共通テスト 数学I・数学A 2026年度追試 第2問 [2] 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【必答問題】

問題編

問題

 以下の問題を解答するにあたっては、与えられたデータに対して、次の値を外れ値とする。

「(第1四分位数)$- 1.5 \times$(四分位範囲)」以下の値
「(第3四分位数)$+ 1.5 \times$(四分位範囲)」以上の値

 花子さんは、日本プロサッカー J1リーグ 2022 シーズンにおける、18チームの成績データの分析を行うことにした。ここでは、各チームのシーズン期間における得点総数(点)、失点総数(点)、勝点(点)、得失点差(点)を使用する。なお、勝点は勝利数と引き分け数を使って計算された値であり、得失点差は得点総数と失点総数を使って計算された値である。以下においては、データは単位(点)を省略して用いることとする。

 なお、以下の図や表については、Jリーグ公式 Web ページをもとに作成している。

 表1は、2022シーズンの各チームの得点総数を、値の小さい順に並べたものである。以下では、表1に示す18チームの得点総数のデータを、データ $A$ とする。

表1 各チームの得点総数
293030313233354344
454546464748526570

(1) データ $A$ の四分位範囲は $\myBox{ソタ}$ であるので、データ $A$ の外れ値をすべてあげると $\dBox{チ}$ である。

 $\dbox{チ}$ の解答群

 0: 29 の一つ 
 1: 70 の一つ 
 2: 29, 70 の二つ 
 3: 65, 70 の二つ 
 4: 29, 30, 30 の三つ 
 5: 29, 65, 70 の三つ 
 6: 52, 65, 70 の三つ 
 7: 29, 52, 65, 70 の四つ 
 8: 29, 30, 30, 65, 70 の五つ

(2) データ $A$ から外れ値を除いたものをデータ $B$ とする。データ $A$、データ $B$ の中央値を、それぞれ $m_A$、$m_B$ とし、データ $A$、データ $B$ の平均値を、それぞれ $\overline{a}$、$\overline{b}$ とする。

表1(再掲)
293030313233354344
454546464748526570

(i) $m_A = \dBox{ツ}$、$m_B = \dBox{テ}$ である。

 $\dbox{ツ}$、$\dbox{テ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: 42.5  1: 43  2: 43.5 
 3: 44  4: 44.5  5: 45

(ii) (データ $A$ の値の合計)$-$(データ $B$ の値の合計)$= \dBox{ト}$ より
\[ 18\overline{a} = \myBox{ナニ}\ \overline{b} + \dbox{ト} \]が成り立つ。

 $\dbox{ト}$ の解答群

 0: 29  1: 70  2: 89 
 3: 99  4: 135  5: 164 
 6: 187  7: 216  8: 224

(iii) 表1にある18チームの得点総数の合計は771である。

 データ $A$、データ $B$ の第1四分位数を、それぞれ $Q_A$、$Q_B$ とする。ここで、外れ値を除くことによる平均値、中央値、第1四分位数それぞれの値の変化の大きさを、$|\overline{a} - \overline{b}|$、$|m_A - m_B|$、$|Q_A - Q_B|$ で考え、これらの値をそれぞれ $T_1$、$T_2$、$T_3$ とする。このとき、$T_1$、$T_2$、$T_3$ の大小関係は $\dBox{ヌ}$ である。

 $\dbox{ヌ}$ の解答群

 0: $T_1 \lt T_2 \lt T_3$ 
 1: $T_2 \lt T_3 \lt T_1$ 
 2: $T_3 \lt T_1 \lt T_2$
 3: $T_1 = T_2 \lt T_3$ 
 4: $T_2 = T_3 \lt T_1$ 
 5: $T_3 = T_1 \lt T_2$
 6: $T_1 \lt T_2 = T_3$ 
 7: $T_2 \lt T_3 = T_1$ 
 8: $T_3 \lt T_1 = T_2$ 
 9: $T_1 = T_2 = T_3$

(3) 花子さんは、2022シーズンの18チームの得点総数、失点総数、勝点、得失点差の間にどのような関係があるのかを調べることにした。

(i) 図1は得点総数と勝点の散布図、図2は失点総数と勝点の散布図である。

 次の(a)、(b)、(c)は、図1と図2に関する記述である。

(a)
得点総数が最も小さいチームは、失点総数が最も大きい。
(b)
得点総数の範囲は、失点総数の範囲より大きい。
(c)
得点総数と勝点の間には正の相関があり、かつ失点総数と勝点の間にも正の相関がある。

 (a)、(b)、(c)の正誤の組合せとして正しいものは $\dBox{ネ}$ である。

 $\dbox{ネ}$ の解答群

01234567
(a)
(b)
(c)

(ii) 花子さんは、得失点差と勝点の相関係数を計算することにした。平均値、標準偏差および共分散を求めると、表2のようになった。

表2 得失点差と勝点の平均値、標準偏差、共分散
平均値標準偏差共分散
得失点差0.013.4125.1
勝点45.610.0

 表2を用いると、得失点差と勝点の相関係数は $\dBox{ノ}$ である。

 $\dbox{ノ}$ については、最も適当なものを、次の0〜7のうちから一つ選べ。

 0: 0.00  1: 0.18  2: 0.36  3: 0.52 
 4: 0.74  5: 0.89  6: 0.93  7: 1.07

考え方

四分位数・外れ値・中央値・平均値・相関係数など、データの分析の基本的な計算が中心の問題です。(2)(iii)は正確な値を求めなくても、大小関係だけがわかればいい点に注意しましょう。


【必答問題】

解答編

問題

 以下の問題を解答するにあたっては、与えられたデータに対して、次の値を外れ値とする。

「(第1四分位数)$- 1.5 \times$(四分位範囲)」以下の値
「(第3四分位数)$+ 1.5 \times$(四分位範囲)」以上の値

 花子さんは、日本プロサッカー J1リーグ 2022 シーズンにおける、18チームの成績データの分析を行うことにした。ここでは、各チームのシーズン期間における得点総数(点)、失点総数(点)、勝点(点)、得失点差(点)を使用する。なお、勝点は勝利数と引き分け数を使って計算された値であり、得失点差は得点総数と失点総数を使って計算された値である。以下においては、データは単位(点)を省略して用いることとする。

 なお、以下の図や表については、Jリーグ公式 Web ページをもとに作成している。

 表1は、2022シーズンの各チームの得点総数を、値の小さい順に並べたものである。以下では、表1に示す18チームの得点総数のデータを、データ $A$ とする。

表1 各チームの得点総数
293030313233354344
454546464748526570

(1) データ $A$ の四分位範囲は $\myBox{ソタ}$ であるので、データ $A$ の外れ値をすべてあげると $\dBox{チ}$ である。

 $\dbox{チ}$ の解答群

 0: 29 の一つ
 1: 70 の一つ
 2: 29, 70 の二つ
 3: 65, 70 の二つ
 4: 29, 30, 30 の三つ
 5: 29, 65, 70 の三つ
 6: 52, 65, 70 の三つ
 7: 29, 52, 65, 70 の四つ
 8: 29, 30, 30, 65, 70 の五つ

解説

(1)
データ $A$ は18個のデータなので、まずは、小さい方から9個・大きい方から9個に分けます。

 下位9個:29, 30, 30, 31, 32, 33, 35, 43, 44

これより、第1四分位数は $Q_1 = 32$(5番目の値)です。

 上位9個:45, 45, 46, 46, 47, 48, 52, 65, 70

これより、第3四分位数は $Q_3 = 47$(5番目の値)です。

これらから、四分位範囲は $= Q_3 - Q_1 = 47 - 32 = 15$ とわかります。

外れ値の基準のうち、下限は
\begin{eqnarray} Q_1 - 1.5 \times 15 = 32 - 22.5 = 9.5 \\[5pt] \end{eqnarray}であり、上限は、 \begin{eqnarray} Q_3 + 1.5 \times 15 = 47 + 22.5 = 69.5 \end{eqnarray} なので、9.5以下または69.5以上の値が外れ値です。データの中で該当するのは 70 のみです。

解答

ソタチ:151(3点)

解答編 つづき

問題

(2) データ $A$ から外れ値を除いたものをデータ $B$ とする。データ $A$、データ $B$ の中央値を、それぞれ $m_A$、$m_B$ とし、データ $A$、データ $B$ の平均値を、それぞれ $\overline{a}$、$\overline{b}$ とする。

表1(再掲)
293030313233354344
454546464748526570

(i) $m_A = \dBox{ツ}$、$m_B = \dBox{テ}$ である。

 $\dbox{ツ}$、$\dbox{テ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: 42.5  1: 43  2: 43.5
 3: 44  4: 44.5  5: 45

解説

(2)(i)

データ $A$(18個)の中央値は9番目と10番目の平均です。つまり、 $44$ と $45$ の平均だから、 $m_A=44.5$ となります。

データ $B$ は70を除いた17個なので、中央値は9番目の値です。つまり、 $m_B=44$ となります。

解答

ツテ:43(2点)

解答編 つづき

問題

(ii) (データ $A$ の値の合計)$-$(データ $B$ の値の合計)$= \dBox{ト}$ より
\[ 18\overline{a} = \myBox{ナニ}\ \overline{b} + \dbox{ト} \]が成り立つ。

 $\dbox{ト}$ の解答群

 0: 29  1: 70  2: 89
 3: 99  4: 135  5: 164
 6: 187  7: 216  8: 224

解説

(2)(ii)

データ $B$ はデータ $A$ から外れ値の70を除いたものなので、データ $A$ の合計からデータ $B$ の合計を引くと、 $70$ となります。

データ $A$ は18個、データ $B$ は17個なので、それぞれの合計は $18\overline{a}$、$17\overline{b}$ となり
\[ 18\overline{a} = 17\overline{b} + 70 \]が成り立ちます。

解答

トナニ:117(2点)

解答編 つづき

問題

(iii) 表1にある18チームの得点総数の合計は771である。

 データ $A$、データ $B$ の第1四分位数を、それぞれ $Q_A$、$Q_B$ とする。ここで、外れ値を除くことによる平均値、中央値、第1四分位数それぞれの値の変化の大きさを、$|\overline{a} - \overline{b}|$、$|m_A - m_B|$、$|Q_A - Q_B|$ で考え、これらの値をそれぞれ $T_1$、$T_2$、$T_3$ とする。このとき、$T_1$、$T_2$、$T_3$ の大小関係は $\dBox{ヌ}$ である。

 $\dbox{ヌ}$ の解答群

 0: $T_1 \lt T_2 \lt T_3$
 1: $T_2 \lt T_3 \lt T_1$
 2: $T_3 \lt T_1 \lt T_2$
 3: $T_1 = T_2 \lt T_3$
 4: $T_2 = T_3 \lt T_1$
 5: $T_3 = T_1 \lt T_2$
 6: $T_1 \lt T_2 = T_3$
 7: $T_2 \lt T_3 = T_1$
 8: $T_3 \lt T_1 = T_2$
 9: $T_1 = T_2 = T_3$

解説

(2)(iii)
求めやすいものから考えていきます。

まず、 $T_2$ は、(2)(i)で求めたことから、\[ T_2 = |m_A - m_B| = |44.5 - 44| = 0.5 \]となります。

次に、 $T_3 = |Q_A - Q_B|$ を求めます。データ $A$ の第一四分位数 $Q_A$ は、(1)の途中で求めたように $32$ です。データ $B$(17個)の第一四分位数 $Q_B$ は、下位8個(29, 30, 30, 31, 32, 33, 35, 43)の中央値 $= \dfrac{31 + 32}{2} = 31.5$ なので、\[ T_3 = |32 - 31.5| = 0.5 \]と求められます。 $T_2=T_3$ がわかります。

最後に $T_1$ を考えます。そのまま計算してもいいのですが、(2)(ii)を利用してみます。
\begin{eqnarray} 18\overline{a} &=& 17\overline{b} + 70 \\[5pt] 17\overline{a}-17\overline{b} &=& 70-\overline{a} \\[5pt] \overline{a}-\overline{b} &=& \frac{70-\overline{a}}{17} \\[5pt] T_1 = |\overline{a}-\overline{b}| &=& \frac{|70-\overline{a}|}{17} \\[5pt] \end{eqnarray}このように変形できます。$\overline{a}$ はデータ $A$ の平均であり、少なくとも $50$ よりは小さいから、上の式の右辺の分子は $20$ 以上で、右辺全体は $1$ より大きいです。なので、 $T_1$ は $T_2$ や $T_3$ より大きいことがわかります。

よって、 $T_2 = T_3 \lt T_1$ となることがわかります。選択肢の中では 4 となります。

解答

ヌ:4(2点)

解答編 つづき

問題

(3) 花子さんは、2022シーズンの18チームの得点総数、失点総数、勝点、得失点差の間にどのような関係があるのかを調べることにした。

(i) 図1は得点総数と勝点の散布図、図2は失点総数と勝点の散布図である。

 次の(a)、(b)、(c)は、図1と図2に関する記述である。

(a)
得点総数が最も小さいチームは、失点総数が最も大きい。
(b)
得点総数の範囲は、失点総数の範囲より大きい。
(c)
得点総数と勝点の間には正の相関があり、かつ失点総数と勝点の間にも正の相関がある。

 (a)、(b)、(c)の正誤の組合せとして正しいものは $\dBox{ネ}$ である。

 $\dbox{ネ}$ の解答群

01234567
(a)
(b)
(c)

解説

(3)(i)
順番に考えていきます。

(a) 得点総数が最も小さいチームは、図1の得点総数30点未満のチームです。この勝点は30点と40点の間(40点に近い)です。一方、失点総数が最も大きいチームは、図2より、55点より大きいチームであり、この勝点は30点です。つまり、得点総数が最小のチームと失点総数が最大のチームは一致しないので、(a)は誤です。

(b) 得点総数の最大値は $70$ で最小値は $30$ 未満だから、範囲は $ 70 - 30 = 40$ より大きいです。図2の横軸(失点総数)は、だいたい $35$ 〜 $57$ 程度であり、範囲は $40$ より小さいです。よって、得点総数の範囲の方が大きく、(b) は正です。

(c) 図1(得点総数と勝点)は右上がりの傾向があるので、得点総数と勝点の間には正の相関があります。しかし、図2(失点総数と勝点)は右下がりの傾向があるため、失点総数と勝点の間には負の相関があります。よって(c) は誤です。

(a)誤、(b)正、(c)誤 に対応する選択肢は 5 です。

解答

ネ:5(3点)

解答編 つづき

問題

(ii) 花子さんは、得失点差と勝点の相関係数を計算することにした。平均値、標準偏差および共分散を求めると、表2のようになった。

表2 得失点差と勝点の平均値、標準偏差、共分散
平均値標準偏差共分散
得失点差0.013.4125.1
勝点45.610.0

 表2を用いると、得失点差と勝点の相関係数は $\dBox{ノ}$ である。

 $\dbox{ノ}$ については、最も適当なものを、次の0〜7のうちから一つ選べ。

 0: 0.00  1: 0.18  2: 0.36  3: 0.52
 4: 0.74  5: 0.89  6: 0.93  7: 1.07

解説

(3)(ii)
相関係数は、共分散をそれぞれの標準偏差で割って求められるので
\begin{eqnarray} r &=& \frac{125.1}{13.4 \times 10.0} = \frac{125.1}{134} = 0.933\cdots \end{eqnarray}となり、最も近い選択肢は 6(0.93)となります。

解答

ノ:6(3点)

試験名: 大学入学共通テスト 共通テストIA
年度: 2026年度
分野: データの分析
レベル: ふつう
キーワード: 中央値 相関係数 外れ値 散布図

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