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【基本】集合と要素に関する、まぎらわしい話

【基本】集合とその表し方【基本】部分集合で集合や要素に関する用語や記号を紹介してきました。ここでは、「集合」に関するまぎらわしいポイントや注意点をまとめていきます。

📘 目次

1つの集合に同じ要素は入れない

1つの集合に同じ要素をいくつも書くことはありません。例えば $\{1,2,3,2\}$ というような集合の書き方はしません。重複するものを除いて $\{1,2,3\}$ と書きます。

集合の要素の順番は関係ない

集合の要素の順番は関係ありません。例えば $\{1,2\}$ と$\{2,1\}$ という2つの集合は、要素の順番が違いますが、集合としては同じものです。「集合が同じかどうか」は「集合の要素が一致しているかどうか」だけで判断します。

1つの要素からなる集合

集合の中には、「1つの要素からなる集合」というものがあります。例えば $\{1\}$ というのは、「1」という要素だけから構成される「集合」です。波かっこでくくられていることが、「集合」であることを表しています。

まぎらわしいですが $1$ と $\{1\}$ は意味が違います。前者は「1」という数で、後者は集合です。

例えば、T.M.Revolutionのメンバーは西川貴教だけなんですね。T.M.Revolutionのように、一人だけからなるグループが、上で書いた「$\{1\}$」にあたります。

要素として考えるか集合として考えるかは、個人として考えるかグループとして考えるか、に似た違いがあります。

「属する」と「含む」の違い

「属する, $\in$ 」と「含む, $\subset$ 」も少しまぎらわしいです。違いは、「属する」は、要素と集合の関係、「含む」は、集合と集合の関係、という点です。

例えば、Aさんが陸上部に入っているとすると、Aさんは「陸上部員の集合」に属するので、「Aさん $\in$ 陸上部員の集合」となります。また、Aさんは生徒でもあるので、「Aさん $\in$ 生徒の集合」とも書けます。

一方、「陸上部員の集合 $\in$ 生徒の集合」とは書けません。集合と集合の関係では、「属する」ではなく「含む」を使います。「陸上部員の集合は、生徒全員に含まれる」「陸上部員全員 $\subset$ 生徒全員」となります。

数学で言えば、 $1\in\{1,2\}$ や $\{1\}\subset\{1,2\}$ は正しいです。しかし、 $\{1\}\in\{1,2\}$ や $1\subset\{1,2\}$ とは書きません。メンバー(要素)の話をしているのか、グループ(集合)の話をしているのか、よく考えて記号を使わないといけません。

おわりに

ここでは、集合に関するまぎらわしい話について書いてきました。ここで挙げたことには、わかりにくいこともいくつか含まれていますが、集合を扱っていくうえで徐々に慣れていくといいでしょう。

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