【標準】累乗根の計算
ここでは、累乗根の計算の具体例を見ていきます。
累乗根の計算
(1) $\sqrt{\sqrt[3]{64} }$
(2) $\sqrt[3]{54}+\sqrt[3]{16}-\sqrt[3]{250}$
【基本】累乗根で見た通り、 $\sqrt[m]{\sqrt[n]{a} }=\sqrt[mn]{a}$ が成り立つことから、(1)は
\begin{eqnarray}
\sqrt{\sqrt[3]{64} }
&=&
\sqrt[6]{64} \\
&=&
\sqrt[6]{2^6} \\
&=&
2 \\
\end{eqnarray}となります。 $\sqrt{a}$ は $\sqrt[2]{a}$ と考えて計算します。
(2)は、3乗根の足し算・引き算ですが、一見すると、これ以上計算できないようにも感じられます。しかし、平方根の計算で行う\[ \sqrt{18}-\sqrt{8}=3\sqrt{2}-2\sqrt{2}=\sqrt{2} \]と同じような変形をすることができます。
$54=3^3\times 2$ なので、 $\sqrt[3]{54}=3\sqrt[3]{2}$ となります。他も同様に計算して
\begin{eqnarray}
& &
\sqrt[3]{54}+\sqrt[3]{16}-\sqrt[3]{250} \\[5pt]
&=&
3\sqrt[3]{2}+2\sqrt[3]{2}-5\sqrt[3]{2} \\[5pt]
&=&
0
\end{eqnarray}となります。足し算・引き算の場合は、根号の中を小さい数にして、同じパーツを作り出してまとめる、という流れが多いです。
累乗根の計算と指数の計算
(1) $\sqrt{2}\times \sqrt[6]{32}\div \sqrt[9]{8}$
(2) $\dfrac{\sqrt[3]{2}\times \sqrt{3} }{ \sqrt[6]{6}\times \sqrt[3]{1.5} }$
(1)は、平方根、6乗根、9乗根が混じっていて、まとめることが難しいです。そのまま計算するのであれば、「〇乗根」の部分をそろえてから計算します。
\begin{eqnarray}
& &
\sqrt{2}\times \sqrt[6]{2^5}\div \sqrt[9]{2^3} \\[5pt]
&=&
\sqrt{2}\times \sqrt[6]{2^5}\div \sqrt[3]{2} \\[5pt]
&=&
\sqrt[6]{2^3}\times \sqrt[6]{2^5}\div \sqrt[6]{2^2} \\[5pt]
&=&
\sqrt[6]{2^3\times2^5\div2^2} \\[5pt]
&=&
\sqrt[6]{2^6} \\[5pt]
&=&
2
\end{eqnarray}となります。【基本】累乗根で見た、 $\sqrt[n]{a^m}=\sqrt[np]{a^{mp} }$ といった関係式を使っています。
ただ、このように計算するよりも、有理数乗として計算するほうが考えやすいと思います。累乗を使って書けば、
\begin{eqnarray}
& &
2^{\frac{1}{2} }\times 32^{\frac{1}{6} }\div 8^{\frac{1}{9} } \\[5pt]
&=&
2^{\frac{1}{2} }\times (2^5)^{\frac{1}{6} }\times (2^3)^{-\frac{1}{9} } \\[5pt]
&=&
2^{\frac{3+5-2}{6} } \\[5pt]
&=&
2
\end{eqnarray}となります。
(2)も、累乗で書き直してから計算したほうがわかりやすいでしょう。
\begin{eqnarray}
& &
\dfrac{\sqrt[3]{2}\times \sqrt{3} }{ \sqrt[6]{6}\times \sqrt[3]{1.5} } \\[5pt]
&=&
\dfrac{2^{\frac{1}{3} }\times 3^{\frac{1}{2} }}{ 6^{\frac{1}{6} }\times 1.5^{\frac{1}{3} } } \\[5pt]
&=&
\dfrac{2^{\frac{1}{3} }\times 3^{\frac{1}{2} }}{ 2^{\frac{1}{6} }\times 3^{\frac{1}{6} } \times 3^{\frac{1}{3} }\times 2^{-\frac{1}{3} } } \\[5pt]
&=&
2^{\frac{1}{3}-\frac{1}{6}+\frac{1}{3} }
\times
3^{\frac{1}{2}-\frac{1}{6}-\frac{1}{3} } \\[5pt]
&=&
\sqrt{2}
\end{eqnarray}となります。
どちらも、【標準】指数の計算で出てきた計算です。累乗根の掛け算・割り算は、そのまま計算するよりも、有理数乗で考えたほうが計算しやすいでしょう。
おわりに
ここでは、累乗根の計算を見てきました。ルートのように計算したり、有理数乗に変形してから計算します。慣れるまでは時間がかかるので、計算の練習をしておきましょう。