【標準】正負の数と分配法則

ここでは、正の数や負の数を含む計算で、分配法則を使うと計算が簡単になる例をみます。「まとめると簡単になる」という例を見ていきます。

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分配法則の復習

【基本】正負の数と分配法則でも見た通り、分配法則とは、次のような計算ができることを言います。
\begin{eqnarray}
\bigcirc\times(\square+\triangle) &=& \bigcirc\times\square+\bigcirc\times\triangle \\[5pt] (\square+\triangle)\times\bigcirc &=& \square\times\bigcirc+\triangle\times\bigcirc \\[5pt] \end{eqnarray}○、□、△には、正の数でも負の数も $0$ でも、どんな数を入れても成り立ちます。これを利用すれば、例えば、 $24 \times\left(\dfrac{1}{12}-\dfrac{5}{8}\right)$ といった計算を、通分せずに
\begin{eqnarray}
& & 24 \times\left(\dfrac{1}{12}-\dfrac{5}{8}\right) \\[5pt] &=& 24 \times\dfrac{1}{12}-24 \times\dfrac{5}{8} \\[5pt] &=& 2-15 \\[5pt] &=& -13 \\[5pt] \end{eqnarray}と計算することができます。もちろん、カッコの中を通分して計算してもいいです。分配法則は、「こういう計算ができますよ」という内容であって、「絶対この通りに計算しないといけない」というものではありません。

この例の計算では、カッコでくくられた部分を、バラバラにするために分配法則を使っています。しかし、逆に、まとめるために分配法則を使うこともできます。次で、そのような例を見てみましょう。

まとめるために分配法則を使う

分配法則で出てきた式をもう一度見てみましょう。\[\bigcirc\times(\square+\triangle) = \bigcirc\times\square+\bigcirc\times\triangle\]これを「左辺から右辺に変形する」と見れば、「カッコの部分をバラバラにして計算する」ことになります。ただ、逆に、右辺から左辺に変形する、と見ることもできます。その場合は、「まとめて計算する」ことになります。まとめると計算が簡単になる例もあります。

例えば、算数のときに、次のような問題を解いたことがあるでしょう。下の図の青い部分の面積を求めてみましょう。中央の点は円の中心です。

大きい円の面積から小さい円の面積を引けば、ドーナツ型の青い部分の面積が求められます。円周率を $3.14$ とすると、\[ 3\times3\times3.14-2\times2\times3.14 \]を計算すればいいですね。しかし、 $3.14$ を掛ける計算を2回するのは面倒です。このような場合に、分配法則を使うと楽になります。分配法則を使ってまとめてから計算すると
\begin{eqnarray}
& & 3\times3\times3.14-2\times2\times3.14 \\[5pt] &=& (3\times3-2\times2)\times3.14 \\[5pt] &=& 5\times3.14 \\[5pt] &=& 15.7
\end{eqnarray}となり、 $15.7$ $\mathrm{ cm }^2$ と求められます。掛け算は1回で済みます。

負の数を使った場合でも、分配法則を使ってまとめて計算することができます。例題を解いてみましょう。

例題
次の計算をしましょう。

(1) $(-19)\times (-9)+(-19)\times 8$
(2) $49\times (-17)-13\times (-17)+64\times (-17)$

(1)は、 $-19$ を掛ける計算が2つあります。これをまとめることができます。
\begin{eqnarray}
& & (-19)\times (-9)+(-19)\times 8 \\[5pt] &=& (-19)\times \{(-9)+8\} \\[5pt] &=& (-19)\times (-1) \\[5pt] &=& 19
\end{eqnarray}となります。

(2)は、 $-17$ を掛ける計算が3つあります。3つ以上あっても、まとめることができます。
\begin{eqnarray}
& & 49\times (-17)-13\times (-17)+64\times (-17) \\[5pt] &=& (49-13+64)\times (-17) \\[5pt] &=& 100\times (-17) \\[5pt] &=& -1700
\end{eqnarray}と計算できます。

おわりに

ここでは、分配法則を使って、まとめて計算する方法を見てきました。分配法則を使う計算としては、バラバラにして計算するよりも少し気づきにくいですが、まとめると大幅に計算が楽になることもあるので、まとめられるときはまとめるようにしましょう。