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東京大学 文系 2020年度 第3問 解説

問題編

問題

 O を原点とする座標平面において、放物線\[ y=x^2-2x+4 \]のうち $x\geqq 0$ を満たす部分を $C$ とする。

(1) 点 P が $C$ 上を動くとき、 O を端点とする半直線 OP が通過する領域を図示せよ。

(2) 実数 $a$ に対して、直線\[ l: \ y=ax \]を考える。次の条件を満たす $a$ の範囲を求めよ。

 $C$ 上の点 A と $l$ 上の点 B で3点 O, A, B が正三角形の3頂点となるものがある。

考え方

(1)は、領域の一番端の部分がどういう状況なのかを考えましょう。

(2)は、 B の場所がわからなくても、 OB の傾きがわかればいいことに注意しましょう。角度に注目するのがわかりやすいでしょう。


解答編

問題

 O を原点とする座標平面において、放物線\[ y=x^2-2x+4 \]のうち $x\geqq 0$ を満たす部分を $C$ とする。

(1) 点 P が $C$ 上を動くとき、 O を端点とする半直線 OP が通過する領域を図示せよ。

解答

(1)
$y=x^2-2x+4$ と $y=bx$ が接することは $x^2-(2+b)x+4=0$ が重解を持つことと同値である。
\begin{eqnarray} (2+b)^2-4\cdot 4 &=& 0 \\[5pt] b^2+4b-12 &=& 0 \\[5pt] (b-2)(b+6) &=& 0 \\[5pt] b &=& 2,-6 \end{eqnarray}である。 $x\geqq 0$ の範囲で接するのは $y=2x$ であるので、半直線 OP が通過する領域は以下の色のついた部分(境界を含む)となる。

(終)

解答編 つづき

問題

(2) 実数 $a$ に対して、直線\[ l: \ y=ax \]を考える。次の条件を満たす $a$ の範囲を求めよ。

 $C$ 上の点 A と $l$ 上の点 B で3点 O, A, B が正三角形の3頂点となるものがある。

解答

(2)
A は $C$ 上の点とする。 $x$ 軸の正の向きと OP とのなす角を $\theta$ とする( $\theta$ は $0$ より大きく $\dfrac{\pi}{2}$ となるようにとる )。

このとき、 O を中心に A を $60^{\circ}$ 回転して得られる点を B とすれば、3点 O, A, B は正三角形の3頂点となる。

$\alpha$ を $\tan\alpha=2$ を満たす鋭角とする。点 A が $C$ 上を動くとき、 $\theta$ は $\alpha$ 以上 $\dfrac{\pi}{2}$ 以下のすべての値をとる。よって、 $x$ 軸の正の向きと OB のなす角は、 $\alpha-\dfrac{\pi}{3}$ 以上 $\dfrac{\pi}{6}$ の値と $\alpha+\dfrac{\pi}{3}$ 以上 $\dfrac{5}{6}\pi$ のすべての値をとる。

\begin{eqnarray} & & \tan \left(\alpha-\dfrac{\pi}{3}\right) \\[5pt] &=& \frac{\tan\alpha-\tan\dfrac{\pi}{3} }{ 1+\tan\alpha\tan\dfrac{\pi}{3} } \\[5pt] &=& \frac{2-\sqrt{3} }{ 1+2\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \frac{(2-\sqrt{3})(2\sqrt{3}-1)}{ 11 } \\[5pt] &=& \frac{-2-6+(4+1)\sqrt{3} }{ 11 } \\[5pt] &=& \frac{-8+5\sqrt{3} }{ 11 } \\[5pt] \end{eqnarray}であり、 \begin{eqnarray} & & \tan \left(\alpha+\dfrac{\pi}{3}\right) \\[5pt] &=& \frac{\tan\alpha+\tan\dfrac{\pi}{3} }{ 1-\tan\alpha\tan\dfrac{\pi}{3} } \\[5pt] &=& \frac{2+\sqrt{3} }{ 1-2\sqrt{3} } \\[5pt] &=& \frac{(2+\sqrt{3})(1+2\sqrt{3})}{ -11 } \\[5pt] &=& -\frac{2+6+(4+1)\sqrt{3} }{ 11 } \\[5pt] &=& -\frac{8+5\sqrt{3} }{ 11 } \\[5pt] \end{eqnarray}だから、 $a$ の範囲は次のようになる。\[ \frac{-8+5\sqrt{3} }{ 11 }\leqq a\leqq \dfrac{1}{\sqrt{3} },\ -\frac{8+5\sqrt{3} }{ 11 }\leqq a\leqq -\dfrac{1}{\sqrt{3} } \]

(終)

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