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【標準】連続型確率分布

ここでは、連続型確率分布に関する問題を見ていきます

📘 目次

例題1

例題
$a$ を実数とします。連続型確率変数 $X$ のとり得る値の範囲が、$0\leqq X\leqq 1$ であるとし、 $X$ の密度関数 $f(x)$ が次のように表されているとします。\[ f(x)=ax(1-x) \]
(1) $a$ の値を求めなさい。
(2) $E(X)$ を求めなさい。
(3) $V(X)$ を求めなさい。

連続型確率変数とは、実数のような連続的な値をとる確率変数のことです(参考:【基本】連続型確率分布)。密度関数の積分で確率を表すことがあり、この問題では、 $f(x)=ax(1-x)$ と表されている、という状況を考えます。

確率に関する性質の一つに、全体の確率が $1$ である、というものがあります。これを使えば、 $a$ の値が求められます。

今の場合、 $0\leqq X\leqq 1$ なので、\[ \int_0^1 f(x)dx=1 \]が成り立つということです。左辺は
\begin{eqnarray} & & \int_0^1 f(x)dx \\[5pt] &=& \int_0^1 ax(1-x)dx \\[5pt] &=& a\int_0^1 (x-x^2)dx \\[5pt] &=& a\left[ \frac{1}{2}x^2-\frac{1}{3}x^3\right]_0^1 \\[5pt] &=& a\cdot\frac{3-2}{6} \\[5pt] &=& \frac{a}{6} \end{eqnarray}と計算できるので、 $\dfrac{a}{6}=1$ から\[ a=6 \]と求められます。

例題2

続いて、期待値と分散を求めます。

例題
$a$ を実数とします。連続型確率変数 $X$ のとり得る値の範囲が、$0\leqq X\leqq 1$ であるとし、 $X$ の密度関数 $f(x)$ が次のように表されているとします。\[ f(x)=ax(1-x) \]
(1) $a$ の値を求めなさい。
(2) $E(X)$ を求めなさい。
(3) $V(X)$ を求めなさい。

期待値は、 $xf(x)$ の積分を計算すればいいので(参考:【基本】連続型確率分布
\begin{eqnarray} E(X) &=& \int_0^1 x\cdot 6x(1-x) dx \\[5pt] &=& 6 \int_0^1 (x^2-x^3) dx \\[5pt] &=& 6\left[ \frac{1}{3}x^3-\frac{1}{4}x^4\right]_0^1 \\[5pt] &=& 6\cdot\frac{4-3}{12} \\[5pt] &=& \frac{1}{2} \end{eqnarray}となります。

分散は、連続型の場合でも、「2乗の平均 引く 平均の2乗」で計算できます。そのため、まずは2乗の平均を計算します。
\begin{eqnarray} E(X^2) &=& \int_0^1 x^2\cdot 6x(1-x) dx \\[5pt] &=& 6 \int_0^1 (x^3-x^4) dx \\[5pt] &=& 6\left[ \frac{1}{4}x^4-\frac{1}{5}x^5\right]_0^1 \\[5pt] &=& 6\cdot\frac{5-4}{20} \\[5pt] &=& \frac{3}{10} \end{eqnarray}これより、 \begin{eqnarray} V(X) &=& E(X^2)-\{E(X)\}^2 \\[5pt] &=& \frac{3}{10}-\left(\frac{1}{2}\right)^2 \\[5pt] &=& \frac{6-5}{20}=\frac{1}{20} \end{eqnarray}と求められます。

おわりに

ここでは、連続型確率分布について見てきました。確率の問題と見せかけて、ほとんど積分の問題です。

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