【基本】指数関数と方程式
ここでは、指数関数を含んだ方程式について見ていきます。
左辺だけにxがある場合
(1) $8^x=4$
(2) $9^{x-1}=3$
【基本】指数関数のグラフでも見た通り、指数関数は増え続けるか減り続けるか、どちらかとなります。同じ値をとることはありません。そのため、 $a\gt 0, a\ne 1$ のときは、 $a^m=a^n$ であれば、 $m=n$ が言えます。このことを利用すれば、指数関数を含んだ方程式を解くことができます。
(1)は、両辺に出てくる $8,4$ という2つの数字をまず見てみます。これらは、「2のなんとか乗」で表現できますね。両辺は、次のように変形できます。\[ 2^{3x}=2^2 \]ここで、先ほど見たように、指数が等しいので、 $3x=2$ 、つまり、 $x=\dfrac{2}{3}$ となることがわかります。
(2)は、両辺を「3のなんとか乗」にすればいいですね。両辺は次のように変形できます。\[ 3^{2(x-1)}=3^1 \]ここでも、指数同士が等しいことが使えるので
\begin{eqnarray}
2(x-1) &=& 1 \\
x &=& \dfrac{3}{2} \\
\end{eqnarray}となります。
なお、(2)は、 $x-1$ の $-1$ が邪魔なので、これを消してしまう方法もあります。 $9^{x-1}$ というのは、 $9^x$ を $9$ で割ったものなので、もとの方程式は\[ 9^x=27=3^3 \]と書き換えられます。これから $x=\dfrac{3}{2}$ と求めることもできます。
両辺にxがある場合
(1) $49^x=7^{3-x}$
(2) $\left(\dfrac{1}{4}\right)^x=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{x+2}$
両辺とも指数関数を含んでいますが、先ほどと同じように「指数が等しい」ということを使って方程式を解いていきます。
(1)の左辺は $49^x=7^{2x}$ であり、これが $7^{3-x}$ と等しくなるのだから、この指数同士も等しくなります。よって、
\begin{eqnarray}
2x &=& 3-x \\
x &=& 1 \\
\end{eqnarray}となります。実際、 $x=1$ とすると一致しますね。
(2)は、 $\dfrac{1}{2}$ の何とか乗、と変形することができます。底が1より小さいですが、この場合も指数が等しいときを求めればOKです。
両辺を変形すれば
\begin{eqnarray}
\left(\dfrac{1}{2}\right)^{2x}=\left(\dfrac{1}{2}\right)^{x+2}
\end{eqnarray}となるので、\[ 2x=x+2 \]となります。よって、 $x=2$ となります。実際、 $x=2$ とすると、両辺とも $\dfrac{1}{16}$ となり、一致しますね。
このように解いてもいいのですが、分数がめんどくさいと感じる人もいるかもしれません。そういう場合は、両方とも「2のなんとか乗」に変える方法もあります。 $\dfrac{1}{2}=2^{-1}$ であることを使えば、(2)の式は
\begin{eqnarray}
\left(\dfrac{1}{4}\right)^x &=& \left(\dfrac{1}{2}\right)^{x+2} \\[5pt]
4^{-x} &=& 2^{-(x+2)} \\[5pt]
2^{-2x} &=& 2^{-x-2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となり、これから\[ -2x=-x-2 \]となるので、 $x=2$ が得られます。
いくつか方法はありますが、最終的には、「指数が一致する」ということを使って、方程式を解くことになります。
おわりに
ここでは、指数関数を含んだ方程式を見てきました。指数の部分が一致することを用いて解きましょう。