共通テスト 数学II・数学B 2023年度 第2問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
(1) $k$ を正の定数とし、次の3次関数を考える。\[ f(x)=x^2(k-x) \]
$y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との共有点の座標は $(0,0)$ と $\left(\dBox{ア},0\right)$ である。
$f(x)$ の導関数 $f'(x)$ は\[ f'(x)=\myBox{イウ}x^2+\myBox{エ}kx \]である。
$x=\dBox{オ}$ のとき、 $f(x)$ は極小値 $\dBox{カ}$ をとる。
$x=\dBox{キ}$ のとき、 $f(x)$ は極大値 $\dBox{キ}$ をとる。
また、 $0\lt x\lt k$ の範囲において $x=\dbox{キ}$ のとき $f(x)$ は最大となることがわかる。
$\dbox{ア}$, $\dbox{オ}$ ~ $\dbox{ク}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $0$
1: $\dfrac{1}{3}k$
2: $\dfrac{1}{2}k$
3: $\dfrac{2}{3}k$
4: $k$
5: $\dfrac{3}{2}k$
6: $-4k^2$
7: $\dfrac{1}{8}k^2$
8: $\dfrac{2}{27}k^3$
9: $\dfrac{4}{27}k^3$
a: $\dfrac{4}{9}k^3$
b: $4k^3$
(2) 後の図のように底面が半径 $9$ の円で高さが $15$ の円錐に内接する円柱を考える。円柱の底面の半径と体積をそれぞれ $x,V$ とする。 $V$ を $x$ の式で表すと\[ V=\dfrac{\myBox{ケ}}{\myBox{コ}} \pi x^2\left(\myBox{サ}-x\right) \quad(0\lt x\lt 9) \]である。(1)の考察より、 $x=\myBox{シ}$ のとき $V$ は最大となることがわかる。 $V$ の最大値は $\myBox{スセソ}\pi$ である。
考え方
前半は、微分に関するよくある問題です。後半は、前半の計算をうまく使い回して省力化して求めましょう。
【必答問題】
解答編
問題
(1) $k$ を正の定数とし、次の3次関数を考える。\[ f(x)=x^2(k-x) \]
$y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との共有点の座標は $(0,0)$ と $\left(\dBox{ア},0\right)$ である。
$f(x)$ の導関数 $f'(x)$ は\[ f'(x)=\myBox{イウ}x^2+\myBox{エ}kx \]である。
$x=\dBox{オ}$ のとき、 $f(x)$ は極小値 $\dBox{カ}$ をとる。
$x=\dBox{キ}$ のとき、 $f(x)$ は極大値 $\dBox{キ}$ をとる。
また、 $0\lt x\lt k$ の範囲において $x=\dbox{キ}$ のとき $f(x)$ は最大となることがわかる。
$\dbox{ア}$, $\dbox{オ}$ ~ $\dbox{ク}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)
0: $0$
1: $\dfrac{1}{3}k$
2: $\dfrac{1}{2}k$
3: $\dfrac{2}{3}k$
4: $k$
5: $\dfrac{3}{2}k$
6: $-4k^2$
7: $\dfrac{1}{8}k^2$
8: $\dfrac{2}{27}k^3$
9: $\dfrac{4}{27}k^3$
a: $\dfrac{4}{9}k^3$
b: $4k^3$
解説
$f(x)=x^2(k-x)$ なので、$f(x)=0$ とすると $x=0,k$ です。なので、 $y=f(x)$ と $x$ 軸との共有点は $(0,0)$ と $(k,0)$ です。
$f(x)=-x^3+kx^2$ なので、\[ f'(x)=-3x^2+2kx \]となります。 $f'(x)=0$ の解は $x=0,\dfrac{2k}{3}$ であり、増減表は次のようになります。
\begin{array}{c|ccccc} x & \cdots & 0 & \cdots & \dfrac{2k}{3} & \cdots \\ \hline f'(x) & - & 0 & + & 0 & - \\ \hline f(x) & \searrow & & \nearrow & & \searrow & \end{array}これより、 $x=0$ のときに $f(x)$ は極小値 $0$ をとることがわかります。また、 $x=\dfrac{2}{3}k$ のときに極大値をとることがわかります。その値は
\begin{eqnarray}
& &
-\left(\frac{2}{3}k\right)^3+k\left(\frac{2}{3}k\right)^2 \\[5pt]
&=&
-\frac{8k^3}{27}+\frac{4k^3}{9} \\[5pt]
&=&
\frac{4k^3}{27} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。また、問題文にあるように、 $0\lt x\lt k$ の範囲では、 $x=\dfrac{2k}{3}$ のときに $f(x)$ が最大となることもわかります。
解答
ア:4 (1点)イウエ:-32 (3点)
オ:0 (1点)
カ:0 (1点)
キ:3 (1点)
ク:9 (1点)
解答編 つづき
問題
(2) 後の図のように底面が半径 $9$ の円で高さが $15$ の円錐に内接する円柱を考える。円柱の底面の半径と体積をそれぞれ $x,V$ とする。 $V$ を $x$ の式で表すと\[ V=\dfrac{\myBox{ケ}}{\myBox{コ}} \pi x^2\left(\myBox{サ}-x\right) \quad(0\lt x\lt 9) \]である。(1)の考察より、 $x=\myBox{シ}$ のとき $V$ は最大となることがわかる。 $V$ の最大値は $\myBox{スセソ}\pi$ である。
解説
(2)
円柱の高さを $h$ とすると、 $x:(15-h)=9:15$ なので、
\begin{eqnarray}
15x &=& 9(15-h) \\[5pt]
9h &=& 135-15x \\[5pt]
h &=& 15-\frac{5}{3}x \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。よって、円柱の体積は
\begin{eqnarray}
V
&=&
\pi x^2 \cdot h \\[5pt]
&=&
\pi x^2 \left( 15-\frac{5}{3}x \right) \\[5pt]
&=&
\frac{5}{3}\pi x^2 \left( 9-x \right) \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
(1)で考えたように、 $x=\frac{2}{3}k$ のとき、つまり、今の場合は $k=9$ なので $x=6$ の場合に最大になることがわかります。代入して計算すると
\begin{eqnarray}
V
&=&
\frac{5}{3}\pi \cdot 6^2 \left( 9-6 \right) \\[5pt]
&=&
180\pi \\[5pt]
\end{eqnarray}と求められます。
解答
ケコサ:539 (3点)
シ:6 (2点)
スセソ:180 (2点)