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センター試験 数学II・数学B 2016年度 第3問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

問題編

問題

 真分数を分母の小さい順に、分母が同じ場合には分子の小さい順に並べてできる数列\[ \frac{1}{2},\frac{1}{3},\frac{2}{3},\frac{1}{4},\frac{2}{4},\frac{3}{4},\frac{1}{5}, \cdots \]を $\{a_n\}$ とする。真分数とは、分子と分母がともに自然数で、分子が分母より小さい分数のことであり、上の数列では、約分できる形の分数も含めて並べている。以下の問題に分数形で解答する場合は、解答上の注意にあるように、それ以上約分できない形で答えよ。

(1) $\displaystyle a_{15}=\frac{\myBox{ア}}{\myBox{イ}}$ である。また、分母に初めて8が現れる項は、$a_{\myBox{ウエ}}$ である。

(2) k を $2$ 以上の自然数とする。数列$\{a_n\}$ において、$\dfrac{1}{k}$ がはじめて現れる項を第 $M_k$ 項とし、$\dfrac{k-1}{k}$ が初めて現れる項を第 $N_k$ 項とすると
\begin{eqnarray} M_k &=& \frac{\myBox{オ}}{\myBox{カ}}k^2 - \frac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}}k + \myBox{ケ} \\[5pt] N_k &=& \frac{\myBox{コ}}{\myBox{サ}}k^2 - \frac{\myBox{シ}}{\myBox{ス}}k \end{eqnarray}である。よって、$a_{104}=\dfrac{\myBox{セソ}}{\myBox{タチ}}$ である。

(3) k を $2$ 以上の自然数とする。数列$\{a_n\}$ の第 $M_k$ 項から第 $N_k$ 項までの和は、$\displaystyle \frac{\myBox{ツ}}{\myBox{テ}}k-\frac{\myBox{ト}}{\myBox{ナ}}$である。したがって、数列$\{a_n\}$ の初項から第 $N_k$ 項までの和は\[ \frac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}}k^2-\frac{\myBox{ネ}}{\myBox{ノ}}k \]である。よって\[ \sum_{n=1}^{103} a_n = \frac{\myBox{ハヒフ}}{\myBox{ヘホ}}\]である。

考え方

群数列ですね。これはよく練習しておかないと解けません。

(1)は、これくらいであれば書き出した方が早いです。どういう数列なのかを把握する意味も込めて、書き出してみましょう。

(2)から少しハードルが上がります。「分母が同じ分数がいくつあるか」を考えましょう。 $M_k$ と $N_k$ の2つを求めないといけませんが、片方が求まればそれを利用してもう片方も出します。また、間違いを防ぐために、検算も行いましょう。

(3)は和の公式を使って解きます。最後の和は、「キリのいいところまで足して不要な項を引く」という出し方が楽です。


解答編

問題

 真分数を分母の小さい順に、分母が同じ場合には分子の小さい順に並べてできる数列\[ \frac{1}{2},\frac{1}{3},\frac{2}{3},\frac{1}{4},\frac{2}{4},\frac{3}{4},\frac{1}{5}, \cdots \]を $\{a_n\}$ とする。真分数とは、分子と分母がともに自然数で、分子が分母より小さい分数のことであり、上の数列では、約分できる形の分数も含めて並べている。以下の問題に分数形で解答する場合は、解答上の注意にあるように、それ以上約分できない形で答えよ。

(1) $\displaystyle a_{15}=\frac{\myBox{ア}}{\myBox{イ}}$ である。また、分母に初めて8が現れる項は、$a_{\myBox{ウエ}}$ である。

解説

分母が2の分数は1つ、分母が3のものは2つ、4のものは3つ、5のものは4つ、6のものは5つです。ここまでの個数を全部足すと、15 なので、 $a_{15}$ は、分母が 6 のもので一番最後に出てくるもの、つまり、 $\dfrac{5}{6}$ です。

また、分母にはじめて 8 があらわれる項は、分母が 7 のものまでがすべて出てきた「次」です。分母が 7 のものは 6個あるので、さきほどの結果とまとめると、分母が 7以下のものは、$15+6=21$ 個。よって、この次の 22項目で、初めて分母に 8 が出てきます。

解答

アイ:56
ウエ:22

解答編 つづき

問題

(2) k を $2$ 以上の自然数とする。数列$\{a_n\}$ において、$\dfrac{1}{k}$ がはじめて現れる項を第 $M_k$ 項とし、$\dfrac{k-1}{k}$ が初めて現れる項を第 $N_k$ 項とすると
\begin{eqnarray} M_k &=& \frac{\myBox{オ}}{\myBox{カ}}k^2 - \frac{\myBox{キ}}{\myBox{ク}}k + \myBox{ケ} \\[5pt] N_k &=& \frac{\myBox{コ}}{\myBox{サ}}k^2 - \frac{\myBox{シ}}{\myBox{ス}}k \end{eqnarray}である。

解説

(1)の流れからもわかる通り、 $\dfrac{1}{k}$ が初めて出てくるときは、分母が $k-1$ までのものがすべて出終わった「次」のタイミングです。分母が $k-1$ のものは、 $k-2$ 個あるので、分母が $k-1$ までの個数は、1から $k-2$ までの和となります。よって、和の公式から、
\begin{eqnarray} M_k &=& \frac{1}{2}(k-2)(k-1)+1 \\[5pt] &=& \frac{1}{2}k^2 - \frac{3}{2}k + 2 \end{eqnarray}となります。

テストでは計算間違いをしていないか確認するために、 $k=2$ としたときに、ちゃんと $M_2=1$ となるか確認しておきましょう。

第 $N_k$ 項は、数列 $\{a_n\}$ ではじめて $\displaystyle \frac{k-1}{k}$ が出てくる項です。 $\displaystyle \frac{k-1}{k}$ は $\displaystyle \frac{1}{k}$ の $(k-2)$ 個後に出てくるので、 $M_k$ の結果を使えば、
\begin{eqnarray} N_k &=& \frac{1}{2}k^2 - \frac{3}{2}k + 2 + (k-2) &=& \frac{1}{2}k^2 - \frac{1}{2}k \end{eqnarray}となります。

これも、 $k=2$ としたときに、ちゃんと $N_2=1$ となるか確認しておきましょう。

解答

オカキクケ:12322
コサシス:1212

解答編 つづき

問題

よって、$a_{104}=\dfrac{\myBox{セソ}}{\myBox{タチ}}$ である。

解説

上の結果を使って考えます。式を見ると、$N_k$の方が扱いやすいのでこちらを使って考えます。\[ N_k=\frac{1}{2}k^2 - \frac{1}{2}k \]ですね。

まず、$a_{104}$ の分母が何か、つまり、$k$ が何かを考えていきましょう。仮に、$\dfrac{k-1}{k}$ の形だとして、$N_k=104$ となる $k$ があるか考えてみます。先ほどの結果に代入すると、$k^2-k=208$ です。$k$ に適当に数字を入れていくと、1415 の間であることがわかります。

これをもとに計算してみると、$N_{14}=91$、$N_{15}=105$であることがわかります。よって、$a_{105}=\dfrac{14}{15}$ であることがわかるので、$a_{104}=\dfrac{13}{15}$ となります。

解答

セソタチ:1315

解答編 つづき

問題

(3) k を $2$ 以上の自然数とする。数列$\{a_n\}$ の第 $M_k$ 項から第 $N_k$ 項までの和は、$\displaystyle \frac{\myBox{ツ}}{\myBox{テ}}k-\frac{\myBox{ト}}{\myBox{ナ}}$である。

解説

第 $M_k$ 項から第 $N_k$ 項までの値は、分母が $k$ で、分子が $1$ から $k-1$ までの分数であることがわかります。よって、これらの和は
\begin{eqnarray} \frac{1}{k} \times \frac{1}{2}(k-1)k = \frac{1}{2}k - \frac{1}{2} \end{eqnarray}となります。

解答

ツテトナ:1212

解答編 つづき

問題

したがって、数列$\{a_n\}$ の初項から第 $N_k$ 項までの和は\[ \frac{\myBox{ニ}}{\myBox{ヌ}}k^2-\frac{\myBox{ネ}}{\myBox{ノ}}k \]である。

解説

先ほどの結果から、第 $M_k$ 項から第 $N_k$ 項までの和は$\dfrac{1}{2}k - \dfrac{1}{2}$ です。初項から第 $N_k$ 項までの和は、これを、$2$ から $k$ まで足したものなので、和の公式から、
\begin{eqnarray} & & \frac{1}{2}\times\left\{\frac{1}{2}k(k+1)-1\right\} - \frac{1}{2}(k-1) \\[5pt] &=& \frac{1}{4}k^2+\frac{1}{4}k-\frac{1}{2}-\frac{1}{2}k+\frac{1}{2} \\[5pt] &=& \frac{1}{4}k^2 -\frac{1}{4}k \end{eqnarray}となります。

解答

ニヌネノ:1414

解答編

問題

よって\[ \sum_{n=1}^{103} a_n = \frac{\myBox{ハヒフ}}{\myBox{ヘホ}}\]である。

解説

(2)の最後に計算した結果から、$a_{104}=\dfrac{13}{15}$ であり、$a_{105}=\dfrac{14}{15}$ なので、「初項から第 $N_{15}$ 項」までを足してから、この不要な 2項を消せば出せます。よって、
\begin{eqnarray} \sum_{n=1}^{103}a_k &=& \frac{1}{4}\times15^2 -\frac{1}{4}\times15 -\frac{13}{15} -\frac{14}{15} \\ &=& \frac{105}{2} -\frac{9}{5} \\ &=& \frac{507}{10} \\ \end{eqnarray}となります。

解答

ハヒフヘホ:50710

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