【標準】指数関数と不等式

ここでは、指数関数を含んだ不等式のうち、置き換えを利用する問題を見ていきます。

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置き換えを使って指数関数を含む不等式を解く1

例題1
次の不等式を解きなさい。\[ 8^x-4^{x+1}\geqq 0 \]

【標準】指数関数と方程式でも見たように、底が違う場合は、まずは底をそろえて考えたほうがいいです。今の場合は、 $2$ で揃えることができます。

$8^x=(2^3)^x=2^{3x}$ となります。2項目は\[ 4^{x+1}=4\cdot 4^x=4\cdot 2^{2x} \]と変形します。このように、 $x+1$ の部分を $x$ だけになるようにした方が、 $2^x$ を一つのかたまりとして扱いやすくなります。

ここまでで、もとの式は次のように変形できています。\[ 2^{3x}-4\cdot 2^{2x} \geqq 0 \]ここで、 $X=2^x$ とおくと、次のように変形できます。
\begin{eqnarray}
X^3-4X^2 & \geqq & 0 \\[5pt] X^2(X-4) & \geqq & 0 \\[5pt] \end{eqnarray}ここで、 $X=2^x$ はつねに正です。なので、 $X^2$ も正なので、この不等式は
\begin{eqnarray}
X-4 & \geqq & 0 \\[5pt] 2^x & \geqq & 2^2 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。底は $2$ で、 $1$ より大きいから、\[ x \geqq 2 \]が解となります。

$X=2^x$ が正というのは、【標準】指数関数と方程式でも使いましたね。【基本】指数関数のグラフでも見たように、 $y=a^x$ のグラフが $x$ 軸より上にあることと対応しています。

底が $1$ より大きいか小さいか、の確認は、【基本】指数関数と不等式でも見ました。底が $1$ より大きいかどうかで、大小関係が変わってしまうのでした。これは、【基本】指数関数のグラフで見たように、グラフが右肩上がりなのか、右肩下がりなのかが変わってくることと対応しています。

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置き換えを使って指数関数を含む不等式を解く2

例題2
次の不等式を解きなさい。\[ \left(\dfrac{1}{4}\right)^x+3\left(\dfrac{1}{2}\right)^x-10\geqq 0 \]

今度は、底を $\dfrac{1}{2}$ に揃えるとうまくいきそうですね。\[ \left(\dfrac{1}{2}\right)^{2x}+3\left(\dfrac{1}{2}\right)^x-10\geqq 0 \]となります。 $X=\left(\dfrac{1}{2}\right)^x$ とおけば、次のように変形できます。
\begin{eqnarray}
X^2+3X-10 & \geqq & 0 \\[5pt] (X+5)(X-2) & \geqq & 0 \\[5pt] \end{eqnarray}普通の二次不等式ならば、 $X\geqq 2$, $X\leqq -5$ が解となります。しかし、今の場合、 $X=\left(\dfrac{1}{2}\right)^x$ なので、 $X$ が負になることはないんですね。なので、 $X\leqq -5$ になることはありません。

そのため、上のように変形した後は、 $X=\left(\dfrac{1}{2}\right)^x$ は正だから、 $X\geqq 2$ となる、話を進めていきます。
\begin{eqnarray}
X & \geqq & 2 \\[5pt] \left(\dfrac{1}{2}\right)^x & \geqq & \left(\dfrac{1}{2}\right)^{-1} \\[5pt] \end{eqnarray}であり、底は $\dfrac{1}{2}$ で1より小さいので、 $x \leqq 1$ が解となります。

このように解いてもいいですし、最初から底を $1$ より大きいものに揃えることもできます。底を $2$ に揃えると、もとの式は\[ 2^{-2x}+3\cdot2^{-x}-10\geqq 0 \]となります。 $X=2^{-x}$ とおけば\[ (X+5)(X-2)\geqq 0 \]となります。 $X$ は正だから $X+5$ も正なので、 $X\geqq 2$ となります。\[ 2^{-x}\geqq 2^1 \]であり、底は $1$ より大きいから $-x\geqq 1$ 、つまり、 $x\leqq -1$ となります。同じ結果ですね。

また、さらに別の解き方として、 $2^{2x}$ を両辺に掛けてしまう、という方法もあります。分数を考えたくないので消してしまおう、という発想です。 $2^{2x}$ は正なので、不等式の両辺に掛けても問題ありません。掛けた後の式は\[ 1+3\cdot 2^x -10\cdot 2^{2x} \geqq 0 \]となります。$X=2^x$ とおくと
\begin{eqnarray}
1+3X-10X^2 & \geqq & 0 \\[5pt] 10X^2-3X-1 & \leqq & 0 \\[5pt] (5X+1)(2X-1) & \leqq & 0 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。 $X=2^x$ は正だから $5X+1$ も正なので、\[ 2X-1\leqq 0 \]となります。これより\[ 2^x\leqq 2^{-1} \]であり、底が $1$ より大きいから $x\leqq -1$ となります。やはり、同じ結果になりますね。

$1$ より小さい底のまま考えてもいいですし、 $1$ より大きい底で考えてもいいですし、不等式の両辺に正の値を掛けてから考えても構いません。自分が一番間違いにくいやり方で解けるようになりましょう。

おわりに

ここでは、指数関数を含む不等式を見ました。 $X=a^x$ などと置いて考える問題を扱いました。不等式の場合は、底が $1$ より大きいか小さいか、を常に意識する必要があります。また、 $X=a^x$ とおいたとき( $0\lt a \lt 1$, $1\lt a$ )に、 $X$ がつねに正になることにも注意しましょう。二次不等式の場合には、どちらかの範囲が解の対象外になることもあります。