【標準】比例を表す式
ここでは、比例を表す式に関連する問題を見ていきます。
表を埋める問題
$x$ | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 |
---|---|---|---|---|---|
$y$ | 6 | $A$ | $B$ | -3 | $C$ |
(1) $A$, $B$, $C$ の値を求めなさい。
(2) 比例定数を求めなさい。
(3) $y$ を $x$ の式で表しなさい。
比例することがわかっているので、【基本】比例の性質で見たように、 $x$ を2倍、3倍、…とすれば、 $y$ もそれにともなって2倍、3倍、…となっていきます。
今の場合、 $x$ を $1$ から $2$ へ2倍すると、対応する $y$ も2倍されます。よって、\[ C=-3\times 2=-6 \]となります。 $x$ を $-2$ から $-1$ へ $\dfrac{1}{2}$ 倍すると、対応する $y$ も $\dfrac{1}{2}$ 倍されるので、\[ A=6\times\frac{1}{2}=3 \]となります。また、 $x$ を $0$ 倍すると $y$ も $0$ 倍されるので、 $B=0$ です。これらが(1)の答えです。
(2) 【基本】比例を表す式で見たように、 $y$ が $x$ に比例するとき、比例定数を $a$ とすると、 $y=ax$ と表すことができます。 $x=1$ のときに $y=-3$ なので、これらを代入して、 $a=-3$ であることがわかります。
(3)は、比例定数が $-3$ だとわかったのだから、 $y=-3x$ となります。実際、この式の $x$ に上の表に出てきた値を代入すれば、 $y$ が求められることがわかります。
比例の式を求める問題
(1) $y$ を $x$ の式で表しなさい。
(2) $x=-12$ のときの $y$ の値を求めなさい。
【基本】比例を表す式で見たように、「比例する」ということから、 $y=ax$ と書けます(a は比例定数)。このことを利用し、問題の条件にあうように $a$ を求めれば、(1)は解けます。(2)は(1)で求めた式に代入するとわかります。解答は次のようになります。
答: $y=\dfrac{1}{3}x$
(2) $y=\dfrac{1}{3}x$ に $x=-12$ を代入すると\[ y=\frac{1}{3}\times(-12)=-4 \]となる。
答: $y=-4$
比例しているか判定する問題
(1) 斜辺以外の2つの辺の長さが $4$ cmと $x$ cm である直角三角形の面積を $y$ $\mathrm{cm}^2$ とする。
(2) 半径が $x$ cmの円の面積を $y$ $\mathrm{cm}^2$ とする。
(3) 原価が $x$ 円の商品に原価の2割の利益を見込んでつけた定価が $y$ 円である。
【基本】比例を表す式で見たように、 $y=ax$ の形に書けるかどうかをチェックします。
(1)は、 $y=4\times x \times \dfrac{1}{2}=2x$ です。 $y=ax$ の式で $a=2$ としたときの式になっており、比例するといえます。
(2)は、 $y=\pi x^2$ であり、 $a$ をどんな値にしても、 $y=ax$ を $y=\pi x^2$ にすることはできません。2乗が作り出せないからですね。「 $a=\pi x$ にすればいいのでは?」と思うかもしれませんが、 $a$ は、 $x$ や $y$ によって値の変わらない定数でなければいけないので、 $a$ に $x$ を含む式を入れることはできません。
このことから、比例するとはいえません。実際、 $x$ を2倍すると $y$ は4倍されます。比例していませんね。
(3)は、 利益分が $0.2x$ と表せるので、 $y=1.2x$ となります。 $a=1.2$ とすればいいので、比例すると言えます。
このように、 $y=ax$ の形にかけるかどうかで判断します。
変域を求める問題
(1) $y=3x$ で、 $x$ の変域が $-4\leqq x \leqq 5$ のとき、 $y$ の変域を答えなさい。
(2) $y=-5x$ で、 $x$ の変域が $1\lt x \lt 3$ のとき、 $y$ の変域を答えなさい。
変域とは、【基本】比例の性質で見たように、変数のとり得る値の範囲のことです。
(1)では、 $x$ に $3$ を掛けたものが $y$ です。比例定数が正なので、 $x$ が増えるほど $y$ は増えます。なので、 $y$ が一番小さくなるのは、 $x$ が一番小さいとき、つまり、 $x=-4$ のときです。このときの $y$ は $-12$ となります。
一方、 $x$ が一番大きいときに $y$ も一番大きくなります。 $x$ が一番大きいのは $x=5$ のときなので、対応する $y$ は $15$ となります。以上から、\[ -12 \leqq y \leqq 15 \]が答えとなります。
(2)は比例定数が負なので、 $x$ が大きくなるほど小さくなります。 $x=3$ とすると、 $y=-15$ であり、 $x=1$ とすると $y=-5$ となります。 $x$ は $1$ と $3$ の間の値をとるので、 $y$ も $-15$ と $-5$ の間の値をとります。以上から、\[ -15\lt y \lt -5 \]となります。こちらは、イコールがつかない点に注意しましょう。
なお、変域を求める問題は、比例のグラフを考える問題で、もう一度見ることにします。
おわりに
ここでは、比例に関連するいろんな例題を見ました。基本的には、 $y=ax$ の式を使って考えます。ここで見た問題は小学校でやった問題とも似ているものもあったでしょう。どれも典型的な問題なので、よく練習しましょう。