【基本】正負の数の累乗

ここでは、正の数や負の数をたくさん掛ける場合や、同じ数を何回か掛ける場合について見ていきます。

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正の数や負の数をたくさん掛けたときの積

【基本】正負の数の乗法の性質#乗法の結合法則では、正の数や負の数をたくさん掛けたときに、どこから計算してもいい、ということを見ました。このような、たくさん掛けたときの積について、もう少し考えてみます。

次の5つの積がどうなるか、考えてみましょう。
\begin{eqnarray}
& & 1\times 2\times 3\times 4 \\[5pt] & & (-1)\times 2\times 3\times 4 \\[5pt] & & (-1)\times (-2)\times 3\times 4 \\[5pt] & & (-1)\times (-2)\times (-3)\times 4 \\[5pt] & & (-1)\times (-2)\times (-3)\times (-4) \\[5pt] \end{eqnarray}計算してみると、上から順番に、 $24$, $-24$, $24$, $-24$, $24$ となります。符号が交互に入れ替わっています。

この計算途中で気づくかもしれませんが、積を計算するとき、符号がどうなるかは、負の数がいくつあるかに着目すればいいことがわかるでしょう。偶数個(2で割り切れる整数)なら、積はプラスになります。一方、奇数個(2で割り切れない整数)なら、積はマイナスになります。積の絶対値は、それぞれの絶対値を掛けたものになります。

正負の数の積
正の数や負の数の積は、
 負の数が偶数個なら、積は正の数
 負の数が奇数個なら、積は負の数
となる。
積の絶対値は、それぞれの数の絶対値をかけたものになる。

負の数が何個あるか数えるだけで、積の符号が決まります。

累乗

円の面積を求めるとき、「(半径)×(半径)×(円周率)」と習いましたね。このように、同じ数を何度も掛けることがあります。今後も出てきます。そういう場合に、簡潔に表現する方法があります。

例えば、 $5\times 5$ は、 $5^2$ というように書き、「5の2乗(じょう)」といいます。 $4\times 4\times 4$ なら、 $4^3$ と書き、「4の3乗」といいます。

このように、同じ数を何回か掛けたものを、その数の累乗(repeated-multiplication) といいます。 $\bigcirc$ を $\square$ 回掛ける場合は、\[ \bigcirc^{\square} \]と書きます。この $\bigcirc$ のことを底(てい)といい、 $\square$ のことを指数 といいます。

いくつか練習してみましょう。

$2^5$ は、 $2$ を $5$ 回掛けることなので、\[ 2^5=2\times2\times2\times2\times2=32 \]となります。 $1.5$ を2回掛けたものは、 $1.5^2$ で表し、\[ 1.5^2=2.25 \]となります。

分数の場合、例えば、 $\dfrac{3}{4}$ を3回掛けたものは、 $\dfrac{3^3}{4}$ とは書きません。こう書くと、分子だけを3回掛けるという意味になってしまいます。分数全体を3回掛ける場合は、カッコでくくって $\left(\dfrac{3}{4}\right)^3$ と書きます。\[ \left(\dfrac{3}{4}\right)^3=\frac{27}{64} \]と計算します。

負の数の場合も注意が必要です。 $-5$ を2回掛けたものは、 $-5^2$ とは書きません。これは、「 $5$ を2回掛けたものに、マイナスをつけたもの」という意味になってしまいます。つまり、 $-25$ のことになります。 $-5$ を2回掛けたものは $(-5)^2$ というように、カッコでくくる必要があります。\[ (-5)^2=(-5)\times(-5)=25 \]となります。

例題

例題
次の計算をしましょう。

(1) $\left(-\dfrac{1}{4}\right)\times(-2)^3$
(2) $3\times(-4^2)$
(3) $(-1)^{999}$

(1)は、まず $(-2)^3$ を計算しましょう。冒頭で見た通り、負の数を3回掛けている、つまり、奇数回掛けていることから、結果は負であることがわかります。よって、2を3回掛けたものにマイナスをつけて、 $-8$ となることがわかります。
\begin{eqnarray}
& &
\left(-\frac{1}{4}\right)\times(-2)^3 \\[5pt] &=&
\left(-\frac{1}{4}\right)\times(-8) \\[5pt] &=&
2
\end{eqnarray}となります。

(2)は $(-4^2)$ の指数の位置に注意しましょう。これは $(-4)^2$ と似ていますが違います。2乗は、カッコの中にあります。これは、「4を2乗したものにマイナスをつけたもの」という意味です。なので
\begin{eqnarray}
3\times(-4^2) = 3\times(-16) =-48
\end{eqnarray}となります。

(3)は、クイズみたいな感じですね。 $-1$ を999回掛けたものですが、奇数回掛けているので積は負の数になります。 $1$ は何回掛けても $1$ なので、\[ (-1)^{999}=-1 \]となります。

おわりに

ここでは、正の数や負の数をたくさん掛けた場合を見た後、累乗について見ました。特に、 $-5^2$ と $(-5)^2$ の違いには注意しましょう。