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共通テスト 数学II・数学B 2022年度追試 第3問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

【第3問~第5問から2問選択】
(正規分布表は省略しています)

問題編

問題

 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて39ページの正規分布表を用いてもよい。

 太郎さんのクラスでは、確率分布の問題として、2個のさいころを同時に投げることを72回繰り返す試行を行い、2個とも1の目が出た回数を表す確率変数 $X$ の分布を考えることになった。そこで、21名の生徒がこの試行を行った。

(1) $X$ は二項分布 $B\left(\myBox{アイ},\dfrac{\myBox{ウ} }{\myBox{エオ} }\right)$ に従う。このとき、 $k=\mybox{アイ}$, $p=\dfrac{\mybox{ウ} }{\mybox{エオ} }$ とおくと、 $X=r$ である確率は\[ P(X=r)= {}_k\mathrm{C}_r p^r(1-p)^{\dBox{カ} } \ (r=0,1,2,\cdots,k)\cdots① \]である。

 また、 $X$ の平均(期待値)は $E(X)=\myBox{キ}$ 、標準偏差は $\sigma(X)=\dfrac{\sqrt{\myBox{クケ} }}{\myBox{コ} }$ である。

 $\dbox{カ}$ の解答群

 0: $k$
 1: $k+r$
 2: $k-r$
 3: $r$

(2) 21名全員の試行結果について、2個とも1の目が出た回数を調べたところ、次の表のような結果になった。なお、5回以上出た生徒はいなかった。

回数 人数
0 2
1 7
2 7
3 3
4 2
21

 この表をもとに、確率変数 $Y$ を考える。 $Y$ のとり得る値を $0,1,2,3,4$ とし、各値の相対度数を確率として、 $Y$ の確率分布を次の表のとおりとする。

$Y$ $P$
0 $\dfrac{2}{21}$
1 $\dfrac{1}{3}$
2 $\dfrac{1}{3}$
3 $\dfrac{\myBox{サ} }{\myBox{シ} }$
4 $\dfrac{2}{21}$
$\myBox{ス}$

 このとき、 $Y$ の平均は $E(Y)=\dfrac{\myBox{セソ} }{\myBox{タチ} }$ 、標準偏差は $\sigma(Y)=\dfrac{\sqrt{530} }{21}$ である。

(3) 太郎さんは、(2)の実際の試行結果から作成した確率変数 $Y$ の分布について、二項分布の①のように、その確率の値を数式で表したいと考えた。そこで $Y=1,Y=2$ である確率が最大であり、かつ、それら二つの確率が等しくなっている確率分布について先生に相談したところ、 $Y$ の代わりとして、新しく次のような確率変数 $Z$ を提案された。

先生の提案
 $Z$ のとり得る値は $0,1,2,3,4$ であり、 $Z=r$ である確率を\[ P(Z=r)=\alpha\cdot\frac{2^r}{r!}\ (r=0,1,2,3,4) \]とする。ただし、 $\alpha$ を正の定数とする。また、 $r!=r(r-1)\cdots\cdot2\cdot1$ であり、 $0!=1$, $1!=1$, $2!=2$, $3!=6$, $4!=24$ である。

 このとき、(2)と同様に $Z$ の確率分布の表を作成することにより、 $\alpha=\dfrac{\myBox{ツ} }{\myBox{テ} }$ であることがわかる。

 $Z$ の平均は $E(Z)=\dfrac{\mybox{セソ} }{\mybox{タチ} }$ 、標準偏差は $\sigma(Z)=\dfrac{\sqrt{614} }{21}$ であり、 $E(Z)=E(Y)$ が成り立つ。また、 $Z=1,Z=2$ である確率が最大であり、かつ、それら二つの確率は等しい。これらのことから、太郎さんは提案されたこの $Z$ の確率分布を利用することを考えた。

(4) (3)で考えた確率変数 $Z$ の確率分布をもつ母集団を考え、この母集団から無作為に抽出した大きさ $n$ の標本を確率変数 $W_1,W_2,\cdots, W_n$ とし、標本平均を $\overline{W}=\frac{1}{n}(W_1+W_2+\cdots+W_n)$ とする。

 $\overline{W}$ の平均を $E(\overline{W})=m$ 、標準偏差を $\sigma(\overline{W})=s$ とおくと、 $m=\dfrac{\myBox{トナ} }{\myBox{ニヌ} }$ 、 $s=\sigma(Z)\cdot \dBox{ネ}$ である。

 $\dbox{ネ}$ の解答群

 0: $\dfrac{1}{n}$

 1: $1$

 2: $\dfrac{1}{\sqrt{n} }$

 3: $\sqrt{n}$

 4: $n$

 5: $n^2$

 また、標本の大きさ $n$ が十分に大きいとき、 $\overline{W}$ は近似的に正規分布 $N(m,s^2)$ に従う。さらに、 $n$ が増加すると $s^2$ は $\dBox{ノ}$ ので、 $\overline{W}$ の分布曲線と、 $m$ と $E(X)=\mybox{キ}$ の大小関係に注意すれば、 $n$ が増加すると $P\left(\overline{W}\geqq \mybox{キ}\right)$ は $\dBox{ハ}$ ことがわかる。

 ここで、 $U=\dBox{ヒ}$ とおくと、 $n$ が十分に大きいとき、確率変数 $U$ は近似的に標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。このことを利用すると $n=100$ のとき、標本の大きさは十分に大きいので\[ P\left(\overline{W}\geqq \mybox{キ}\right)=0.\myBox{フヘホ} \]である。ただし、 $0.\mybox{フヘホ}$ の計算においては $\dfrac{1}{\sqrt{614} }=\dfrac{\sqrt{614} }{614}=0.040$ とする。

 $\overline{W}$ の確率分布において $E(X)$ は極端に大きな値をとっていることがわかり、 $E(X)$ と $E(\overline{W})$ は等しいとはみなせない。

 $\dbox{ノ}$, $\dbox{ハ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: 小さくなる
 1: 変化しない
 2: 大きくなる

 $\dbox{ヒ}$ の解答群

 0: $\dfrac{\overline{W}-m}{\sqrt{n} }$

 1: $\dfrac{\overline{W}-m}{n}$

 2: $\dfrac{\overline{W}-m}{n^2}$

 3: $\dfrac{\overline{W}-m}{\sqrt{s} }$

 4: $\dfrac{\overline{W}-m}{s}$

 5: $\dfrac{\overline{W}-m}{s^2}$

考え方

話の流れは、過去のセンター試験ではあまり見ないものですが、問われている内容はほとんど変わっていません。むしろ、(2)や(3)は計算するだけのサービス問題で、易しめです。

(4)の後半では、正規分布表を用いて計算する問題ですが、これも例年とほとんど変わらない内容。プラスアルファで聞かれる内容もなく、過去問をやっていれば対応できるレベルでしょう。


【第3問~第5問から2問選択】
(正規分布表は省略しています)

解答編

問題

 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて39ページの正規分布表を用いてもよい。

 太郎さんのクラスでは、確率分布の問題として、2個のさいころを同時に投げることを72回繰り返す試行を行い、2個とも1の目が出た回数を表す確率変数 $X$ の分布を考えることになった。そこで、21名の生徒がこの試行を行った。

(1) $X$ は二項分布 $B\left(\myBox{アイ},\dfrac{\myBox{ウ} }{\myBox{エオ} }\right)$ に従う。このとき、 $k=\mybox{アイ}$, $p=\dfrac{\mybox{ウ} }{\mybox{エオ} }$ とおくと、 $X=r$ である確率は\[ P(X=r)= {}_k\mathrm{C}_r p^r(1-p)^{\dBox{カ} } \ (r=0,1,2,\cdots,k)\cdots① \]である。

 また、 $X$ の平均(期待値)は $E(X)=\myBox{キ}$ 、標準偏差は $\sigma(X)=\dfrac{\sqrt{\myBox{クケ} }}{\myBox{コ} }$ である。

 $\dbox{カ}$ の解答群

 0: $k$
 1: $k+r$
 2: $k-r$
 3: $r$

解説

2個のさいころを同時に投げ、2個とも1の目が出る確率は $\dfrac{1}{36}$ です。これを72回行うので、 $X$ は二項分布 $B\left(72, \frac{1}{36}\right)$ に従います。

$X=r$ $(r=0,1,2,\cdots k)$となるのは、 $k=72$ 回のうち「2個とも1の目が出る」のが $r$ 回、出ないのが $k-r$ 回のときなので
\begin{eqnarray} P(X=r) ={}_k\mathrm{C}_r p^r(1-p)^{k-r} \end{eqnarray}となります。

また、\[ E(X)=kp=\frac{72}{36}=2 \]であり、
\begin{eqnarray} \sigma(X) &=& \sqrt{kp(1-p)} \\[5pt] &=& \sqrt{72\cdot \frac{1}{36} \cdot \frac{35}{36} } \\[5pt] &=& \frac{\sqrt{70} }{6} \end{eqnarray}となります。

解答

アイ:72
ウエオ:136
カ:2
キ:2
クケコ:706

解答編 つづき

問題

(2) 21名全員の試行結果について、2個とも1の目が出た回数を調べたところ、次の表のような結果になった。なお、5回以上出た生徒はいなかった。

回数 人数
0 2
1 7
2 7
3 3
4 2
21

 この表をもとに、確率変数 $Y$ を考える。 $Y$ のとり得る値を $0,1,2,3,4$ とし、各値の相対度数を確率として、 $Y$ の確率分布を次の表のとおりとする。

$Y$ $P$
0 $\dfrac{2}{21}$
1 $\dfrac{1}{3}$
2 $\dfrac{1}{3}$
3 $\dfrac{\myBox{サ} }{\myBox{シ} }$
4 $\dfrac{2}{21}$
$\myBox{ス}$

 このとき、 $Y$ の平均は $E(Y)=\dfrac{\myBox{セソ} }{\myBox{タチ} }$ 、標準偏差は $\sigma(Y)=\dfrac{\sqrt{530} }{21}$ である。

解説

$Y=3$ となる確率は\[ \frac{3}{21}=\frac{1}{7} \]であり、確率の合計はもちろん $1$ です。

$Y$ の平均は、確率の分母をすべて $21$ にそろえて計算すると
\begin{eqnarray} & & E(Y) \\[5pt] &=& 0 \cdot \frac{2}{21} +1 \cdot \frac{7}{21} +2 \cdot \frac{7}{21} +3 \cdot \frac{3}{21} +4 \cdot \frac{2}{21} \\[5pt] &=& \frac{0+7+14+9+8}{21}\\[5pt] &=& \frac{38}{21}\\[5pt] \end{eqnarray}と求められます。

なお、問題文に標準偏差が記載されていますが、こちらも求めておきましょう。値を2乗したものと確率を掛けて足し合わせたものは
\begin{eqnarray} & & 0^2 \cdot \frac{2}{21} +1^2 \cdot \frac{7}{21} +2^2 \cdot \frac{7}{21} +3^2 \cdot \frac{3}{21} +4^2 \cdot \frac{2}{21} \\[5pt] &=& \frac{0+7+28+27+32}{21}\\[5pt] &=& \frac{94}{21}\\[5pt] \end{eqnarray}となります。なので、分散は \begin{eqnarray} & & \frac{94}{21}-\left(\frac{38}{21}\right)^2 \\[5pt] &=& \frac{94\cdot 21-38^2}{21^2} \\[5pt] &=& \frac{530}{21^2} \\[5pt] \end{eqnarray}となるので、標準偏差は確かに $\dfrac{\sqrt{530} }{21}$ となることがわかります。

解答

サシス:171
セソタチ:3821

解答編 つづき

問題

(3) 太郎さんは、(2)の実際の試行結果から作成した確率変数 $Y$ の分布について、二項分布の①のように、その確率の値を数式で表したいと考えた。そこで $Y=1,Y=2$ である確率が最大であり、かつ、それら二つの確率が等しくなっている確率分布について先生に相談したところ、 $Y$ の代わりとして、新しく次のような確率変数 $Z$ を提案された。

先生の提案
 $Z$ のとり得る値は $0,1,2,3,4$ であり、 $Z=r$ である確率を\[ P(Z=r)=\alpha\cdot\frac{2^r}{r!}\ (r=0,1,2,3,4) \]とする。ただし、 $\alpha$ を正の定数とする。また、 $r!=r(r-1)\cdots\cdot2\cdot1$ であり、 $0!=1$, $1!=1$, $2!=2$, $3!=6$, $4!=24$ である。

 このとき、(2)と同様に $Z$ の確率分布の表を作成することにより、 $\alpha=\dfrac{\myBox{ツ} }{\myBox{テ} }$ であることがわかる。

 $Z$ の平均は $E(Z)=\dfrac{\mybox{セソ} }{\mybox{タチ} }$ 、標準偏差は $\sigma(Z)=\dfrac{\sqrt{614} }{21}$ であり、 $E(Z)=E(Y)$ が成り立つ。また、 $Z=1,Z=2$ である確率が最大であり、かつ、それら二つの確率は等しい。これらのことから、太郎さんは提案されたこの $Z$ の確率分布を利用することを考えた。

解説

全体の確率は $1$ なので、 $\displaystyle \sum_{r=0}^4 P(Z=r)=1$ となります。このことから
\begin{eqnarray} \sum_{r=0}^4 P(Z=r) &=& 1 \\[5pt] \alpha \sum_{r=0}^4 \frac{2^r}{r!} &=& 1 \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ここで、 \begin{eqnarray} & & \frac{2^0}{0!}+\frac{2^1}{1!}+\frac{2^2}{2!}+\frac{2^3}{3!}+\frac{2^4}{4!} \\[5pt] &=& 1+2+2+\frac{4}{3}+\frac{2}{3} \\[5pt] &=& 7 \\[5pt] \end{eqnarray}となることから、 $7\alpha=1$ となり、 $\alpha=\dfrac{1}{7}$ だと求められます。

問題文に書いてあることも確認しておきましょう。まず、 $Z$ の平均は
\begin{eqnarray} & & 0 \cdot \frac{1}{7} +1 \cdot \frac{2}{7} +2 \cdot \frac{2}{7} +3 \cdot \frac{4}{21} +4 \cdot \frac{2}{21} \\[5pt] &=& \frac{0+6+12+12+8}{21}\\[5pt] &=& \frac{38}{21}\\[5pt] \end{eqnarray}となり、たしかに $E(Y)$ と一致することがわかります。

値を2乗したものと確率を掛けて足し合わせたものは
\begin{eqnarray} & & 0^2 \cdot \frac{1}{7} +1^2 \cdot \frac{2}{7} +2^2 \cdot \frac{2}{7} +3^2 \cdot \frac{4}{21} +4^2 \cdot \frac{2}{21} \\[5pt] &=& \frac{0+6+24+36+32}{21}\\[5pt] &=& \frac{98}{21}\\[5pt] \end{eqnarray}なので、分散は \begin{eqnarray} & & \frac{98}{21}-\left(\frac{38}{21}\right)^2 \\[5pt] &=& \frac{98\cdot 21-38^2}{21^2} \\[5pt] &=& \frac{614}{21^2} \\[5pt] \end{eqnarray}となるので、たしかに標準偏差は $\dfrac{\sqrt{614} }{21}$ になることがわかります。

解答

ツテ:17

解答編 つづき

問題

(4) (3)で考えた確率変数 $Z$ の確率分布をもつ母集団を考え、この母集団から無作為に抽出した大きさ $n$ の標本を確率変数 $W_1,W_2,\cdots, W_n$ とし、標本平均を $\overline{W}=\frac{1}{n}(W_1+W_2+\cdots+W_n)$ とする。

 $\overline{W}$ の平均を $E(\overline{W})=m$ 、標準偏差を $\sigma(\overline{W})=s$ とおくと、 $m=\dfrac{\myBox{トナ} }{\myBox{ニヌ} }$ 、 $s=\sigma(Z)\cdot \dBox{ネ}$ である。

 $\dbox{ネ}$ の解答群

 0: $\dfrac{1}{n}$

 1: $1$

 2: $\dfrac{1}{\sqrt{n} }$

 3: $\sqrt{n}$

 4: $n$

 5: $n^2$

解説

\begin{eqnarray} E(\overline{W}) &=& \frac{1}{n}\sum_{k=1}^n E(W_k) \\[5pt] &=& \frac{1}{n}\sum_{k=1}^n \frac{38}{21} \\[5pt] &=& \frac{38}{21} \\[5pt] \end{eqnarray}となります。

また、分散を $V(\overline{W})$ で表すとすると
\begin{eqnarray} V(\overline{W}) &=& V\left(\frac{1}{n}\sum_{k=1}^n \overline{W_k}\right) \\[5pt] &=& \frac{1}{n^2} V(\sum_{k=1}^n \overline{W_k}) \\[5pt] &=& \frac{1}{n^2} \sum_{k=1}^n V(\overline{W_k}) \\[5pt] &=& \frac{1}{n} V(Z) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。よって、標準偏差は $s=\sigma(Z)\cdot\dfrac{1}{\sqrt{n} }$ と表すことができます。

解答

トナニヌ:3821
ネ:2

解答編 つづき

問題

 また、標本の大きさ $n$ が十分に大きいとき、 $\overline{W}$ は近似的に正規分布 $N(m,s^2)$ に従う。さらに、 $n$ が増加すると $s^2$ は $\dBox{ノ}$ ので、 $\overline{W}$ の分布曲線と、 $m$ と $E(X)=\mybox{キ}$ の大小関係に注意すれば、 $n$ が増加すると $P\left(\overline{W}\geqq \mybox{キ}\right)$ は $\dBox{ハ}$ ことがわかる。

 ここで、 $U=\dBox{ヒ}$ とおくと、 $n$ が十分に大きいとき、確率変数 $U$ は近似的に標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。このことを利用すると $n=100$ のとき、標本の大きさは十分に大きいので\[ P\left(\overline{W}\geqq \mybox{キ}\right)=0.\myBox{フヘホ} \]である。ただし、 $0.\mybox{フヘホ}$ の計算においては $\dfrac{1}{\sqrt{614} }=\dfrac{\sqrt{614} }{614}=0.040$ とする。

 $\overline{W}$ の確率分布において $E(X)$ は極端に大きな値をとっていることがわかり、 $E(X)$ と $E(\overline{W})$ は等しいとはみなせない。

 $\dbox{ノ}$, $\dbox{ハ}$ の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。)

 0: 小さくなる
 1: 変化しない
 2: 大きくなる

 $\dbox{ヒ}$ の解答群

 0: $\dfrac{\overline{W}-m}{\sqrt{n} }$

 1: $\dfrac{\overline{W}-m}{n}$

 2: $\dfrac{\overline{W}-m}{n^2}$

 3: $\dfrac{\overline{W}-m}{\sqrt{s} }$

 4: $\dfrac{\overline{W}-m}{s}$

 5: $\dfrac{\overline{W}-m}{s^2}$

解説

標本の大きさ $n$ が増加すると、標本平均はだんだん安定していくので、分散 $s^2$ は小さくなります。また、 $\overline{W}$ の平均 $\dfrac{38}{21}$ は $2$ よりも小さいので、 $n$ が大きくなると $2$ を超えるのが難しくなってきます。そのため、 $P\left(\overline{W}\geqq 2\right)$ の値は小さくなっていきます。

$\overline{W}$ に $a$ を足すと平均が $a$ 増え、 $a$ を掛けると分散が $a^2$ 倍になることから、\[ U=\frac{\overline{W}-m}{s} \]とおくと、 $U$ は標準正規分布に従うと考えられます。

$n=100$ のとき、 $m=\dfrac{38}{21}$ と $s=\dfrac{\sqrt{614} }{21}\cdot\dfrac{1}{\sqrt{100} }$ から
\begin{eqnarray} & & P\left(\overline{W}\geqq 2\right) \\[5pt] &=& P\left(\frac{\overline{W}-m}{s}\geqq \frac{2-m}{s}\right) \\[5pt] &=& P\left(U \geqq \frac{2-m}{s}\right) \\[5pt] \end{eqnarray}となります。ここで \begin{eqnarray} \frac{2-m}{s} &=& \frac{2-\dfrac{38}{21} }{ \dfrac{\sqrt{614} }{21}\cdot\dfrac{1}{\sqrt{100} } } \\[5pt] &=& \frac{\dfrac{4}{21} }{ \dfrac{\sqrt{614} }{210} } \\[5pt] &=& \frac{40}{ \sqrt{614} } \\[5pt] &=& 40\cdot0.04=1.6 \end{eqnarray}となるので、標準正規分布表から \begin{eqnarray} & & P\left(U \geqq \frac{2-m}{s}\right) \\[5pt] &=& P\left(U \geqq 1.6\right) \\[5pt] &=& 0.5-P\left(U \lt 1.6\right) \\[5pt] &=& 0.5-0.4452 \\[5pt] &=& 0.0548 \\[5pt] \end{eqnarray}となることがわかります。四捨五入して、 $0.055$ となります。

解答

ノハ:00
ヒ:4
フヘホ:055

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