【基本】高次方程式の解と係数
ここでは、高次方程式の解から係数を求める問題を考えます。
高次方程式の解から係数を求める
解から係数を求めてみましょう。
解が分かっているので、 $x=1$ を代入すれば、式が成り立つはずです。実際に代入すると
\begin{eqnarray}
1^3+a\cdot 1^2 -10 \cdot 1 +b &=& 0 \\[5pt]
a+b &=& 9 \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。また、 $x=2$ を代入すれば
\begin{eqnarray}
2^3+a\cdot 2^2 -10 \cdot 2 +b &=& 0 \\[5pt]
4a+b &=& 12 \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。2つの式を辺々引くと
\begin{eqnarray}
-3a &=& -3 \\[5pt]
a &=& 1
\end{eqnarray}が得られ、1つ目の式に入れると
\begin{eqnarray}
b &=& 8
\end{eqnarray}が得られます。
これより、元の三次方程式は\[ x^3+x^2-10x+8=0 \]であることがわかります。さて、残りの解を求めましょう。 $x=1,2$ が解なので、 $(x-1)(x-2)$ で割ることができます。つまり、この方程式の左辺は $x^2-3x+2$ でわることができるので、割り算を実行すると\[ (x-1)(x-2)(x+4)=0 \]と変形できます。この式から、残りの解は $x=-4$ であることがわかります。
この問題では、三次方程式のうち、2つの解が分かっていて、2つの係数が分かっていませんでした。そのため、これらの解から連立方程式を作って、係数を求めました。係数が分かれば、分かっている解を利用して因数分解をすることができるので、残りの解も求められる、という流れです。
ちなみに、この問題は、三次方程式の解と係数の関係を使って解くこともできます(参考:【発展】三次方程式の解と係数の関係)。
おわりに
ここでは、高次方程式の解から係数を求める問題を見ました。ここで見た例では、実数の解の場合でしたが、虚数解の場合は少し違った解き方になります。それについては、また別の機会で見ることにしましょう。