センター試験 数学II・数学B 2016年度 第1問 [1] 解説
問題編
問題
(1) $8^{\frac{5}{6} }=\myBox{ア}\sqrt{\myBox{イ}}$ 、 $\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}=\frac{\myBox{ウエ}}{\myBox{オ}}$ である。
(2) $y=2^x$ のグラフと $\displaystyle y=\Big(\frac{1}{2}\Big)^x$ のグラフは $\myBox{カ}$ である。
$y=2^x$ のグラフと $y=\log_2 x$ のグラフは $\myBox{キ}$ である。
$y=\log_2 x$ のグラフと $y=\log_{\frac{1}{2} } x$ のグラフは $\myBox{ク}$ である。
$y=\log_2 x$ のグラフと $y=\log_2 \frac{1}{x}$ のグラフは $\myBox{ケ}$ である。$\myBox{カ}$ ~ $\myBox{ケ}$ に当てはまるものを、次の 0~3 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
0: 同一のもの
1: x軸に関して対称
2: y軸に関して対称
3: 直線 $y=x$ に関して対称(3) $x\gt 0$ の範囲における関数 $\displaystyle y=\left(\log_2\frac{x}{4} \right)^2-4\log_4 x +3$ の最小値を求めよう。
$t=\log_2 x$ とおく。このとき、 $y=t^2-\myBox{コ}t+\myBox{サ}$ である。また、x が $x\gt 0$ の範囲を動くとき、tのとり得る値の範囲は $\myBox{シ}$ である。 $\myBox{シ}$ に当てはまるものを、次の 0~3 のうちから一つ選べ。
0: $t \gt 0$
1: $t \gt 1$
2: $t \gt 0$ かつ $t\ne 1$
3: 実数全体したがって、y は $t=\myBox{ス}$ のとき、すなわち $x=\myBox{セ}$ のとき、最小値 $\myBox{ソタ}$ をとる。
考え方
(2)は、軸や直線に関して対称かどうかを判断する問題です。2つのグラフが軸や直線に関して対称というのは、片方の式の文字を入れ替えたり符号を変えたりしたときにもう片方の式になるかどうか、で判断します。このことと、底の変換公式を使って考えていきます。少し変わった問題ですね。
(3)は、 $\log$ を変数tで置き換えて、tの式として考える問題ですね。このように別の文字に置き換えたときには、tの定義域に気をつけないといけません。が、この場合、定義域は実数全体になるので、特に気を付けることはありません。
解答編
問題
(1) $8^{\frac{5}{6} }=\myBox{ア}\sqrt{\myBox{イ}}$ 、 $\displaystyle \log_{27}\frac{1}{9}=\frac{\myBox{ウエ}}{\myBox{オ}}$ である。
解説
$8^{\frac{5}{6} }$ は、2を基準に変換しなおすと簡単になります。
$8^{\frac{5}{6} }=(2^3)^{\frac{5}{6} }=2^{\frac{5}{2} }=4\sqrt{2}$ となります。
$\log_{27}\frac{1}{9}$ は、3を基準に変換しなおせばいいですね。底の変換公式を使います。
\begin{eqnarray}
\log_{27}\frac{1}{9} = \frac{ \log _3 \frac{1}{9} }{ \log _3 27 } = \frac{-2}{3}
\end{eqnarray}となります。
解答
アイ:42ウエオ:-23
解答編 つづき
問題
(2) $y=2^x$ のグラフと $\displaystyle y=\Big(\frac{1}{2}\Big)^x$ のグラフは $\myBox{カ}$ である。
$y=2^x$ のグラフと $y=\log_2 x$ のグラフは $\myBox{キ}$ である。
$y=\log_2 x$ のグラフと $y=\log_{\frac{1}{2} } x$ のグラフは $\myBox{ク}$ である。
$y=\log_2 x$ のグラフと $y=\log_2 \frac{1}{x}$ のグラフは $\myBox{ケ}$ である。$\myBox{カ}$ ~ $\myBox{ケ}$ に当てはまるものを、次の 0~3 のうちから一つずつ選べ。ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
0: 同一のもの
1: x軸に関して対称
2: y軸に関して対称
3: 直線 $y=x$ に関して対称
解説
2つのグラフの位置関係を答える問題ですね。例えば、 $y=2x+1$ と $y=-2x-1$ はx軸について対称となります。ある点について、x軸について対称な点というのは、y座標の符号を変えたものです。なので、「2つのグラフがx軸について対称」というのは、「片方の式でyを-yにしたらもう片方の式になる」ということです。同様に、「2つのグラフがy軸について対称」というのは、「片方の式でxを-xにしたら、もう片方の式になる」ということです。
また、「2つのグラフが直線 $y=x$ について対称」というのは、「片方の式でxとyを入れ替えたら、もう片方の式になる」ということです。
以上のことに注意して、それぞれの式を考えてみます。
$y=(\frac{1}{2})^x=2^{-x}$ なので、これは $y=2^x$ でxを-xに入れ替えたものです。よって、2つのグラフは、y軸について対称、となります。
$y=\log _2 x$ は、 $2^y=x$ ということなので、これは $y=2^x$ でxとyを入れ替えたものです。よってグラフは直線 $y=x$ に関して対称です。
$y=\log _{\frac{1}{2} } x=\frac{\log_{2} x}{\log_2 \frac{1}{2} }=-\log_2x$ なので、これは $y=\log_2 x$ でyを-yに入れ替えたものです。よって、グラフはx軸について対称となります。
$y=\log_2 {\frac{1}{x} }=-\log_2x$ なので、これもグラフはx軸について対称となります。
解答
カ:2キ:3
ク:1
ケ:1
解答編 つづき
問題
(3) $x\gt 0$ の範囲における関数 $\displaystyle y=\left(\log_2\frac{x}{4} \right)^2-4\log_4 x +3$ の最小値を求めよう。
$t=\log_2 x$ とおく。このとき、 $y=t^2-\myBox{コ}t+\myBox{サ}$ である。また、x が $x\gt 0$ の範囲を動くとき、tのとり得る値の範囲は $\myBox{シ}$ である。 $\myBox{シ}$ に当てはまるものを、次の 0~3 のうちから一つ選べ。
0: $t \gt 0$
1: $t \gt 1$
2: $t \gt 0$ かつ $t\ne 1$
3: 実数全体
解説
$t=\log_2 x$ とおくと、\begin{eqnarray} y &=& \left( \log_2\frac{x}{4} \right)^2 -4\log_4 x +3 \\ &=& ( \log_2 x - \log_2 4 )^2 -4\frac{\log_2 x}{ \log_2 4} + 3 \\ &=& ( t - 2 )^2 -4\times \frac{t}{ 2} + 3 \\ &=& t^2-4t+4-2t+3\\ &=& t^2-6t+7 \end{eqnarray}となります。
また、 $x\gt 0$ のとき、 $t=\log_2 x$ は実数全体を動きます。
解答
コサ:67シ:3
解答編 つづき
問題
したがって、y は $t=\myBox{ス}$ のとき、すなわち $x=\myBox{セ}$ のとき、最小値 $\myBox{ソタ}$ をとる。
解説
$t^2-6t+7=(t-3)^2-2$ なので、 $t=3$ 、つまり、 $x=2^3=8$ のときに、yは最小値-2をとります。解答
ス:3セ:8
ソタ:-2