm{ BCA }$ の大きさを、それぞれ、 $A,B,C$ と書くことにします。

📘 目次

正弦定理の証明

正弦定理とは、このような内容です。

正弦定理
$\triangle \mathrm{ ABC }$ の外接円の半径を R とすると、次が成り立つ。\[ \frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C} = 2R \]

ちなみに、外接円とは、三角形の外側で接する円のことです。3つの頂点を通る円、ということもできます。

この正弦定理を証明してみます。

証明
まず、 $a=2R \sin A$ を示す。 A が鋭角・直角・鈍角の場合に分けて証明する。
(1) A が鋭角のとき
BD が $\triangle \mathrm{ ABC }$ の外接円の直径となるように点 D をとる。

このとき、円周角の定理から、 $\angle \mathrm{ BDC }=A$ であり、 $\angle \mathrm{ BCD }=90^{\circ}$ である。$\mathrm{ BD }=2R$ なので\[ a = 2R\sin\angle \mathrm{ BDC } = 2R\sin A \]が成り立つ。
(2) A が直角のとき
a は外接円の直径に等しく、 $\sin A=1$ である。

なので、\[ a=2R=2R\sin A \]が成り立つ。
(3) A が鈍角のとき
BD が $\triangle \mathrm{ ABC }$ の外接円の直径となるように点 D をとる。

四角形 ABDC は円に内接するので、 $\angle \mathrm{ CDB }=180^{\circ}-A$ が成り立つ。
$\triangle \mathrm{ BCD }$ で BC の長さを考えると、
\begin{eqnarray} a &=& 2R\sin (180^{\circ}-A) \\ &=& 2R\sin A \\ \end{eqnarray}が成り立つ。
(1)(2)(3) より、どの場合でも、 $a=2R \sin A$ が成り立つ。
同様にすれば、 $b=2R \sin B$ 、 $c=2R \sin C$ が成り立つこともわかる。よって、次が成り立つことが示された。\[ \frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C} = 2R \]
【証明終】

証明は、「直角三角形を作り出す」ところがポイントですね。直角三角形が出てくれば、外接円の直径と角度と辺の長さの関係が出てきます。

おわりに

ここでは、正弦定理の証明を見てきました。正弦定理は円と絡めて考える問題で使う機会が多く、外接円の直径や内接する四角形と一緒に登場することも多いです。これらは、正弦定理の内容やその証明を見ると、なんとなく予想できるのではないか、と思います。

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