共通テスト 数学I・数学A 2024年度追試 第4問 [2] 解説
【第3問~第5問から2問選択】
問題編
問題
$a,b,c$ は $3\leqq a\leqq 6$, $0\leqq b\leqq 6$, $1\leqq c\leqq 4$ を満たす整数で、さらに $c+1\lt a$ を満たすとする。 $M$ を 7進法で $abc_{(7)}$ と表される自然数とし、 $abc_{(7)}$ の $a$ と $c$ を入れ替えて $cba_{(7)}$ で表される自然数を $N$ とする。
$X=M-N$ とおくと\[ X=\left(\dBox{ク}\right)\times 7^2+\dBox{ケ} \]となる。この式は\[ X=\left(\dbox{ク}-1\right)\times 7^2+\myBox{コ}\times 7+7+\dbox{ケ} \]と変形できる。したがって、 $X$ を 7進法で\[ X=def_{(7)} \]と表すと\[ d=\dbox{ク}-1,\ e=\mybox{コ},\ f=7+\dbox{ケ} \]となる。
次に、 $def_{(7)}$ の $d$ と $f$ を入れ替えて $fed_{(7)}$ と表される自然数を $Y$ とする。 $X+Y$ を 7進法で\[ X+Y=pqrs_{(7)} \]と表すと\[ p=\dBox{サ},\ q=\dBox{シ},\ r=\dBox{ス},\ s=\dBox{セ} \]となる。
$\dbox{ク},\ \dbox{ケ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $a-b$
1: $b-c$
2: $c-a$
3: $b-a$
4: $c-b$
5: $a-c$
6: $7-a$
7: $7-b$
8: $7-c$$\dbox{サ}$ ~ $\dbox{セ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $0$
1: $1$
2: $2$
3: $a-c$
4: $a-c-1$
5: $5$
6: $6$
7: $b$
8: $7-a+c$
9: $6-b$
考え方
いきなり抽象的な計算だと難しいかもしれないので、具体的な値を使って様子を見てみるといいでしょう。 $7$ 進法で表すためにどのような変形をすればいいかを考えましょう。
【第3問~第5問から2問選択】
解答編
問題
$a,b,c$ は $3\leqq a\leqq 6$, $0\leqq b\leqq 6$, $1\leqq c\leqq 4$ を満たす整数で、さらに $c+1\lt a$ を満たすとする。 $M$ を 7進法で $abc_{(7)}$ と表される自然数とし、 $abc_{(7)}$ の $a$ と $c$ を入れ替えて $cba_{(7)}$ で表される自然数を $N$ とする。
$X=M-N$ とおくと\[ X=\left(\dBox{ク}\right)\times 7^2+\dBox{ケ} \]となる。この式は\[ X=\left(\dbox{ク}-1\right)\times 7^2+\myBox{コ}\times 7+7+\dbox{ケ} \]と変形できる。したがって、 $X$ を 7進法で\[ X=def_{(7)} \]と表すと\[ d=\dbox{ク}-1,\ e=\mybox{コ},\ f=7+\dbox{ケ} \]となる。
$\dbox{ク},\ \dbox{ケ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $a-b$
1: $b-c$
2: $c-a$
3: $b-a$
4: $c-b$
5: $a-c$
6: $7-a$
7: $7-b$
8: $7-c$
解説
$M$ を 7進法で表すと $abc_{(7)}$ なので、\[ M=7^2a+7b+c \]となります。また、 $N$ を7進法で表すと $cba_{(7)}$ なので、\[ N=7^2c+7b+a \]となります。よって、 $X=M-N$ は\[ X=(a-c)\times 7^2+c-a \]となります。さらに変形して
\begin{eqnarray}
X &=& (a-c)\times 7^2+c-a \\[5pt]
&=& (a-c-1)\times 7^2+7^2+c-a \\[5pt]
&=& (a-c-1)\times 7^2+6\times 7+7+c-a \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
ここで、 $c+1\lt a$ なので $a-c-1 \gt 0$ であり、 $a-c-1\leqq 6-1-1=4$ です。また、 $7+c-a=6+(c+1-a)\lt 6$ かつ $7+c-a \geqq 7+1-6=2$ です。つまり、 $a-c-1$ も $7+c-a$ も、 $6$ 以下の正の整数なので、7進法で表したときの各桁に現れることができる数ということです。なので、 $X=def_{(7)}$ と表したときに、 $d=a-c-1$, $e=6$, $f=7+c-a$ となります。
これは何をしているかわかりにくいかもしれませんが、具体例で考えるとわかりやすいです。例えば、$M=643_{(7)}$ の場合を考えてみましょう(これは条件を満たしています)。このとき、 $N=346_{(7)}$ です。 $M-N$ を計算する場合、 $7^0$ の位は引けないので、隣の $7^1$ を1つ使うことになります。しかしそうすると今度は $7^1$ の位が引けなくなってしまうので、さらに隣の $7^2$ を1つ使うことになります。こうして、 $M-N=264_{(7)}$ と計算できます。この問題では、この流れを一般的に行っていることになります。
解答
ク:5 (2点)
ケ:2 (2点)
コ:6 (3点)
解答編 つづき
問題
次に、 $def_{(7)}$ の $d$ と $f$ を入れ替えて $fed_{(7)}$ と表される自然数を $Y$ とする。 $X+Y$ を 7進法で\[ X+Y=pqrs_{(7)} \]と表すと\[ p=\dBox{サ},\ q=\dBox{シ},\ r=\dBox{ス},\ s=\dBox{セ} \]となる。
$\dbox{サ}$ ~ $\dbox{セ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $0$
1: $1$
2: $2$
3: $a-c$
4: $a-c-1$
5: $5$
6: $6$
7: $b$
8: $7-a+c$
9: $6-b$
解説
$Y$ を 7進法で表すと $fed_{(7)}$ となるので、
\begin{eqnarray}
Y &=& 7^2f+7e+d \\[5pt]
&=& 7^2(7+c-a)+42+(a-c-1)
\end{eqnarray}となります。よって、 $X+Y$ を計算すると
\begin{eqnarray}
X+Y
&=&
7^2(a-c-1)+42+(7+c-a) \\
& & +7^2(7+c-a)+42+(a-c-1) \\[5pt]
&=&
6\cdot 7^2+84+6 \\[5pt]
&=&
6\cdot 7^2+(1\cdot 7^2+5\cdot 7)+6 \\[5pt]
&=&
1\cdot 7^3+0\cdot 7^2++5\cdot 7+6 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、 $X+Y=pqrs_{(7)}$ と表すと、 $p=1$, $q=0$, $r=5$, $s=6$ となります。
解答
サシスセ:1056 (3点)