🏠 Home / 大学入学共通テスト / 共通テストIIB

共通テスト 数学II・数学B 2024年度追試 第1問 [1] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【必答問題】

問題編

問題

(1) $x\gt 0$ とする。 $\log_3 x$ を、 $2$ を底とする対数を用いて表そう。

 $t=\log_3 x$ とおくと、 $\dBox{ア}$ が成り立つ。これにより、 $\log_2 x=\dBox{イ}$ となるので、 $t=\dBox{ウ}$ が得られる。すなわち、 $\log_3 x=\dBox{ウ}$ である。

 $\dbox{ア}$ の解答群

 0: $3=t^x$
 1: $3=x^t$
 2: $x=3^t$
 3: $x=t^3$
 4: $t=3^x$
 5: $t=x^3$

 $\dbox{イ}$ の解答群

 0: $2\log_3 t$
 1: $3\log_2 t$
 2: $t\log_2 3$
 3: $t\log_3 2$

 4: $\dfrac{\log_2 3}{t}$

 5: $\dfrac{\log_3 2}{t}$

 $\dbox{ウ}$ の解答群

 0: $3\log_2 x$
 1: $x\log_2 3$

 2: $\log_2 \dfrac{3}{x}$

 3: $\log_2 \dfrac{x}{3}$

 4: $\dfrac{\log_2 x}{\log_2 3}$

 5: $\dfrac{\log_2 3}{\log_2 x}$

(2) 底が異なる二つの対数について、それらの和と積の大小関係を考えよう。

(i) $x\gt 0$ とし
\begin{eqnarray} f(x) &=& \log_2 x+\log_3 x \\[5pt] g(x) &=& (\log_2 x)\cdot(\log_3 x) \\[5pt] \end{eqnarray}とおく。不等式\[ f(x)\gt g(x) \quad \cdots ① \]を満たす $x$ の値の範囲を調べる。

 $f(x)$ と $g(x)$ を、それぞれ $2$ を底とする対数を用いて表すと\[ f(x)=A\log_2 x,\ g(x)=B(\log_2 x)^2 \]となる。ここで、\[ A=\dBox{エ},\ B=\dBox{オ} \]である。 $X=\log_2 x$ とおくと、 $X$ のとり得る値の範囲は実数全体である。 $X$ についての不等式 $AX\gt BX^2$ を満たす $X$ の範囲は\[ \dBox{カ} \lt X \lt \dBox{キ} \]である。

 よって、①を満たす $x$ の範囲は\[ \myBox{ク}\lt x \lt \myBox{ケ} \]である。

 $\dbox{エ}$ ~ $\dbox{キ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $0$

 1: $1$

 2: $2$

 3: $-1$

 4: $\log_2 3$

 5: $\dfrac{1}{\log_2 3}$

 6: $(\log_2 3)^2$

 7: $\dfrac{1}{(\log_2 3)^2}$

 8: $1+\log_2 3$

 9: $\dfrac{1}{1+\log_2 3}$

 a: $1+\dfrac{1}{\log_2 3}$

 b: $\dfrac{\log_2 3}{1+\log_2 3}$

(ii) $x\gt 0$ とし、
\begin{eqnarray} F(x)=\log_{\frac{1}{2}} x+\log_{\frac{1}{3}} x \\[5pt] G(x)=\left(\log_{\frac{1}{2}} x\right) \cdot \left(\log_{\frac{1}{3}} x\right) \\[5pt] \end{eqnarray}とおく。不等式\[ F(x)\gt G(x) \quad \cdots ② \]を満たす $x$ の値の範囲を調べる。

 (1)と同様に考えると、 $\log_{\frac{1}{2}} x$ は $2$ を底とする対数を用いて $\dBox{コ}$ と表せる。また、 $\log_{\frac{1}{3}} x$ も $3$ を底とする対数を用いて表すことができる。

 このことから、 $f(x)$ と $g(x)$ を (i) で定めた関数とするとき、 $F(x)$ と $G(x)$ をそれぞれ $f(x)$ または $g(x)$ を用いて表すと\[ F(x)=\dBox{サ},\ G(x)=\dBox{シ} \]となる。よって、②を満たす $x$ の値の範囲は\[ \dfrac{\myBox{ス}}{\myBox{セ}} \lt x \lt \myBox{ソ} \]である。

 $\dBox{コ}$ の解答群

 0: $\log_2 x$

 1: $-\log_2 x$

 2: $\dfrac{1}{2}\log_2 x$

 3: $-\dfrac{1}{2\log_2 x}$

 4: $\dfrac{1}{\log_2 x}$

 5: $-\log_2 2x$

 $\dBox{サ},\dBox{シ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $f(x)$

 1: $-f(x)$

 2: $\dfrac{f(x)}{2}$

 3: $\dfrac{f(x)}{3}$

 4: $\dfrac{f(x)}{6}$

 5: $g(x)$

 6: $-g(x)$

 7: $\dfrac{g(x)}{2}$

 8: $\dfrac{g(x)}{3}$

 9: $\dfrac{g(x)}{6}$

考え方

前半は底の変換公式の証明になっています。中盤では、これを使って底を揃えて計算します。終盤では、中盤の結果が使えるように、 $F,G$ と $f,g$ との結果を使います。

誘導は丁寧ですが、関数を別の関数で表すという、あまりやらない式変形なのでとまどうかもしれません。


【必答問題】

解答編

問題

(1) $x\gt 0$ とする。 $\log_3 x$ を、 $2$ を底とする対数を用いて表そう。

 $t=\log_3 x$ とおくと、 $\dBox{ア}$ が成り立つ。これにより、 $\log_2 x=\dBox{イ}$ となるので、 $t=\dBox{ウ}$ が得られる。すなわち、 $\log_3 x=\dBox{ウ}$ である。

 $\dbox{ア}$ の解答群

 0: $3=t^x$
 1: $3=x^t$
 2: $x=3^t$
 3: $x=t^3$
 4: $t=3^x$
 5: $t=x^3$

 $\dbox{イ}$ の解答群

 0: $2\log_3 t$
 1: $3\log_2 t$
 2: $t\log_2 3$
 3: $t\log_3 2$

 4: $\dfrac{\log_2 3}{t}$

 5: $\dfrac{\log_3 2}{t}$

 $\dbox{ウ}$ の解答群

 0: $3\log_2 x$
 1: $x\log_2 3$

 2: $\log_2 \dfrac{3}{x}$

 3: $\log_2 \dfrac{x}{3}$

 4: $\dfrac{\log_2 x}{\log_2 3}$

 5: $\dfrac{\log_2 3}{\log_2 x}$

解説

(1)
$t=\log_3 x$ より $3^t=x$ が成り立ちます。なので、\[ \log_2 x=\log_2 3^t=t\log_2 3 \]が成り立ちます。これより、\[ \log_3 x=t=\frac{\log_2 x}{\log_2 3} \]となります。これは、いわゆる「底の変換公式」を具体例で示していることになります。

解答

ア:2 (1点)
イウ:24 (2点)

解答編 つづき

問題

(2) 底が異なる二つの対数について、それらの和と積の大小関係を考えよう。

(i) $x\gt 0$ とし
\begin{eqnarray} f(x) &=& \log_2 x+\log_3 x \\[5pt] g(x) &=& (\log_2 x)\cdot(\log_3 x) \\[5pt] \end{eqnarray}とおく。不等式\[ f(x)\gt g(x) \quad \cdots ① \]を満たす $x$ の値の範囲を調べる。

 $f(x)$ と $g(x)$ を、それぞれ $2$ を底とする対数を用いて表すと\[ f(x)=A\log_2 x,\ g(x)=B(\log_2 x)^2 \]となる。ここで、\[ A=\dBox{エ},\ B=\dBox{オ} \]である。 $X=\log_2 x$ とおくと、 $X$ のとり得る値の範囲は実数全体である。 $X$ についての不等式 $AX\gt BX^2$ を満たす $X$ の範囲は\[ \dBox{カ} \lt X \lt \dBox{キ} \]である。

 よって、①を満たす $x$ の範囲は\[ \myBox{ク}\lt x \lt \myBox{ケ} \]である。

 $\dbox{エ}$ ~ $\dbox{キ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $0$

 1: $1$

 2: $2$

 3: $-1$

 4: $\log_2 3$

 5: $\dfrac{1}{\log_2 3}$

 6: $(\log_2 3)^2$

 7: $\dfrac{1}{(\log_2 3)^2}$

 8: $1+\log_2 3$

 9: $\dfrac{1}{1+\log_2 3}$

 a: $1+\dfrac{1}{\log_2 3}$

 b: $\dfrac{\log_2 3}{1+\log_2 3}$

解説

(2)
(i)
$\log_3 x=\dfrac{\log_2 x}{\log_2 3}$ であることを用いると
\begin{eqnarray} f(x) &=& \log_2 x+\log_3 x \\[5pt] &=& \log_2 x+\dfrac{\log_2 x}{\log_2 3} \\[5pt] &=& \left(1+\frac{1}{\log_2 3}\right)\log_2 x \\[5pt] \end{eqnarray}となり、 \begin{eqnarray} g(x) &=& (\log_2 x)\cdot(\log_3 x) \\[5pt] &=& (\log_2 x)\cdot\left(\dfrac{\log_2 x}{\log_2 3}\right) \\[5pt] &=& \dfrac{1}{\log_2 3}\cdot (\log_2 x)^2 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

$AX\gt BX^2$ を変形すると
\begin{eqnarray} & & BX^2-AX \lt 0 \\[5pt] & & X(BX-A) \lt 0 \\[5pt] \end{eqnarray} となります。ここで、 $B\gt 0$ であり
\begin{eqnarray} \dfrac{A}{B} &=& \left(1+\frac{1}{\log_2 3}\right) \cdot \log_2 3 \\[5pt] &=& 1+\log_2 3 \end{eqnarray}なので、 $AX\gt BX^2$ を満たす $x$ の範囲は\[ 0\lt X\lt 1+\log_2 3 \]となります。

$X=\log_2 x$ であり、底は $1$ より大きいので
\begin{eqnarray} & & 0\lt X\lt 1+\log_2 3 \\[5pt] & & \log_2 1 \lt \log_2 x \lt \log_2 2\cdot 3 \\[5pt] & & 1 \lt x \lt 6 \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。

解答

エオ:a5 (3点)
カキ:08 (2点)
クケ:16 (2点)

解答編 つづき

問題

(ii) $x\gt 0$ とし、
\begin{eqnarray} F(x)=\log_{\frac{1}{2}} x+\log_{\frac{1}{3}} x \\[5pt] G(x)=\left(\log_{\frac{1}{2}} x\right) \cdot \left(\log_{\frac{1}{3}} x\right) \\[5pt] \end{eqnarray}とおく。不等式\[ F(x)\gt G(x) \quad \cdots ② \]を満たす $x$ の値の範囲を調べる。

 (1)と同様に考えると、 $\log_{\frac{1}{2}} x$ は $2$ を底とする対数を用いて $\dBox{コ}$ と表せる。また、 $\log_{\frac{1}{3}} x$ も $3$ を底とする対数を用いて表すことができる。

 このことから、 $f(x)$ と $g(x)$ を (i) で定めた関数とするとき、 $F(x)$ と $G(x)$ をそれぞれ $f(x)$ または $g(x)$ を用いて表すと\[ F(x)=\dBox{サ},\ G(x)=\dBox{シ} \]となる。よって、②を満たす $x$ の値の範囲は\[ \dfrac{\myBox{ス}}{\myBox{セ}} \lt x \lt \myBox{ソ} \]である。

 $\dBox{コ}$ の解答群

 0: $\log_2 x$

 1: $-\log_2 x$

 2: $\dfrac{1}{2}\log_2 x$

 3: $-\dfrac{1}{2\log_2 x}$

 4: $\dfrac{1}{\log_2 x}$

 5: $-\log_2 2x$

 $\dBox{サ},\dBox{シ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: $f(x)$

 1: $-f(x)$

 2: $\dfrac{f(x)}{2}$

 3: $\dfrac{f(x)}{3}$

 4: $\dfrac{f(x)}{6}$

 5: $g(x)$

 6: $-g(x)$

 7: $\dfrac{g(x)}{2}$

 8: $\dfrac{g(x)}{3}$

 9: $\dfrac{g(x)}{6}$

解説

(ii)
(1)と同様に考えると(考えなくて、底の変換公式を使うと考えてもいいですが)
\begin{eqnarray} \log_{\frac{1}{2}}x=\dfrac{\log_2 x}{\log_2 \frac{1}{2}}=-\log_2 x \end{eqnarray}となります。同様に、$\log_{\frac{1}{3}}x=-\log_3 x$ となります。

なので、
\begin{eqnarray} F(x) &=& \log_{\frac{1}{2}}x+\log_{\frac{1}{3}}x \\[5pt] &=& -\log_2x-\log_3x \\[5pt] &=& -(\log_2x+\log_3x) \\[5pt] &=& -f(x) \end{eqnarray}となります。また、 \begin{eqnarray} G(x) &=& \left(\log_{\frac{1}{2}}x\right)\cdot\left(\log_{\frac{1}{3}}x\right) \\[5pt] &=& \left(-\log_2x\right)\cdot\left(-\log_3x\right) \\[5pt] &=& (\log_2x)\cdot(\log_3x) \\[5pt] &=& g(x) \end{eqnarray}となります。

なので、 $F(x)\gt G(x)$ は、 $-f(x)\gt g(x)$ と同値であり、 $-AX\gt BX^2$ と同値です。これは $X(BX+A)\lt 0$ と変形できるので、\[ -\frac{A}{B} \lt X \lt 0 \]となります。 $\dfrac{A}{B}$ は先ほど計算したとおり $1+\log_2 3$ なので
\begin{eqnarray} & & -(1+\log_2 3) \lt \log_2 x \lt 0 \\[5pt] & & \log_2 \frac{1}{6} \lt \log_2 x \lt \log_2 1 \\[5pt] & & \frac{1}{6} \lt x \lt 1 \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。

解答

コ:1 (1点)
サシ:15 (2点)
スセソ:161 (2点)

関連するページ

YouTubeもやってます

チャンネル登録はコチラから (以下は、動画のサンプルです)
【むずかしい】防衛医科大学校2024年度数学第5問 藤田医科大学2024年度後期数学第1問8 岡山大学2024年度数学文理共通第1問 埼玉大学文系2024年度数学第3問 順天堂大学医学部2024年度数学第3問 東北大学2024年度後期数学文理共通第4問