【基本】無限級数

ここでは、数列の和の極限について見ていきます。

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無限級数

数列の分野では、数列の一般項などに加え、数列の和についても学びました。【基本】数列の極限では、無限数列の極限について考えましたが、数列の和についても極限を考えることができます。

無限数列 $\{a_n\}$ において、初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ とおきます。つまり、
\begin{eqnarray}
S_n
&=&
a_1+a_2+\cdots+a_n \\[5pt] &=&
\sum_{k=1}^n a_k
\end{eqnarray}ということです。こうすると、この和を集めた数列 $\{S_n\}$ もまた、無限数列となるので、これの極限について考えることができます。式で書けば\[ a_1+a_2+\cdots+a_n+\cdots \]について考える、ということです。この式を無限級数(infinite series) といい、\[ \sum_{k=1}^{\infty} a_k \]といった記号で表します。

無限級数が収束するか発散するか、収束するならその値は何か、ということを今後考えていきます。無限級数をメインで考えている場合、「初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ 」は、無限級数の一部分だと考えられるので、これを部分和(partial sum) と呼びます。

無限級数の収束

具体的な数列を使って、無限級数について考えてみましょう。

例題1
$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{n(n+1)}$ を求めなさい。

まずは部分和について考えます。第 $n$ 項までの和を $S_n$ とおきます。【基本】和の記号Σと部分分数分解で見たように、部分分数分解をして
\begin{eqnarray}
S_n
&=&
\frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)} \\[5pt] &=&
\left(\frac{1}{1}-\frac{1}{2}\right)
+\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{3}\right) \\
& & +\cdots
+\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right) \\[5pt] &=&
1-\frac{1}{n+1}
\end{eqnarray}と変形できます。よって、この部分和は収束することがわかり、\[ \lim_{n\to\infty} S_n =\lim_{n\to\infty} \left(1-\dfrac{1}{n+1}\right)=1 \]となるので、\[\sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{n(n+1)}=1 \]と求められます。

このように、部分和の数列が収束するとき、この無限級数は収束する、と言います。また、このときの極限値を、無限級数の和といい、この和も $\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} a_k$ で表します。

無限級数の発散

例題2
$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}$ を求めなさい。

これも、まずは部分和について考えます。第 $n$ 項までの和を $S_n$ とおきます。【標準】和の記号Σと有理化で見たように、有理化をすると、\[ \dfrac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}=\sqrt{n+1}-\sqrt{n} \]と変形できることを用いて
\begin{eqnarray}
S_n
&=&
\frac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{1}}+\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}+\cdots+\frac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}} \\[5pt] &=&
(\sqrt{2}-\sqrt{1})
+(\sqrt{3}-\sqrt{2}) \\
& & +\cdots
+(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}) \\[5pt] &=&
\sqrt{n+1}-1
\end{eqnarray}と変形できます。よって、この部分和は正の無限大に発散することがわかるので、\[\sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}=\infty \]と求められます。

このように、部分和の数列が発散するとき、この無限級数は発散する、と言います。

各項が0に収束しても無限級数が収束するとは限らない

最後に一つ重要な注意事項があります。例題1と例題2を見てみると、どちらも各項は0に収束します。しかし、例題1の無限級数は収束し、例題2は発散しています。

「すごく小さな値をたくさん足す」場合、いつも収束するような気がしてしまうのですが、そうとは限りません。例題2のように、”チリも積もれば山(=無限大)となる”こともあります。

各項が0に収束していたとしても、無限級数が収束するとは限らない」ということは、大事なのでよく覚えておきましょう。極限の分野で間違いやすい内容の1つです。

おわりに

ここでは、無限級数について考えてきました。部分和の極限を考えればいいのでしたね。 $\sum$ の計算が出てくるので、復習したい人は、上の記事内のリンクを進むか、【基本】和の記号Σの関連ページなどが役立つと思います。