センター試験 数学II・数学B 2017年度 第1問 [2] 解説
問題編
問題
座標平面上に点 $\displaystyle \mathrm{ A }\left(0, \frac{3}{2}\right)$ をとり、関数 $y=\log_2 x$ のグラフ上に2点 $\mathrm{ B }(p, \log_2 p)$, $\mathrm{ C }(q, \log_2 q)$ をとる。線分 AB を $1:2$ に内分する点が C であるとき、 p, q の値を求めよう。
真数の条件により、 $p\gt\myBox{タ}$, $q\gt\mybox{タ}$ である。ただし、対数 $\log_a b$ に対し、 a を底といい、 b を真数という。
線分 AB を $1:2$ に内分する点の座標は、 p を用いて\[ \left( \frac{\myBox{チ}}{\myBox{ツ}}p, \frac{\myBox{テ}}{\myBox{ト}}\log_2 p +\myBox{ナ} \right) \]と表される。これが C の座標と一致するので
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle \frac{\mybox{チ}}{\mybox{ツ}}p = q & \quad & \cdots ④ \\[5pt] \displaystyle \frac{\mybox{テ}}{\mybox{ト}}\log_2 p +\mybox{ナ} = \log_2 q & \quad & \cdots ⑤ \\ \end{array} \right. \end{eqnarray}が成り立つ。⑤は\[ p=\frac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}} q^{\myBox{ネ}} \quad \cdots ⑥ \]と変形できる。④と⑥を連立させた方程式を解いて、 $p\gt\mybox{タ}$, $q\gt\mybox{タ}$ に注意すると\[ p=\myBox{ノ}\sqrt{\myBox{ハ}},\ q=\myBox{ヒ}\sqrt{\myBox{フ}} \]である。
また、 C の y 座標 $\log_2(\mybox{ヒ}\sqrt{\mybox{フ}})$ の値を、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めると、$\myBox{ヘ}$ である。 $\myBox{ヘ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ b のうちから一つ選べ。ただし、 $\log_{10}2=0.3010$, $\log_{10}3=0.4771$, $\log_{10}7=0.8451$ とする。
0: 0.3
1: 0.6
2: 0.9
3: 1.3
4: 1.6
5: 1.9
6: 2.3
7: 2.6
8: 2.9
9: 3.3
a: 3.6
b: 3.9
考え方
見た目は大変そうですが、それほど計算は大変ではありません。誘導も丁寧です。
一番最後の問題は、与えられた数値が使えるように底の変換公式を用いて変形していきます。小数の計算は面倒ですが、選択肢から近いものを選ぶだけなら、概算でも問題ありません。
解答編
問題
座標平面上に点 $\displaystyle \mathrm{ A }\left(0, \frac{3}{2}\right)$ をとり、関数 $y=\log_2 x$ のグラフ上に2点 $\mathrm{ B }(p, \log_2 p)$, $\mathrm{ C }(q, \log_2 q)$ をとる。線分 AB を $1:2$ に内分する点が C であるとき、 p, q の値を求めよう。
真数の条件により、 $p\gt\myBox{タ}$, $q\gt\mybox{タ}$ である。ただし、対数 $\log_a b$ に対し、 a を底といい、 b を真数という。
解説
真数条件とは、真数が正であるという条件です。 $p\gt 0$, $q\gt 0$ となります。
解答
タ:0
解答編 つづき
問題
線分 AB を $1:2$ に内分する点の座標は、 p を用いて\[ \left( \frac{\myBox{チ}}{\myBox{ツ}}p, \frac{\myBox{テ}}{\myBox{ト}}\log_2 p +\myBox{ナ} \right) \]と表される。これが C の座標と一致するので
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle \frac{\mybox{チ}}{\mybox{ツ}}p = q & \quad & \cdots ④ \\[5pt] \displaystyle \frac{\mybox{テ}}{\mybox{ト}}\log_2 p +\mybox{ナ} = \log_2 q & \quad & \cdots ⑤ \\ \end{array} \right. \end{eqnarray}が成り立つ。
解説
内分点の x 座標は\[ \frac{2\cdot 0 +1\cdot p}{1+2}=\frac{1}{3}p \]となります。また、y 座標は\[ \frac{2\cdot \frac{3}{2} +1\cdot \log_2 p}{1+2}=\frac{1}{3}\log_2 p +1 \]となります。
解答
チツ:13
テトナ:131
解答編 つづき
問題
⑤は\[ p=\frac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}} q^{\myBox{ネ}} \quad \cdots ⑥ \]と変形できる。
解説
⑤を変形すると
\begin{eqnarray}
\frac{1}{3}\log_2 p +1 &=& \log_2 q \\
\log_2 p^{\frac{1}{3} } +\log_2 2 &=& \log_2 q \\
\log_2 2 p^{\frac{1}{3} } &=& \log_2 q \\
\end{eqnarray}なので、 $2 p^{\frac{1}{3} } = q$ が成り立ちます。これをさらに変形すると
\begin{eqnarray}
2 p^{\frac{1}{3} } &=& q \\[5pt]
p^{\frac{1}{3} } &=& \frac{q}{2} \\[5pt]
p &=& \left(\frac{q}{2}\right)^3 \\[5pt]
&=& \frac{1}{8} q^3 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
解答
ニヌネ:183
解答編 つづき
問題
④と⑥を連立させた方程式を解いて、 $p\gt\mybox{タ}$, $q\gt\mybox{タ}$ に注意すると\[ p=\myBox{ノ}\sqrt{\myBox{ハ}},\ q=\myBox{ヒ}\sqrt{\myBox{フ}} \]である。
解説
④は $\frac{1}{3}p = q$ なので、これから $p=3q$ が得られます。これを⑥の $\displaystyle p = \frac{1}{8} q^3$ に代入すると
\begin{eqnarray}
3q &=& \frac{1}{8} q^3 \\[5pt]
24 &=& q^2 \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。 $q\gt 0$ なので、 $q=\sqrt{24}=2\sqrt{6}$ が得られます。 $p=3q$ なので、 $p=6\sqrt{6}$ が得られます。
解答
ノハ:66
ヒフ:26
解答編 つづき
問題
また、 C の y 座標 $\log_2(\mybox{ヒ}\sqrt{\mybox{フ}})$ の値を、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めると、$\myBox{ヘ}$ である。 $\myBox{ヘ}$ に当てはまるものを、下の 0 ~ b のうちから一つ選べ。ただし、 $\log_{10}2=0.3010$, $\log_{10}3=0.4771$, $\log_{10}7=0.8451$ とする。
0: 0.3
1: 0.6
2: 0.9
3: 1.3
4: 1.6
5: 1.9
6: 2.3
7: 2.6
8: 2.9
9: 3.3
a: 3.6
b: 3.9
解説
底の変換公式を用いて変形すると
\begin{eqnarray}
\log_2 (2\sqrt{6})
&=&
1+\log_2 \sqrt{6} \\[5pt]
&=&
1+\frac{\log_{10} \sqrt{6} }{\log_{10} 2} \\[5pt]
&=&
1+\frac{\frac{1}{2}\log_{10} (2\cdot 3)}{\log_{10} 2} \\[5pt]
&=&
1+\frac{1}{2}\times\frac{\log_{10}2+\log_{10}3}{\log_{10} 2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。これに与えられた値を代入すると
\begin{eqnarray}
1+0.5\times\frac{0.3010+0.4771}{0.3010}
&=&
2.292\cdots
\end{eqnarray}となるので、四捨五入して $2.3$ と求められます。
解答
ヘ:6