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【応用】比例を表す式

ここでは、少し変わった条件から比例の式を考える問題を見ていきます。

📘 目次

少し変わった条件の比例

例題1
$y-1$ は $x+3$ に比例し、 $x=1$ のとき $y=3$ です。 $y=2$ となるときの $x$ の値を求めなさい。

【基本】比例を表す式以降では、「yx に比例する」という状況でしたが、今回は少し違っていますね。 $y-1$ は $x+3$ に比例する、という状況です。こういう場合はどう考えればいいでしょうか。

1つの考え方は、別の文字を利用する、という方法です。 $Y=y-1$, $X=x+3$ とすれば、「 $Y$ は $X$ に比例する」と言い換えられます。このことから、比例定数を $a$ として、 $Y=aX$ と書けることがわかります。ここで、もとの $x,y$ に戻すと、\[ y-1=a(x+3) \]となります。この式を利用して考えていくことができます。

別の考え方は、「片方を2倍、3倍、…すると、もう片方も2倍、3倍、…とともなって変化する」ことを利用する方法です。このことから、比の値が一定であることがわかります。この値を $a$ とし、 $x+3\ne 0$ とすると、\[ \dfrac{y-1}{x+3}=a \]と書けることがわかります。このことから、先ほどと同じ式 $y-1=a(x+3)$ が得られます。 $x+3=0$ のときは $y-1=0$ なので、この式で表せていることがわかります。

どちらの考え方でも、 $x,y$ の関係式は、\[ y-1=a(x+3) \]と表すことができます。 $x=1$ のときに $y=3$ なので、
\begin{eqnarray} 3-1 &=& a(1+3) \\[5pt] a &=& \frac{1}{2} \end{eqnarray}であることがわかります。よって、 $y-1=\dfrac{1}{2}(x+3)$ が成り立ちます。 $y=2$ となるときを求めればいいので、 \begin{eqnarray} 2-1 &=& \dfrac{1}{2}(x+3) \\[5pt] 2 &=& x+3 \\[5pt] x &=& -1 \\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。

変域から比例の式を求める

例題2
$y$ は $x$ に比例し、 $x$ の変域が $-2\leqq x \leqq 2$ のとき、 $y$ の変域は $-6 \leqq y \leqq 6$ です。このとき、 $y$ を $x$ の式で表しなさい。

$2$ と $6$ とを見て、 $y=3x$ じゃないか、と思うかもしれませんが、それはひっかけです。

比例のグラフを思い出してみるといいかもしれません。【標準】比例のグラフの後半で見たように、比例定数が正か負かで、グラフが右肩上がりになるか、右肩下がりになるかがわかれます。右肩上がりであれば、 $y=3x$ ですが、右肩下がりのケースを忘れてはいけません。

そこで、2つに場合を分けて考えましょう。比例定数が正のときと負のときとで状況が異なるので、それぞれの場合について考えていきます。

$y$ が $x$ に比例するので、 $y=ax$ と書けます( $a$ は比例定数)。 $a\gt 0$ のときは、 $x$ が増えるほど $y$ も増え、グラフは右肩上がりの直線になります。変域を考えると、次のようなグラフになります。

このことから、 $x=2$ のとき $y=6$ なので、 $a=3$ だとわかり、 $y=3x$ と求められます。

一方、 $a\lt 0$ のときは、 $x$ が増えるにつれて $y$ は減り、グラフは右肩下がりの直線になります。変域を考えると、次のようなグラフになります。

このことから、 $x=2$ のときに $y=-6$ なので、 $a=-3$ だとわかります。よって、 $y=-3x$ となります。

2つとも条件を満たすので、2つとも答えになります。答えは、 $y=3x$ と $y=-3x$ です。両方を答えないと正解にはなりません。

おわりに

ここでは、少し変わった条件から比例の式を考える問題を見てきました。特に、後半では、右肩上がりの直線だと思い込んでしまうことが多いので注意しましょう。

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