【標準】整式の割り算
ここでは、整式の割り算に関する問題を見ていきます。「どんな式で割ったか」や「どんな式を割ったか」などを求める問題を扱います。
整式の割り算の復習
【基本】整式の割り算でも見た内容ですが、整式の割り算は、次のような内容でした。
整式 A を整式 B で割ったとき、商が Q で余りが R となったとします。このとき、次の関係式が成り立ちます。\[ A=BQ+R \]これは数字の場合でも成り立ちますが、整式の場合でも同じ形で成り立ちます。割り算の問題では、この形をよく使います。
割る式を求める問題
整式を整式で割る問題です。先ほどの復習で見た式にあてはめて、考えていきましょう。
この問題では、割られる式と、商と余りが分かっているので、次の式が成り立つことがわかります。\[ x^3-8x = B(x^2-3x+1)-3 \]最後の $-3$ を左辺に移行すると、 B は、 $x^3-8x+3$ を $x^2-3x+1$ で割ったときの商であることがわかります。
そのため、【基本】筆算を使った整式の割り算で見たように、筆算を使って割り算を行えば、 B を求めることができます。計算結果は、次のようになります。
\begin{array}{r}
x+3\\
x^2-3x+1 \
\overline{ ) \ \color{Black}{x^3} \color{White}{+0x^2} \color{Black}{-8x+3} } \\
\underline{ \color{Black}{x^3 -3x^{2}} +\color{White}{\ }\color{Black}{x} \color{White}{+0} } \\
\color{White}{+} \color{Black}{3x^{2} -9x +3} \\
\underline{ \color{White}{+} \color{Black}{3x^{2}-9x +3} } \\
0
\end{array}これより、 $B=x+3$ であることがわかります。
なお、「 B は、 $x^3-8x+3$ を $x^2-3x+1$ で割ったときの商であることがわかる」と上で書きましたが、特に「この割り算は割り切れる」ことがわかります。なので、「もし割り切れなければ、どこかで計算間違いをしている」ことがわかります。
割られる式を求める問題
今回は、割られる式がわかりません。しかし、他の条件から次の式が成り立つことがわかります。\[ A=(2a^2-a-2)(a-1)+a+3 \]右辺を展開すれば A が求められますね。計算すると
\begin{eqnarray}
A
&=&
(2a^2-a-2)(a-1)+a+3 \\[5pt]
&=&
2a^3-a^2-2a \\
& & -2a^2+a+2 \\
& & +a+3 \\[5pt]
&=&
2a^3 -3a^2 +5
\end{eqnarray}と求められます。割り算の問題ですが、掛け算しか使いませんでした。こういうパターンもあります。
おわりに
ここでは、整式の割り算を使った問題を見ました。 $A=BQ+R$ という形で考えることはこれからもよくあるので、覚えておきましょう。