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京都大学 文系 2018年度 第2問 解説

問題編

問題

 1辺の長さが1の正方形 ABCDにおいて、辺 BC 上に B とは異なる点 P を取り、線分 AP の垂直2等分線が辺AB、辺AD またはその延長と交わる点をそれぞれ Q, R とする。

(1) 線分 QR の長さを $\sin \angle \mathrm{ BAP }$ を用いて表せ。
(2) 点 P が動くときの線分 QR の長さの最小値を求めよ。

考え方

(1) は、いろいろな長さを三角比を用いて表していきます。最後に、 $\sin \angle \mathrm{ BAP }$ だけの式に直しましょう。

(2) は、分母だけに注目して考えます。


解答編

問題

 1辺の長さが1の正方形 ABCDにおいて、辺 BC 上に B とは異なる点 P を取り、線分 AP の垂直2等分線が辺AB、辺AD またはその延長と交わる点をそれぞれ Q, R とする。

(1) 線分 QR の長さを $\sin \angle \mathrm{ BAP }$ を用いて表せ。
(2) 点 P が動くときの線分 QR の長さの最小値を求めよ。

解答

(1)
APQR の交点を S とおき、 $\angle \mathrm{ BAP }=\theta$ とおく。

ここで、 $\mathrm{ AP }=\dfrac{1}{\cos\theta}$ であるから、 $\mathrm{ AS }=\dfrac{1}{2\cos\theta}$ である。また、
\begin{eqnarray} \mathrm{ AQ }=\frac{1}{\cos\theta} \times \mathrm{ AS }=\frac{1}{2\cos^2\theta} \end{eqnarray}が成り立つ。

さらに、 $\angle \mathrm{ ARQ }=\theta$ なので、
\begin{eqnarray} \mathrm{ QR } &=& \frac{1}{\sin\theta} \times \mathrm{ AQ } \\[5pt] &=& \frac{1}{2\sin\theta\cos^2\theta } \\[5pt] &=& \frac{1}{2\sin\theta(1-\sin^2\theta) } \\[5pt] &=& \frac{1}{2\sin\theta -2\sin^3\theta} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。

よって、 $\mathrm{ QR }=\dfrac{1}{2\sin\angle\mathrm{ BAP } -2\sin^3\angle\mathrm{ BAP } }$ となる。

(2)
$0^{\circ}\lt \angle \mathrm{ BAP }\leqq 45^{\circ}$ なので、\[ 0\lt \sin\angle \mathrm{BAP} \leqq \frac{1}{\sqrt{2} } \]が成り立つ。

以下では、 $t=\sin\angle\mathrm{BAP}$ とおき、 $0\lt t \leqq \dfrac{1}{\sqrt{2} }$ の範囲で、 $f(t) = 2t -2t^3$ の最大値を求める。

$f'(t)=2-6t^2$ なので、 $f'(t)=0$ とすると、 $t=\pm\dfrac{1}{\sqrt{3} }$ である。よって、増減表は以下の通りとなる。
\begin{array}{c|ccccc} t & 0 & \cdots & \frac{1}{\sqrt{3} } & \cdots & \frac{1}{\sqrt{2} } \\ \hline f'(t) & & + & 0 & - & \\ \hline f(t) & & \nearrow & & \searrow & \end{array}よって、 $f(t)$ が最大となるのは $t=\dfrac{1}{\sqrt{3} }$ のときであり、その値は \begin{eqnarray} & & 2\times \frac{1}{\sqrt{3} } -2 \left(\frac{1}{\sqrt{3} }\right)^3 \\[5pt] &=& \frac{2}{\sqrt{3} } -\frac{2}{3\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \frac{4}{3\sqrt{3} } \\[5pt] \end{eqnarray}である。

$\mathrm{ QR }=\dfrac{1}{f(t)}$ なので、 QR の長さの最小値は、 $\dfrac{3\sqrt{3} }{4}$ ( $\sin\angle\mathrm{BAP}=\dfrac{1}{\sqrt{3} }$ のとき)となる。

(終)

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