京都大学 文系 2006年度 第1問 解説
問題編
【問題】
放物線$C:y=x^2$と2直線$l_1:y=px-1$、$l_2:y=-x-p+4$は1点で交わるという。このとき実数pの値を求めよ。
【考え方】
放物線と直線の交点を考えても、因数分解ができるわけでもないので、計算はうまくいきません。「2直線の交点を放物線が通る」と考えて計算していくしかないでしょう。ただの計算問題です。
解答編
【問題】
放物線$C:y=x^2$と2直線$l_1:y=px-1$、$l_2:y=-x-p+4$は1点で交わるという。このとき実数pの値を求めよ。
【解答】
まず、$l_1$と$l_2$の交点のx座標を求める。
\begin{eqnarray}
px-1 &=& -x-p+4 \\
(p+1)x &=& -p+5
\end{eqnarray}となるが、ここで、$p=-1$とすると、$l_1$と$l_2$は平行となり、交わらない。よって、$p\ne -1$なので、\[ x = \frac{-p+5}{p+1} \]となる。
2直線の交点を放物線Cも通るので、
\begin{eqnarray}
\left( \frac{-p+5}{p+1} \right)^2 &=& \frac{-p+5}{p+1}p -1 \\[5pt]
( -p+5 )^2 &=& (-p+5)(p+1)p -(p+1)^2 \\
p^2-10p+25 &=& (p+1)(-p^2+4p-1) \\
p^2-10p+25 &=& -p^3 +3p^2+3p-1 \\
\end{eqnarray}となる。さらに計算して、
\begin{eqnarray}
p^3 -2p^2 -13p +26 &=& 0 \\
(p-2)(p^2-13) &=& 0
\end{eqnarray}となる。よって、$p=2,\pm \sqrt{13}$となる。
【解答終】
【解説】
計算するだけの問題です。
2直線の交点があまりきれいな式ではないので、これを放物線の式に代入するのは抵抗があります。しかし、その後はきれいに因数分解できるので安心です。
$p=-1$とならないことの確認は必要なので、忘れないようにしましょう。