【基本】整式の加法と減法
ここでは、整式の加法・減法について、まとめていきます。中学校で習ったことの復習です。
計算の法則
数式の計算では、次の法則が成り立ちます。
【交換法則】
$A+B=B+A$
【結合法則】
$(A+B)+C=A+(B+C)$
交換法則(commutative property) は、「入れ替えても同じ」ということです。マイナスの符号がついているときは、符号ごと入れ替えないといけないことに注意が必要です。つまり、「$A-B$」の場合は、「$A-B=-B+A$」になるということですね。計算間違いしやすいポイントです。
結合法則(associative property) は、「計算する順番を変えても同じ」ということです。計算する順番を変えても、答えには影響しません。
これらは、数の計算では成り立ちますが、整式の計算でも成り立ちます。法則の名前を覚える必要は特にありませんが、計算はできるようになりましょう。計算方法を覚えるというよりも、「計算しやすいように使いこなせるようになる」のが理想です。
整式の加法と減法
整式同士の和や差は、同類項をまとめるだけです。
例えば、「$3x^2+x-1$」と「$5x+2$」の和と差は、それぞれ次のようになります。
\begin{eqnarray}
& &
(3x^2+x-1)+(5x+2) \\
&=&
3x^2+(1+5)x+(-1+2) \\
&=&
3x^2+6x+1 \\
\\
& &
(3x^2+x-1)-(5x+2) \\
&=&
3x^2+x-1 -5x-2 \\
&=&
3x^2+(1-5)x+(-1-2) \\
&=&
3x^2 -4x -3 \\
\end{eqnarray}差の方は、カッコの前の「$-1$」をかっこの中全体に掛けることを忘れないようにしましょう。「2項目以降に掛け忘れる」という間違いが多いので注意しましょう。
整式の加法と減法その2
整式同士の和や差について、少し応用したものも紹介します。
分母の違う分数の計算と同様に、まずは通分してから計算します。
\begin{eqnarray}
& & \frac{x^2+x}{2} -\frac{x^2+x-1}{3} \\[5pt]
&=&
\frac{3(x^2+x) -2(x^2+x-1)}{6} \\[5pt]
&=&
\frac{ 3x^2 +3x -2x^2 -2x +2 }{6} \\[5pt]
&=&
\frac{ x^2 +x +2 }{6} \\
\end{eqnarray}このようになります。カッコの前のマイナスには注意しましょう。
また、次のようなパターンの問題もあります。
いきなり正直に代入してはいけません。代入してから式を整理するのは大変なので、まずは代入先の式を整理することを考えます。
\begin{eqnarray}
& &
3A-\{ 2(A+B) -B\} \\
&=&
3A-( 2A+2B -B) \\
&=&
3A-( 2A+B) \\
&=&
3A-2A-B \\
&=&
A-B \\
\end{eqnarray}このように変形できます。こうしてから代入するほうが計算が楽ですね。代入すると、次のようになります。
\begin{eqnarray}
& &
A-B \\
&=&
(x^2+2x+2)-(3x^2-x-3) \\
&=&
x^2+2x+2-3x^2+x+3 \\
&=&
-2x^2 +3x +5 \\
\end{eqnarray}代入するときは、カッコをつけるようにすると、符号の間違いが減るでしょう。
おわりに
ここでは、整式の加法・減法について見てきました。特に、マイナスの扱いには注意して計算しましょう。
整式の和や差は整式になりますが、整式同士の積も整式となります。整式の乗法は、【基本】整式の乗法で見ていきます。