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【応用】一次方程式(文字が2つある問題)

ここでは、文字を2つ含む一次方程式で、片方の文字の値がわかる問題を考えていきます。

📘 目次

xについての方程式(解が与えられている場合)

このページでは、次のような問題を考えます。

例題1
$x$ についての方程式 $5x-4=3x+a+7$ の解が $x=4$ であるとき、 $a$ の値を求めなさい。

文字が2つ入っていて、今まで見た方程式とはちょっと違っていますね。まずは、問題文の意味から説明していきます。

「方程式」というのは、【基本】方程式とその解で見たように、「式の中の文字に代入する値によって、成り立ったり成り立たなかったりする等式」のことです。この問題では「 $x$ についての方程式」と書かれていますが、これは「 $x$ に代入する値によって、成り立ったり成り立たなかったりする等式」という意味です。

代入する値によって、等式が成り立つかどうかが変わりますが、成り立つ場合には、その値を方程式の解というのでした。この問題では、「 $x=4$ が解」となっていますが、これは「 $x=4$ をこの方程式に代入すると、等式が成り立つ」ということです。

$x$ と $a$ という2つの文字がありますが、この2つの文字は全然別物です。 $a$ のことはしばらく忘れて、 $x$ に注目して考えていきます。 $x=4$ を代入すれば等式が成り立つのだから、代入して計算してみましょう。
\begin{eqnarray} 5\times 4-4 &=& 3 \times 4+a+7 \\[5pt] 16 &=& a+19 \\[5pt] \end{eqnarray}代入して数字の部分を計算しました。こうすると、 $a$ についての方程式が得られます。今度は注目する文字を変えて、 $a$ に注目して考えていきます。文字が変わっても、方程式を解く方法は同じで、【基本】一次方程式の解き方で見た変形を繰り返していきます。 \begin{eqnarray} 16 &=& a+19 \\[5pt] a+19 &=& 16 \\[5pt] a &=& 16-19 \\[5pt] &=& -3 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。こうして、 $a=-3$ だと求められます。これが答えです。

実際、 $5x-4=3x+a+7$ に、 $x=4$ と $a=-3$ を代入してみると、左辺は $16$ であり、右辺は\[ 3\times 4+(-3)+7=16 \]となるため、たしかに等式が成り立つことがわかります。

文字が2つあると考えづらいですが、注目する文字を切り替えて考えていけば解くことができるでしょう。

xについての方程式(解が与えられていない場合)

例題2
$x$ についての方程式 $1.5x+0.6=-1.7x-1$ と $\dfrac{1-4ax}{6}=\dfrac{1}{3}x-a+1$ の解が同じであるとき、 $a$ の値を求めなさい。

今回は、先ほどの問題とは違って、解が与えられてないですね。 $x$ が何かがわかりません。しかし、2つの方程式をよく見てみましょう。1つ目に含まれている文字は $x$ だけなので、これを解けば、 $x$ の値がわかります。そうすれば、先ほどの例題と同じようにして解くことができます。

まずは、1つ目の方程式を解きましょう。両辺を $10$ 倍して計算します。
\begin{eqnarray} 1.5x+0.6 &=& -1.7x-1 \\[5pt] 15x+6 &=& -17x-10 \\[5pt] 15x+17x &=& -10-6 \\[5pt] 32x &=& -16 \\[5pt] x &=& -\dfrac{1}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。1行目から2行目に変形する際、 $-1$ も $10$ 倍することに注意しましょう。他は小数なので掛け忘れることは少ないですが、途中に整数があると掛け忘れてしまうことがあります。

1つ目の方程式と2つ目の方程式の解が同じであることから、2つ目の方程式に $x=-\dfrac{1}{2}$ を代入すると等式が成り立ちます。2つ目の方程式は分数を含んでいるため、この状態で代入すると計算が面倒なので、整数の形にしてから代入した方がいいです。2つ目の方程式の両辺に $6$ を掛けて計算すると、次のようになります。
\begin{eqnarray} \dfrac{1-4ax}{6}\times 6 &=& \left(\dfrac{1}{3}x-a+1\right)\times 6 \\[5pt] 1-4ax &=& 2x-6a+6 \\[5pt] \end{eqnarray}こうしてから、 $x=-\dfrac{1}{2}$ を代入すれば、次のように計算できます。ここから先は、 $a$ の方程式と考えて計算していきます。 \begin{eqnarray} 1-4a\times\left(-\dfrac{1}{2}\right) &=& 2\times\left(-\dfrac{1}{2}\right)-6a+6 \\[5pt] 1+2a &=& -1-6a+6 \\[5pt] 2a+6a &=& -1+6-1 \\[5pt] 8a &=& 4 \\[5pt] a &=& \frac{1}{2} \\[5pt] \end{eqnarray}このようにして、 $a=\dfrac{1}{2}$ だと求められます。

おわりに

ここでは、一次方程式に文字が2つあり、片方の値がわかっている問題を考えました。1つ目の例題では、 $x$ の値が与えられている場合で、2つ目の例題では、方程式を解けば $x$ の値がわかる、という場合でした。文字が2つあるとわかりにくいですが、今はどの文字に着目して考えているかを意識するようにしましょう。

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