【標準】定積分で表された関数を微分する(区間も関数)

ここでは、定積分で表された関数を微分する計算について見ていきます。積分区間にも関数があらわれている場合を考えます。

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定積分で表された関数の微分

例題
$x\gt 0$ のとき、次の関数を $x$ について微分しなさい。\[ \int_x^{x^2} \log t dt \]

【基本】定積分と微分の関係の復習で見たように、次の関係式が成り立ちます。\[ \dfrac{d}{dx}\int_a^x f(t) dt=f(x) \]今の場合は、積分区間に $x$ ではなく、 $x^2$ が含まれています。こういう場合、微分するとどうなるのでしょうか。

こういう場合は、一度、基本に戻ってみましょう。なぜ、上の関係式が成り立つか、を考えなおしてみます。

微分して $f(x)$ となる関数を、 $F(x)$ としましょう。つまり、 $F'(x)=f(x)$ ということですね。 $a$ から $x$ までの定積分は、\[ \int_a^x f(t) dt=F(x)-F(a) \]となるので、右辺を微分すると $f(x)$ となります。よって、上の関係式が成り立つのでした。

では、 $x$ から $x^2$ までの定積分だったらどうなるかというと、\[ \int_x^{x^2} f(t) dt=F(x^2)-F(x) \]となるわけですね。この右辺を微分すると、合成関数の微分を行えばいいので
\begin{eqnarray}
& &
(F(x^2)-F(x))’ \\[5pt] &=&
F'(x^2)\cdot (x^2)’-F'(x) \\[5pt] &=&
2x f(x)-f(x)
\end{eqnarray}となります。このようにして計算することができます。

この例題であれば、 $G'(x)=\log x$ を満たす関数 $G(x)$ を考えて
\begin{eqnarray}
& &
\dfrac{d}{dx}\int_x^{x^2} \log t dt \\[5pt] &=&
\dfrac{d}{dx} \left(G(x^2)-G(x)\right) \\[5pt] &=&
G'(x^2)\cdot 2x-G'(x) \\[5pt] &=&
2x\log x^2-\log x \\[5pt] &=&
4x\log x-\log x \\[5pt] \end{eqnarray}となります。これが答えです。

一般化した場合

上の例題のような、積分区間にも関数が含まれている場合に、定積分を微分するには、基本に立ち返って考えたほうがいいでしょう。つまり、上のように、「微分して被積分関数になるもの」を導入して、合成関数の微分を計算すればいいです。

そのため、以下の話は、特に公式として覚える必要はありませんが、一般化するとどうなるかを計算していきます。

次のような関数\[ \int_{h(x)}^{g(x)} f(t)dt \]を $x$ について微分することを考えてみましょう。上の例題では、 $f(x)=\log x$, $g(x)=x^2$, $h(x)=x$ となっていたので、これは上の例題を一般化したものとなっています。

$F'(x)=f(x)$ となる関数 $F(x)$ を使えば、この定積分は\[ F(g(x))-F(h(x)) \]となります。なので、これを微分すると、合成関数の微分を計算することとなり、
\begin{eqnarray}
& &
(F(g(x))-F(h(x)))’ \\[5pt] &=&
F'(g(x))\cdot g'(x)-F(h(x))\cdot h'(x) \\[5pt] &=&
f(g(x))\cdot g(x)-f(h(x))\cdot h(x) \\[5pt] \end{eqnarray}となることがわかります。

この式は、使う機会がそんなに多くないので覚える必要はありません。ただ、基本に立ち返って、「微分すると被積分関数になるもの」を考えて、合成関数の微分を計算すればいい、ということはおさえておくようにしましょう。

おわりに

ここでは、積分区間が $x$ の関数となっているときに、定積分を $x$ で微分する問題を見てきました。慣れてくれば、いきなり合成関数の微分だと思って計算することもできますが、基本に立ち返って「微分すると被積分関数になるもの」を考えたほうがいいでしょう。