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東京大学 文系 2015年度 第2問 解説

問題編

【問題】
座標平面上の2点A(-1,1), B(1,-1)を考える。また、Pを座標平面上の点とし、そのx座標の絶対値は1以下であるとする。次の条件(i)または(ii)をみたす点Pの範囲を図示し、その面積を求めよ。

(i) 頂点のx座標の絶対値が1以上の2次関数のグラフで、点A, P, Bをすべて通るものがある。
(ii) 点A, P, Bは同一直線上にある。

【考え方】
(i)について、まずは条件を満たす2次関数があるなら、どういう条件が必要かを考えます。$ax^2+bx+c$が条件を満たすとすると、AとBを通ることから条件が2つ出てきます。このことから、この2次関数は$a$だけの式で書けるようになります。

続いて、「頂点の$x$座標の絶対値が1以上」という条件を考えます。これと点Pを通るという条件から、点Pが満たすべき条件が出てきます。

(ii)は、よく考えると「点Pは線分AB上にある」ということだとわかります。この条件の意味は、(i)を考えていくと最終的にわかるようになっています。


解答編

【問題】
座標平面上の2点A(-1,1), B(1,-1)を考える。また、Pを座標平面上の点とし、そのx座標の絶対値は1以下であるとする。次の条件(i)または(ii)をみたす点Pの範囲を図示し、その面積を求めよ。

(i) 頂点のx座標の絶対値が1以上の2次関数のグラフで、点A, P, Bをすべて通るものがある。
(ii) 点A, P, Bは同一直線上にある。

【解答】
まず、条件(i)を満たす場合を考える。

(i)を満たす2次関数を$f(x)=ax^2+bx+c$とおく($a\neq 0$)。これが点Aと点Bを通るので、次の式が成り立つ。
\begin{eqnarray} 1&=&a-b+c \ \ \cdots (1)\\ -1&=&a+b+c \ \ \cdots (2) \end{eqnarray} (1)-(2)より、$b=-1$がわかる。これを(1)に代入して、$c=-a$が得られる。よって、$f(x)=ax^2-x-a$と書ける。

この2次関数の頂点の$x$座標は $\frac{1}{2a}$ であり、条件(i)よりこの絶対値が1以上となることから、
\begin{eqnarray} 0 \lt a \leqq \frac{1}{2} \quad \cdots (3) \\[5pt] -\frac{1}{2} \leqq a \lt 0 \quad \cdots (4) \end{eqnarray}のどちらかが成り立つ。

点Pの座標を$(p,q)$とする(条件より、$|p| \leqq 1$)。条件(i)より、$q=f(p)$が成り立つ。$p\ne\pm 1$のときは
\begin{eqnarray} q&=&ap^2-p-a \\ (p^2-1)a&=&p+q \\ a &=& \frac{p+q}{p^2-1} \end{eqnarray} である。$|p|\lt 1$から$p^2-1\lt 0$であることに注意すると、(3)は次のように変形できる。
\begin{eqnarray} & & 0 \lt \frac{p+q}{p^2-1} \leqq \frac{1}{2} \\[5pt] & & \frac{1}{2} (p^2-1) \leqq p+q \lt 0 \\[5pt] & & \frac{1}{2} (p^2-2p-1) \leqq q \lt -p \quad \cdots (5) \end{eqnarray}

また、(4)は次のように変形できる。
\begin{eqnarray} & & -\frac{1}{2} \leqq \frac{p+q}{p^2-1} \lt 0 \\[5pt] & & 0 \lt p+q \leqq -\frac{1}{2}(p^2-1) \\[5pt] & & -p \lt q \leqq -\frac{1}{2}(p^2+2p-1) \quad \cdots (6) \end{eqnarray}

$p=\pm 1$のときは、$q=f(p)=ap^2-p-a$から$q=-p$が得られる。この式を(7)とおく。

次に、条件(ii)を満たす場合を考える。この時、ABの式は$y=-x$なので、$q=-p$となる($-1\leqq p \leqq 1$)。この式を(8)とおく。

求める範囲は、(5)~(8)を合わせた領域となる。なお、(7)は(8)に含まれている。また、
\begin{eqnarray} \frac{1}{2} (x^2-2x-1) &=& \frac{1}{2} (x-1)^2 -1 \\[5pt] -\frac{1}{2}(x^2+2x-1) &=& -\frac{1}{2} (x+1)^2 +1 \end{eqnarray}である。

以上のことから、求める範囲を図示すると、次の通りとなる。ただし、境界線を含む。

また、求める面積は
\begin{eqnarray} & & \int _{-1}^{1} \left\{ -\frac{1}{2}(x^2+2x-1) - \frac{1}{2} (x^2-2x-1) \right\} dx \\[5pt] &=& \int _{-1}^{1} ( -x^2 +1 ) dx \\[5pt] &=& \left[ -\frac{x^3}{3} +x \right]_{-1}^{1} \\[5pt] &=& \left( -\frac{1}{3} +1 \right) - \left( \frac{1}{3} -1 \right) \\[5pt] &=& \frac{4}{3} \end{eqnarray}となる。

【解答終】

【解説】
答えはわりとシンプルになりますが、途中で細かい議論が必要となるのでなかなかしんどいです。aが0じゃないとか、pが$\pm 1$かどうかで状況が変わったりとか。範囲を求めるのはそれほど大変ではないですが、ちゃんと説明するのは大変です。

(ii)は線分ABのことですが、これがないと、求める領域に斜めの空白線ができてしまいます。これを埋めるための条件が(ii)だったんですね。

ちなみに、(i)で$a=0$とすると、$q=f(p)$から$q=-p$が得られます。これは(ii)の条件と一致します。つまり、(i)でaを0に近づけていった極限が(ii)と考えることができます(頂点のx座標は∞や-∞に飛んでいく)。つまり、本質的には(i)も(ii)も同じような条件だと考えられます。なので、求める領域もきれいに合わせることができるんですね。

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