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京都大学 文系 2013年度 第4問 解説

問題編

問題

 $\alpha,\beta$ を実数とする。 $xy$ 平面内で、点 $(0,3)$ を中心とする円 $C$ と放物線\[ y=-\dfrac{x^2}{3}+\alpha x-\beta \]が点 $\mathrm{ P }(\sqrt{3},0)$ を共有し、さらに P における接線が一致している。このとき以下の問に答えよ。

(1) $\alpha,\beta$ の値を求めよ。

(2) 円 $C$ 、放物線 $y=-\dfrac{x^2}{3}+\alpha x-\beta$ および $y$ 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

考え方

(1)は、接線が一致していることから2つの条件式を導いて連立方程式を解きます。

(2)は、直接積分することはできませんが、図をかいてどの部分の面積を出すのかを考えれば、図形をどう変形すればいいかわかりやすいでしょう。


解答編

問題

 $\alpha,\beta$ を実数とする。 $xy$ 平面内で、点 $(0,3)$ を中心とする円 $C$ と放物線\[ y=-\dfrac{x^2}{3}+\alpha x-\beta \]が点 $\mathrm{ P }(\sqrt{3},0)$ を共有し、さらに P における接線が一致している。このとき以下の問に答えよ。

(1) $\alpha,\beta$ の値を求めよ。

解答

(1)
点 $(0,3)$ を C とする。直線 CP の傾きは $-\sqrt{3}$ なので、点 P における円 $C$ の接線の傾きは $\dfrac{1}{\sqrt{3} }$ である。

放物線 $y=-\dfrac{x^2}{3}+\alpha x+\beta$ は、点 $\mathrm{ P }(\sqrt{3},0)$ を通るので
\begin{eqnarray} 0 &=& -\dfrac{(\sqrt{3})^2}{3}+\alpha\sqrt{3}-\beta \\[5pt] \beta &=& -1+\alpha\sqrt{3} \\[5pt] \end{eqnarray}が成り立つ。また、この放物線の式を微分すると $y'=-\dfrac{2}{3}x+\alpha$ であり、点 P での傾きが $\dfrac{1}{\sqrt{3} }$ なので \begin{eqnarray} -\dfrac{2}{3}\cdot \sqrt{3}+\alpha &=& \dfrac{1}{\sqrt{3} } \\[5pt] \alpha &=& \dfrac{1}{\sqrt{3} }+\dfrac{2}{\sqrt{3} }=\sqrt{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。よって \begin{eqnarray} \beta=-1+\sqrt{3}\cdot\sqrt{3}=2 \end{eqnarray}となる。

よって、 $\alpha=\sqrt{3}$, $\beta=2$ である。

((1)終)

解答編 つづき

問題

(2) 円 $C$ 、放物線 $y=-\dfrac{x^2}{3}+\alpha x-\beta$ および $y$ 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

解答

(2)

直線 CP の方程式は、 $y=-\sqrt{3}x+3$ であり、線分 CP の長さは $\sqrt{3+9}=2\sqrt{3}$ である。よって、この放物線と直線 CP と $y$ 軸で囲まれた部分の面積から、半径が $2\sqrt{3}$ で中心角が $30^{\circ}$ のおうぎ形の面積を引けばよいので、
\begin{eqnarray} & & \int_0^{\sqrt{3} } \left\{\left(-\sqrt{3}x+3 \right)-\left(-\dfrac{x^2}{3}+\sqrt{3} x-2 \right)\right\} dx \\ & & -(2\sqrt{3})^2\pi \cdot \dfrac{1}{12} \\[5pt] &=& \int_0^{\sqrt{3} } \left(\dfrac{x^2}{3}-2\sqrt{3} x +5 \right) dx -\pi \\[5pt] &=& \left[ \dfrac{x^3}{9}-\sqrt{3} x^2 +5x \right]_0^{\sqrt{3} } -\pi \\[5pt] &=& \dfrac{\sqrt{3} }{3}-3\sqrt{3} +5\sqrt{3} -\pi \\[5pt] &=& \dfrac{7\sqrt{3} }{3}-\pi \\[5pt] \end{eqnarray}と求められる。

((2)終)

解説

放物線と直線 CP と $y$ 軸で囲まれた部分は、さらに2つに分けて求めても構いません。 $x$ 軸より上の部分は、三角形の面積なので、 $\dfrac{3}{2}\sqrt{3}$ です。下側の面積は\[ \int_0^{\sqrt{3} } -\left(-\dfrac{x^2}{3}+\sqrt{3} x-2 \right) dx \]で求められます。

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