【基本】循環小数の表し方
【基本】実数の分類 という記事の中で、有理数の分類を行いました。有理数は、整数、有限小数、循環小数の3つに分かれる、という話をしました。
この記事では、「循環小数」の話、特に「循環小数の表し方」の話をしていきます。
循環小数の例
「循環小数」(repeating decimal)とは、ある桁から先で、同じ数字の列が繰り返されている小数のことです。例えば、\[ \displaystyle \frac{1}{3}=0.333\cdots \]は、循環小数です。小数第1位からずっと3が続いていますね。
複数の数字が循環していてもかまいません。例えば、\[ \displaystyle \frac{7}{999}=0.007007007\cdots \]も循環小数です。「007」が繰り返されていますね。
また、途中から循環しているものもOKです。例えば、次を見てみましょう。\[ \displaystyle \frac{7}{22}=0.318181818\cdots \]小数第2位以降で「18」が繰り返されています。このように途中から循環しているものも、循環小数と呼びます。
つまり、どこからでもいいので、ある桁から先で同じ数字が繰り返されていたら、それは「循環小数」ということなんですね。
循環小数の表し方
循環小数の例を挙げてみましたが、「…」という表現はちょっとあいまいですよね。「0.333…」でも「3がずっと続いていくよ」というニュアンスはわかるのですが、もっと厳密に書けたほうがいいです。
循環小数を表現する方法はいくつかあるのですが、一番メジャーなものは「循環する数字の上に点を書く」という方法です。例えば、$0.333\cdots$の場合はこう書きます。\[ 0.333\cdots = 0.\dot{ 3 } \]右の表現だけで、「0. の後はずっと3が続いていく」ということを表します。
1つの数字が続いていくのではなくて、複数の数字が繰り返されていくという場合には、繰り返される部分の最初と最後の数字の上に点を書きます。つまり、\[ 0.007007007\cdots=0.\dot{ 0 } 0 \dot{ 7 } \]となります。これで、「0. の後は、007がずっと繰り返される」という意味になります。
繰り返しが途中から始まる場合は、次のように書きます。\[ 0.318181818\cdots = 0.3\dot{ 1 } \dot{ 8 } \]これで、「0.3 の後は、18がずっと繰り返される」という意味になります。
循環小数の表し方 その他の流儀
循環小数の表し方を紹介しましたが、人によって、教科書によっては、別の表記方法を採用している場合があります。
例えば、次のように上線や下線で、循環小数を表現する場合もあります。\[ 0.3\overline{ 18 }, \quad 0.3\underline{ 18 } \]といった具合です。これらも $0.3\dot{ 1 } \dot{ 8 }$ と同じことです。
試験や入試では、多くの場合、「数字の上に点を書く」表記が使われます。また、他の表記方法で出題される場合は、「循環小数」であることが明記されているはずです。
おわりに
ここでは、循環小数をどのように表すのかを見ました。記号を見て、どのような小数を表しているのか、わかるようになりましょう。