共通テスト 数学I・数学A 2026年度追試 第2問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
花子さんと太郎さんは、クリームパンの価格や利益について話している。
- 花子:
- パン屋を経営している父から、クリームパンの価格や利益について相談されているんだ。
- 太郎:
- 何か利用できそうな情報はないのかな。
- 花子:
- 価格と売り上げ数のデータを教えてもらっているよ。
- 太郎:
- 価格と売り上げ数に何か関係があると仮定して考えてみよう。
次の表は、クリームパンの価格と売り上げ数のデータである。表の数値は、クリームパン1個の価格と、その価格でクリームパンを販売した期間における1日あたりの売り上げ数を表している。
クリームパン1個の価格(円) 100 110 130 1日あたりの売り上げ数(個) 160 140 100 二人は、上の表から、クリームパン1個の価格が10円上がると1日あたりの売り上げ数が20個減ると考えて、次の仮定を設定した。
仮定
1日あたりの売り上げ数は、クリームパン1個の価格の1次関数である。(1) クリームパン1個の価格を $x$ 円とすると、1日あたりの売り上げ数は
$\left( \myBox{アイ} x + \myBox{ウエオ} \right)$ 個となる。売り上げ数は負の数になることはないので、1日あたりの売り上げ数に対して、次の不等式が成り立つ。
\[ \mybox{アイ} x + \mybox{ウエオ} \geqq 0 \quad \cdots \text{①} \]①を解くと、$x \leqq \dBox{カ}$ である。
したがって、クリームパン1個の価格は、$\dbox{カ}$ 円以下で考えなければならない。
クリームパン1個の価格を $x$ 円、1日あたりの売り上げ額を $y$ 円とすると、$x$ と $y$ の関係は
\[ y = x \times \left( \mybox{アイ} x + \mybox{ウエオ} \right) \quad \cdots \text{②} \]である。②から、$y$ は $x = \myBox{キク}$ のときに最大値 $\dBox{ケ}$ をとることがわかる。したがって、クリームパン1個の価格が $\mybox{キク}$ 円のとき、1日あたりの売り上げ額が最大になることがわかる。
$\dbox{カ}$ の解答群
0: 80 1: 90 2: 120 3: 140
4: 160 5: 180 6: 200 7: 240$\dbox{ケ}$ の解答群
0: 14400 1: 15400 2: 16000
3: 16200 4: 17200 5: 17400
6: 17600 7: 17800(2) 花子さんと太郎さんは、クリームパンの原価を考慮し、利益について話している。
- 花子:
- 売り上げ額が最大になるとき、利益も最大になるのかな。パンを作るには、小麦粉、塩などの材料費、オーブンの電気代、水道代などの原価がかかるんだ。
- 太郎:
- 売り上げ額と違って、利益は価格だけでなく原価も関係するから、売り上げ額が最大になっても利益が最大になるとは限らないね。
- 花子:
- じゃあ、原価を考慮して、利益が最大になる価格について調べてみよう。クリームパン1個あたりの原価は60円らしいから、これを使って価格と利益の関係を考えることができるね。
クリームパン1個あたりの原価を60円とする。また、クリームパン1個あたりの利益とは、クリームパン1個の価格から原価を引いた金額である。このとき、クリームパン1個の価格を $x$ 円、1日あたりの利益を $z$ 円とすると
\[ z = \dBox{コ} \times \left( \mybox{アイ} x + \mybox{ウエオ} \right) \quad \cdots \text{③} \]である。(1)から、クリームパン1個の価格は、$\dbox{カ}$ 円以下にしなければならない。このことに注意すると、③から、$x = \dBox{サ}$ のときに $z$ は最大値 $\dBox{シ}$ をとることがわかる。
$\dbox{コ}$ の解答群
0: $x$ 1: $-x$
2: $(x-1)$ 3: $(1-x)$
4: $(x-30)$ 5: $(30-x)$
6: $(x-60)$ 7: $(60-x)$$\dbox{サ}$ の解答群
0: 80 1: 90 2: 100 3: 110
4: 120 5: 140 6: 160 7: 180$\dbox{シ}$ の解答群
0: 3600 1: 5600 2: 6400
3: 6800 4: 7200 5: 7600
6: 8000 7: 8400(3) 花子さんと太郎さんは、クリームパンの原価が高くなったときの利益について話している。
- 花子:
- 最近、材料費が高くなっていて、クリームパンの原価も高くなりそうなんだ。
- 太郎:
- 原価が60円より高くなるってことだね。
- 花子:
- それで、父はクリームパンの価格を変えようか悩んでいるんだ。原価が高くなっても、クリームパンの利益は、1日あたり5000円以上にならないと困ると言っていたよ。
- 太郎:
- (2)の考え方を使うと、原価に応じて利益の最大値を考えることができるね。
(1)から、クリームパン1個の価格は、$\dbox{カ}$ 円以下にしなければならない。このことに注意すると、クリームパン1個あたりの原価が $\myBox{スセ}$ 円以下ならば、クリームパン1個の価格を適切に決めることで、1日あたりの利益を5000円以上にすることができる。また、クリームパン1個あたりの原価が $\mybox{スセ}$ 円より高くなると、クリームパン1個の価格をどのように決めても、1日あたりの利益を5000円以上にすることができなくなる。
考え方
価格を $x$ とすると、売り上げ数が $x$ の一次関数、売り上げ額や利益が二次関数になる、という問題で、過去にも似たような設定で出題されています。(3)では原価がわからないので、これを別の文字で置いて考えるといいでしょう。
【必答問題】
解答編
問題
花子さんと太郎さんは、クリームパンの価格や利益について話している。
- 花子:
- パン屋を経営している父から、クリームパンの価格や利益について相談されているんだ。
- 太郎:
- 何か利用できそうな情報はないのかな。
- 花子:
- 価格と売り上げ数のデータを教えてもらっているよ。
- 太郎:
- 価格と売り上げ数に何か関係があると仮定して考えてみよう。
次の表は、クリームパンの価格と売り上げ数のデータである。表の数値は、クリームパン1個の価格と、その価格でクリームパンを販売した期間における1日あたりの売り上げ数を表している。
クリームパン1個の価格(円) 100 110 130 1日あたりの売り上げ数(個) 160 140 100 二人は、上の表から、クリームパン1個の価格が10円上がると1日あたりの売り上げ数が20個減ると考えて、次の仮定を設定した。
仮定
1日あたりの売り上げ数は、クリームパン1個の価格の1次関数である。(1) クリームパン1個の価格を $x$ 円とすると、1日あたりの売り上げ数は
$\left( \myBox{アイ} x + \myBox{ウエオ} \right)$ 個となる。
解説
(1)
表から、価格が10円上がるごとに売り上げ数が20個減ることがわかるので、売り上げ数の $x$ に関する傾きは $-2$ です。$x=100$ のとき売り上げ数は160個なので、1日のあたりの売り上げ数は
\begin{eqnarray}
& & -2(x - 100) + 160 \\[5pt]
&=& -2x + 360
\end{eqnarray}
となります。
解答
アイウエオ:-2360(2点)
解答編 つづき
問題
売り上げ数は負の数になることはないので、1日あたりの売り上げ数に対して、次の不等式が成り立つ。
\[ \mybox{アイ} x + \mybox{ウエオ} \geqq 0 \quad \cdots \text{①} \]①を解くと、$x \leqq \dBox{カ}$ である。
したがって、クリームパン1個の価格は、$\dbox{カ}$ 円以下で考えなければならない。
クリームパン1個の価格を $x$ 円、1日あたりの売り上げ額を $y$ 円とすると、$x$ と $y$ の関係は
\[ y = x \times \left( \mybox{アイ} x + \mybox{ウエオ} \right) \quad \cdots \text{②} \]である。②から、$y$ は $x = \myBox{キク}$ のときに最大値 $\dBox{ケ}$ をとることがわかる。したがって、クリームパン1個の価格が $\mybox{キク}$ 円のとき、1日あたりの売り上げ額が最大になることがわかる。
$\dbox{カ}$ の解答群
0: 80 1: 90 2: 120 3: 140
4: 160 5: 180 6: 200 7: 240$\dbox{ケ}$ の解答群
0: 14400 1: 15400 2: 16000
3: 16200 4: 17200 5: 17400
6: 17600 7: 17800
解説
①を解くと
\begin{eqnarray}
-2x + 360 & \geqq & 0 \\[5pt]
x & \leqq & 180
\end{eqnarray}
なので、選択肢の中では、5が入ります。
また、②を変形すると
\begin{eqnarray}
y
&=&
x(-2x + 360) \\[5pt]
&=&
-2x^2 + 360x \\[5pt]
&=&
-2(x^2 - 180x) \\[5pt]
&=&
-2\{(x-90)^2-90^2\} \\[5pt]
&=&
-2(x-90)^2+16200 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。 $x\leqq 180$ なので、 $x=90$ のときに最大値 $16200$ をとることがわかります。
解答
カ:5(2点)
キクケ:903(3点)
解答編 つづき
問題
(2) 花子さんと太郎さんは、クリームパンの原価を考慮し、利益について話している。
- 花子:
- 売り上げ額が最大になるとき、利益も最大になるのかな。パンを作るには、小麦粉、塩などの材料費、オーブンの電気代、水道代などの原価がかかるんだ。
- 太郎:
- 売り上げ額と違って、利益は価格だけでなく原価も関係するから、売り上げ額が最大になっても利益が最大になるとは限らないね。
- 花子:
- じゃあ、原価を考慮して、利益が最大になる価格について調べてみよう。クリームパン1個あたりの原価は60円らしいから、これを使って価格と利益の関係を考えることができるね。
クリームパン1個あたりの原価を60円とする。また、クリームパン1個あたりの利益とは、クリームパン1個の価格から原価を引いた金額である。このとき、クリームパン1個の価格を $x$ 円、1日あたりの利益を $z$ 円とすると
\[ z = \dBox{コ} \times \left( \mybox{アイ} x + \mybox{ウエオ} \right) \quad \cdots \text{③} \]である。(1)から、クリームパン1個の価格は、$\dbox{カ}$ 円以下にしなければならない。このことに注意すると、③から、$x = \dBox{サ}$ のときに $z$ は最大値 $\dBox{シ}$ をとることがわかる。
$\dbox{コ}$ の解答群
0: $x$ 1: $-x$
2: $(x-1)$ 3: $(1-x)$
4: $(x-30)$ 5: $(30-x)$
6: $(x-60)$ 7: $(60-x)$$\dbox{サ}$ の解答群
0: 80 1: 90 2: 100 3: 110
4: 120 5: 140 6: 160 7: 180$\dbox{シ}$ の解答群
0: 3600 1: 5600 2: 6400
3: 6800 4: 7200 5: 7600
6: 8000 7: 8400
解説
(2)
1個当たりの利益は、クリームパン1個の価格から原価を引いた金額なので、 $(x-60)$ 円となります。選択肢の中では、6となります。
1日あたりの利益は「1個あたりの利益 × 売り上げ数」なので
\begin{eqnarray}
z
&=&
(x - 60)(-2x + 360) \\[5pt]
&=&
-2x^2 +480x -21600 \\[5pt]
&=&
-2(x^2 -240x) -21600 \\[5pt]
&=&
-2\{(x -120)^2-120^2\} -21600 \\[5pt]
&=&
-2(x -120)^2 +28800-21600 \\[5pt]
&=&
-2(x -120)^2 +7200 \\[5pt]
\end{eqnarray}となるので、 $x\leqq 180$ の範囲では、 $x=120$ のときに、最大値 $z=7200$ をとることがわかります。
解答
コ:6(2点)
サシ:44(3点)
解答編 つづき
問題
(3) 花子さんと太郎さんは、クリームパンの原価が高くなったときの利益について話している。
- 花子:
- 最近、材料費が高くなっていて、クリームパンの原価も高くなりそうなんだ。
- 太郎:
- 原価が60円より高くなるってことだね。
- 花子:
- それで、父はクリームパンの価格を変えようか悩んでいるんだ。原価が高くなっても、クリームパンの利益は、1日あたり5000円以上にならないと困ると言っていたよ。
- 太郎:
- (2)の考え方を使うと、原価に応じて利益の最大値を考えることができるね。
(1)から、クリームパン1個の価格は、$\dbox{カ}$ 円以下にしなければならない。このことに注意すると、クリームパン1個あたりの原価が $\myBox{スセ}$ 円以下ならば、クリームパン1個の価格を適切に決めることで、1日あたりの利益を5000円以上にすることができる。また、クリームパン1個あたりの原価が $\mybox{スセ}$ 円より高くなると、クリームパン1個の価格をどのように決めても、1日あたりの利益を5000円以上にすることができなくなる。
解説
(3)
原価を $p$ 円($p \gt 60$)とすると、1日あたりの利益は
\begin{eqnarray}
z
&=&
(x - p)(-2x + 360) \\[5pt]
&=&
-2x^2+(2p+360)x -360p \\[5pt]
&=&
-2\left\{x^2-(p+180)x\right\} -360p \\[5pt]
&=&
-2\left\{\left(x-\frac{p+180}{2}\right)^2-\left(\frac{p+180}{2}\right)^2\right\} -360p \\[5pt]
&=&
-2\left(x-\frac{p+180}{2}\right)^2 +2\left(\frac{p+180}{2}\right)^2 -360p \\[5pt]
&=&
-2\left(x-\frac{p+180}{2}\right)^2 +\frac{p^2+360p+32400}{2} -360p \\[5pt]
&=&
-2\left(x-\frac{p+180}{2}\right)^2 +\frac{p^2-360p+32400}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。この二次関数は、 $x=\dfrac{p+180}{2}$ のときに最大値をとることがわかります。
今、クリームパン1個の値段は $180$ 円以下で考えています。また、原価がクリームパン1個の値段を超えていたら、どう頑張っても利益はマイナスになってしまうので、原価 $p$ も $180$ 円以下の場合を考えればいいです。つまり、 $\dfrac{p+180}{2}$ は $180$ 以下となるので、クリームパン1個の値段を $\dfrac{p+180}{2}$ 円にすれば、1日あたりの利益は、最大値 $\dfrac{p^2-360p+32400}{2}$ 円になることがわかります。
この最大利益が $5000$ 円以上となるのは
\begin{eqnarray}
\dfrac{p^2-360p+32400}{2} &\geqq& 5000 \\[5pt]
p^2-360p+32400 &\geqq& 10000 \\[5pt]
p^2-360p+22400 &\geqq& 0 \\[5pt]
(p-80)(p-280) &\geqq& 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}より、 $p\leqq 80, p\geqq 280$ となります。ここで、 $p\leqq 180$ なので、条件を満たすのは、 $p\leqq 80$ となります。
こうして、原価が80円以下ならば利益5000円以上にでき、80円より高くなるとできなくなることがわかります。
なお、最後の不等式の計算は複雑に見えますが、 $180^2$ のまま計算すると
\begin{eqnarray}
\dfrac{p^2-360p+180^2}{2} &\geqq& 5000 \\[5pt]
p^2-360p+180^2 &\geqq& 10000 \\[5pt]
(p-180)^2 &\geqq& 100^2 \\[5pt]
(p-180+100)(p-180-100) &\geqq& 0 \\[5pt]
(p-80)(p-280) &\geqq& 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}というようにもできます。
解答
スセ:80(3点)





