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京都大学 文系 2014年度 第1問 解説

問題編

問題

 $0^{\circ}\leqq \theta \lt 90^{\circ}$ とする。 x についての4次方程式\[ \{ x^2 -2(\cos \theta)x -\cos\theta +1 \} \{ x^2+2(\tan\theta)x+3 \} =0 \]は虚数解を少なくとも1つ持つことを示せ。

考え方

4次方程式と言っても、2次式の積になっているので扱いやすいです。「虚数解を持つかどうか」を考えるには、それぞれの判別式を考えればいいですね。両方が0以上になることがない、を示せれば、虚数解が少なくとも1つあることが示せます。


解答編

問題

 $0^{\circ}\leqq \theta \lt 90^{\circ}$ とする。 x についての4次方程式\[ \{ x^2 -2(\cos \theta)x -\cos\theta +1 \} \{ x^2+2(\tan\theta)x+3 \} =0 \]は虚数解を少なくとも1つ持つことを示せ。

解答

\[ x^2 -2(\cos \theta)x -\cos\theta +1=0 \]が虚数解を持たないとすると、判別式が0以上となるので
\begin{eqnarray} \cos^2 \theta -(-\cos\theta+1) \geqq 0 \\ \cos^2 \theta +\cos\theta -1 \geqq 0 \\ \end{eqnarray}が成り立つ。ここで、 $c^2 +c -1 = 0$ とすると\[ c=\frac{-1\pm\sqrt{5} }{2} \]なので、上の条件から\[ \cos\theta \leqq \frac{-1-\sqrt{5} }{2},\ \cos\theta \geqq \frac{-1+\sqrt{5} }{2} \]が得られる。ここで、 $0^{\circ}\leqq \theta \lt 90^{\circ}$ なので、 $\cos\theta \gt 0$ だから\[ \cos\theta \geqq \frac{-1+\sqrt{5} }{2} \]が成り立たないといけないことがわかる。

一方、\[ x^2+2(\tan\theta)x+3=0 \]が虚数解を持たないとすると、判別式は0以上となるので
\begin{eqnarray} \tan^2\theta-3 \geqq 0 \\[5pt] \frac{1}{\cos^2\theta}-1-3 \geqq 0 \\[5pt] 1-4\cos^2\theta \geqq 0 \\[5pt] \cos^2\theta \leqq \frac{1}{4} \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立つ。 $0^{\circ}\leqq \theta \lt 90^{\circ}$ なので、 $\cos\theta \gt 0$ だから\[ 0 \lt \cos\theta \leqq \frac{1}{2} \]が成り立たないといけないことがわかる。

よって、与えられた4次方程式が虚数解を持たないとすると、\[ \cos\theta \geqq \frac{-1+\sqrt{5} }{2}, \ 0 \lt \cos\theta \leqq \frac{1}{2} \]の両方を満たさないといけない。しかし、\[ \frac{-1+\sqrt{5} }{2} \geqq \frac{-1+\sqrt{4} }{2} =\frac{1}{2} \]なので、これらの不等式を同時に満たす $\theta$ はない。よって、2つの判別式のどちらかは必ず負になるので、与えられた4次方程式は虚数解を少なくとも1つ持つ。

(終)

解説

「実数解しか持たないなら矛盾する」ということをいうために、「判別式が両方とも0以上になることはない」を示しています。両方の条件を満たす $\theta$ がないから、虚数解は少なくとも1つ持つことが示せます。

上の解答は、少し一般的な書き方をしていますが、この問題では特徴的な数値が出てくるので、もっとスッキリ解くこともできます。2つ目の判別式が0以上になるというの条件から\[ \tan^2 \theta \geqq 3 \]が得られますが、 $0^{\circ} \leqq \theta \lt 90^{\circ}$ の範囲では、\[ 60^{\circ} \leqq \theta \lt 90^{\circ} \]とわかります。このとき、\[ 0\lt \cos\theta \leqq \frac{1}{2} \]なので、1つ目の判別式は
\begin{eqnarray} & & \cos^2 \theta +\cos\theta -1 \\[5pt] &=& \left(\cos\theta +\frac{1}{2}\right)^2-\frac{5}{4} \\[5pt] &\leqq& -\frac{1}{4} \\[5pt] &\lt& 0 \end{eqnarray}となり、0以上になることはありません。だから、虚数解が1つはあるということがわかります。

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