【応用】接線と曲線で囲まれた部分の面積と積分

ここでは、接線と曲線とで囲まれた部分の面積を、積分を用いて計算する方法を見ていきます。

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接線と曲線で囲まれた部分の面積

例題
曲線 $y=\log x$ と、原点を通るこの曲線の接線、および、 $x$ 軸で囲まれた部分の面積を求めなさい。

$y=\log x$ がどんな曲線かはわかりますが、この曲線の接線で、原点を通るものがどういうものかはすぐにはわかりません。この接線の方程式をまずは求めないと、どこの部分の面積かがわからないですね。

接線の方程式は、接点を使って表すことができるので、接点の $x$ 座標を $a$ とおいて考えていきます(参考:【標準】通る点から接線の方程式を求める)。 $(a,\log a)$ での接線の方程式は\[ y-\log a=\frac{1}{a}(x-a) \]と書くことができます。接線の傾きは $\log x$ を微分したものに $x=a$ を代入すれば求められるので、 $\dfrac{1}{a}$ となっています。

この接線が原点を通るとすると、
\begin{eqnarray}
0-\log a &=& \frac{1}{a}(0-a) \\[5pt] \log a &=& 1 \\[5pt] \end{eqnarray}なので、 $a=e$ であることがわかります。よって、接線の方程式は\[ y=\frac{1}{e}x \]であることがわかります。

以上から、下の図の青い部分の面積を求めればいいことがわかります。

【基本】2曲線間の面積と積分の復習で見たように、上の曲線に対応する関数から下の曲線に対応する関数を引き、積分すれば、面積を求めることができます。ただ、 $x=1$ より左の部分と右の部分とで、状況が違っていることがわかります。左側は、接線と $x$ 軸の間、右側は、接線と $y=\log x$ の間になっています。なので、求めたい面積は、 $x=1$ で場合を分けて計算すれば求められますね。

$x=1$ より左の部分の面積は
\begin{eqnarray}
& &
\int_0^1 \frac{1}{e}x dx \\[5pt] &=&
\Big[ \frac{1}{e}\cdot \frac{1}{2}x^2 \Big]_0^1 \\[5pt] &=&
\frac{1}{2e} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。また、 $x=1$ より右の部分は
\begin{eqnarray}
& &
\int_1^e \left(\frac{1}{e}x-\log x\right) dx \\[5pt] &=&
\Big[ \frac{1}{e}\cdot \frac{1}{2}x^2 \Big]_1^e-\Big[ x\log x \Big]_1^e+\int_1^e x\cdot\frac{1}{x} dx \\[5pt] &=&
\frac{e^2-1}{2e} -e +\Big[ x \Big]_1^e \\[5pt] &=&
\frac{e^2-1}{2e} -1 \\[5pt] \end{eqnarray}となります(参考:【基本】定積分の部分積分の計算(logの定積分など))。2つの面積を足し合わせて、\[ \frac{1}{2e}+\left(\frac{e^2-1}{2e} -1\right)=\frac{e}{2}-1 \]となります。これが答えです。

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計算量を減らす工夫

上で見た解き方では、「上から下を引いて積分する」という発想から、下の曲線が $x$ 軸なのか $y=\log x$ なのかで場合分けをしました。その結果\[ \int_0^1 \frac{1}{e}x dx +\int_1^e \left(\frac{1}{e}x-\log x\right) dx \]を計算することになりました。ただ、よく見ると、 $\dfrac{1}{e}x$ の積分は、 $0$ から $1$ までと $1$ から $e$ までを足しているので、結局 $0$ から $e$ までの積分となります。つまり、この積分は\[ \int_0^e \frac{1}{e}x dx -\int_1^e \log x dx \]と書けるわけですね。このような変形を思いつくことができれば、計算量を減らすこともできます。2回も $\dfrac{1}{e}x$ を積分する必要はないんですね。

ただ、実は、 $\dfrac{1}{e}x$ はそもそも1回も積分する必要もありません。次のように考えてみればわかるでしょう。

$\dfrac{1}{e}x$ の積分は、直角三角形(上の青と赤を合わせた部分)の面積です。つまり、先ほどの積分は、直角三角形から、不要な部分を引く、という求め方に対応しているわけです。三角形の部分の面積は、\[ \frac{e}{2} \]となります。先ほどの答えを見ると、同じパーツがありますね。不要な部分の面積は\[ \int_1^e \log x dx \]で表すことができますが、これを先ほどと同じように計算すると $1$ になるので、求める面積は\[ \frac{e}{2}-1 \]と求められます。直線の部分に関する積分をしないだけで、だいぶ計算量は減ります。

直線で囲まれた部分は、三角形の面積として処理できることが多く、わざわざ積分をする必要はありません。また、この後半の話は、【基本】y軸とで囲まれた部分の面積と積分でも似たような話題を取り上げています。

おわりに

ここでは、接線と曲線で囲まれた部分の面積を求める問題を見ました。接線の方程式を求めて図をかけば、あとは積分を計算するだけです。ただ、計算量を減らすことができる場合は、積極的に減らしていくようにしましょう。