【標準】実数の分類と四則演算
【基本】実数の分類では、実数を有理数と無理数に分けたり、有理数を整数と有限小数と循環小数に分けたりして、実数を分類していきました。その際、四則演算についても軽く触れていたのですが、この記事でまとめなおしておきます。
この記事は、公式や計算方法の解説などが目的ではありません。「数の範囲を広げていけば、何ができるようになるのか」ということを解説するのが目的です。
四則演算について
四則演算とは、簡単に言えば、足し算・引き算・掛け算・割り算の4つを指します。難しく言うと、加法・減法・乗法・除法の4つです。この計算の答えのことを、それぞれ、和・差・積・商と呼びます。
これらは名前なので、そのまま覚えるしかありません。覚えているかどうかが試験にでることは、ほとんどありませんが、教科書や問題文に説明なく登場することはあります(例えば、「和を求めなさい」など)。覚えていないと書いてあることが理解できない可能性があるので、それぞれが何を指しているかは把握しておきましょう。
なお、「除法」と言ったとき、0での割り算は考えません。0以外の数で割る場合だけを考えます。
実数の範囲と四則演算
ここでは、数の範囲を広げていけば、どういった計算ができるようになるのか、を書いていきます。
自然数の範囲では、加法と乗法は自由にできますが、減法や除法は自由にはできませんよね。答えが自然数の範囲から出てしまうことがあります。「1引く3」とか「2割る5」などの答えは、自然数ではありません。
しかし、整数まで範囲を広げれば、加法と乗法に加え、減法も自由にできます。数をマイナスの世界まで広げれば、引き算はいつでもできますね。しかし、除法はまだ自由にはできません。
数の範囲を有理数まで広げると、除法も含めて自由に行うことができます。さらに、有理数と無理数を含めた実数の範囲で考えても、四則演算は自由にできます。
以上より、四則演算が自由にできるかどうか(答えがその範囲内に必ずおさまるかどうか)をまとめると次のようになります。
加法 | 減法 | 乗法 | 除法 | |
---|---|---|---|---|
自然数 | o | x | o | x |
整数 | o | o | o | x |
有理数 | o | o | o | o |
実数 | o | o | o | o |
この表は覚える必要はありません。「数の範囲を広げていくと、四則演算が自由にできるようになるんだな」ということがわかればそれでOKです。
これを踏まえたうえで、【応用】実数の分類と四則演算では、無理数や有理数の計算結果がどうなるかを考えていきます。これは少し複雑なので、入試で問われることがあります。