【基本】約数と倍数

ここでは、約数と倍数に関する復習をしていきます。

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約数と倍数

小学生のときにも約数と倍数の話が出てきました。なので、ほとんどがすでに知っている内容ですが、1つだけ大きな違いがあります。それは、中学のときに、負の数を学んだ影響がある、という点です。

$1,2,3,\cdots$ という数を、自然数といいます。これに、 $0$ と $-1,-2,-3.\cdots$ とを合わせて、整数といいます。自然数のことを正の整数、 $-1,-2,-3,\cdots$ のことを負の整数とも言います。

2つの整数 a, b について、\[ a=bk \]を満たす整数 $k$ があるとき、 ba約数(divisor) であるといい、 ab倍数(multiple) である、といいます。約数も倍数も、負の整数の場合がありえる、ということに注意しましょう。

例えば、 $6$ の約数は、 $1,2,3,6$ だけでなく、 $-1,-2,-3,-6$ を合わせた8個、となります。今後、単純に「約数」と書いた場合は、負の場合も考慮することに注意しましょう。正の整数に限定する場合は、「正の約数」という言い方をします。

倍数も同じで、 $2$ の倍数というのは、 $2,4,6,8$ などがありますが、 $0$ や $-2,-4,-6,-8$ なども $2$ の倍数です。正の整数だけではありません。

なお、2の倍数のことを偶数といい、偶数ではない整数のことを奇数といいます。偶数も奇数も、正の整数だけでないことに注意しましょう。

倍数であることを示す問題

整数に関する問題では、倍数であることを示す問題によく出くわします。証明の方法はたくさんありますが、一番オーソドックスな方法は、倍数の定義通り、積の形で書けることを示す方法です。次の例題で見てみましょう。

例題
a, b は整数とする。以下のことを示しなさい。
(1) a, b が3の倍数なら、 $a+b$, $a-b$ は3の倍数である。
(2) $a-b$ が3の倍数なら、 $a^2-b^2$ は3の倍数である。

まず、(1)は、 $a,b$ が3の倍数だという条件から、 $a=3m$, $b=3n$ となる整数 $m,n$ が存在することがわかります。倍数の定義そのままです。これより、\[ a+b=3m+3n=3(m+n) \]となります。 $m+n$ は整数なので、これは $a+b$ が3の倍数であることを表しています。また、\[ a-b=3(m-n) \]であり、 $m-n$ は整数だから、 $a-b$ が3の倍数になることもわかります。

このように、3の倍数であることを示すために、3と整数との積であることを示す、というのが基本的な流れです。ただ、いつもこの方法でできるわけではなく、他にもいろいろやり方があります。他の方法については、今後順番に学んでいくことになるでしょう。

(2)は、条件より、 $a-b=3M$ となる整数 $M$ が存在します。 $a^2-b^2$ は、因数分解をして次のように変形できます。\[ a^2-b^2=(a-b)(a+b)=3M(a+b) \]ここで、 $M(a+b)$ は整数だから、最後の式は、 $3$ と整数との積となるので、 $a^2-b^2$ は3の倍数であることがわかります。

因数分解の公式は、このように、整数の積に分解するときにも役立ちます。

おわりに

ここでは、約数と倍数に関してみてきました。負の場合も忘れないようにしましょう。また、倍数であることを示す、典型的な方法についても見ました。今後、いろいろなやり方を身につけていきましょう。