【標準】累乗根と式の値

ここでは、累乗根に関連した、式の値を求める問題を見ていきます。

【広告】

累乗根と展開

例題1
次の計算をしなさい。
\[ (\sqrt[6]{a}+\sqrt[6]{b})(\sqrt[6]{a}-\sqrt[6]{b})(\sqrt[3]{a^2}+\sqrt[3]{ab}+\sqrt[3]{b^2}) \]

少し見づらいですが、前半の2つは、和と差の積なので、\[ (x+y)(x-y)=x^2-y^2 \]の展開の公式が使えます。分配法則を使っているだけなので、累乗根の場合でももちろん使えます。 $x=\sqrt[6]{a}$, $y=\sqrt[6]{b}$ と置いて考えれば
\begin{eqnarray}
& &
(\sqrt[6]{a}+\sqrt[6]{b})(\sqrt[6]{a}-\sqrt[6]{b})(\sqrt[3]{a^2}+\sqrt[3]{ab}+\sqrt[3]{b^2}) \\[5pt] &=&
(\sqrt[6]{a^2}-\sqrt[6]{b^2})(\sqrt[3]{a^2}+\sqrt[3]{ab}+\sqrt[3]{b^2}) \\[5pt] &=&
(\sqrt[3]{a}-\sqrt[3]{b})(\sqrt[3]{a^2}+\sqrt[3]{ab}+\sqrt[3]{b^2}) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ここで、【基本】累乗根で見た、 $\sqrt[n]{a^m}=\sqrt[np]{a^{mp}}$ を使っています。

さて、まだまだ見づらいですが、今度は、 $p=\sqrt[3]{a}$, $q=\sqrt[3]{b}$ とおくと、次のように変形できることがわかります。\[ (p-q)(p^2+pq+q^2) \]これも、展開の公式が使えます(参考:【基本】三次式の展開)。 $p^3-q^3$ となることがわかるので、計算結果は、\[ (\sqrt[3]{a})^3-(\sqrt[3]{b})^3=a-b \]となることがわかります。

累乗根と式の値

例題2
$a\gt 0$ で、 $\sqrt[3]{a}+\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}=\sqrt{5}$ とする。このとき、 $a+\dfrac{1}{a}$ の値を求めなさい。

同じことですが、条件は\[ a^{\frac{1}{3}}+a^{-\frac{1}{3}}=\sqrt{5} \]という形で与えられることもあります。

$\sqrt[3]{a}$ と $a$ を見比べると、条件の式を3乗するのではないか、と予想ができます。実際に3乗してみると、求めたい式そのままは出てきませんが、惜しい式は出てきます。
\begin{eqnarray}
& &
\left(\sqrt[3]{a}+\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}\right)^3 \\[5pt] &=&
(\sqrt[3]{a})^3
+3(\sqrt[3]{a})^2\left(\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}\right)
+3(\sqrt[3]{a})\left(\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}\right)^2
+\left(\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}\right)^3 \\[5pt] &=&
a
+3\sqrt[3]{a}
+\dfrac{3}{\sqrt[3]{a}}
+\dfrac{1}{a} \\[5pt] \end{eqnarray}ここで、条件式が使えるように変形すると\[ a+\dfrac{1}{a}+3\left(\sqrt[3]{a}
+\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}\right)=a+\dfrac{1}{a}+3\sqrt{5} \]となります。また、条件式から、\[ \left(\sqrt[3]{a}+\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}\right)^3=5\sqrt{5} \]もわかるので、この2つの式から\[ a+\dfrac{1}{a}=2\sqrt{5} \]となることがわかります。

$\sqrt[3]{a}$, $\dfrac{1}{\sqrt[3]{a}}$ の2つを掛けると、打ち消し合って $1$ になる、という性質が効いています。見た目は全然違いますが、本質的には、 $x+\dfrac{1}{x}$ の形をつかった式の値と同じ系統の問題です(参考:【標準】x+1/xを使った式の値)。

おわりに

ここでは、累乗根や有理数乗を用いた、式の値に関する問題を見ました。累乗根が入ってくると式が見づらくなりますが、式の形からうまく変形できないか考えてから計算するようにしましょう。