【標準】三角比と三角形の面積
【基本】三角比と三角形の面積で、 $\sin$ を使った三角形の面積の表し方を見ました。ここでは、3辺が与えられたときに三角形の面積を求める方法を見ていきます。
なお、辺 $\mathrm{AB}$, $\mathrm{BC}$, $\mathrm{CA}$ の長さを、それぞれ、 $c,a,b$ と書き、角 $\angle \mathrm{ CAB }$, $\angle \mathrm{ ABC }$, $\angle \mathrm{ BCA }$ の大きさを、それぞれ、 $A,B,C$ と書くことにします。
例題
【基本】三角比と三角形の面積では、2辺とその間の角(の $\sin$ )がわかっている場合に、面積を求めることができる、ということを見ました。しかし、この例題では、角度の情報が何もありません。
一方、3辺がわかっている場合は、余弦定理を使えば、 $\cos$ を求めることができるんでしたね(参考:【基本】余弦定理の基本的な使い方#例題3)。これと相互関係を使えば、 $\sin$ が出せるので、三角形の面積も出すことができます。この流れで解いていきます。
余弦定理より
\begin{eqnarray}
\cos A
&=&
\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc} \\[5pt]
&=&
\frac{6^2+7^2-5^2}{2\cdot 6\cdot 7} \\[5pt]
&=&
\frac{36+49-25}{2\cdot 6\cdot 7} \\[5pt]
&=&
\frac{60}{2\cdot 6\cdot 7} \\[5pt]
&=&
\frac{5}{7} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
三角比の相互関係から
\begin{eqnarray}
\sin A
&=&
\sqrt{1-\cos^2 A} \\[5pt]
&=&
\sqrt{1-\left(\frac{5}{7}\right)^2} \\[5pt]
&=&
\frac{\sqrt{7^2-5^2} }{7} \\[5pt]
&=&
\frac{2\sqrt{6} }{7}
\end{eqnarray}となります。
このことから、この三角形の面積は
\begin{eqnarray}
\frac{1}{2}bc\sin A
&=&
\frac{1}{2} \times 6\times 7\times \frac{2\sqrt{6} }{7} \\[5pt]
&=&
6\sqrt{6} \\[5pt]
\end{eqnarray}と求められます。
A を使って面積を求めましたが、もちろん、他の角の $\sin$ から求めても同じ答えになります。
おわりに
ここでは、3辺だけが与えられたときに、三角形の面積を求める問題を考えました。ステップとしては- 余弦定理を用いて $\cos$ を求める。
- 三角比の相互関係から $\sin$ を求める。
- 三角形の面積を求める公式を使う。