共通テスト 数学II・数学B 2022年度追試 第1問 [1] 解説
【必答問題】
問題編
問題
座標平面上で、直線 $3x+2y-39=0$ を $\ell_1$ とする。また、 $k$ を実数とし、直線 $kx-y-5k+12=0$ を $\ell_2$ とする。
(1) 直線 $\ell_1$ と $x$ 軸は、点 $\left(\myBox{アイ},0\right)$ で交わる。
また、直線 $\ell_2$ は $k$ の値に関係なく点 $\left(\myBox{ウ}, \myBox{オエ}\right)$ を通り、直線 $\ell_1$ もこの点を通る。
(2) 2直線 $\ell_1$, $\ell_2$ および $x$ 軸によって囲まれた三角形ができないような $k$ の値は\[ k=\myBox{カ},\ \frac{\myBox{キク} }{\myBox{ケ} } \]である。
(3) 2直線 $\ell_1$, $\ell_2$ および $x$ 軸によって囲まれた三角形ができるとき、この三角形の周および内部からなる領域を $D$ とする。さらに、 $r$ を正の実数とし、不等式 $x^2+y^2\leqq r^2$ の表す領域を $E$ とする。
直線 $\ell_2$ が点 $(-13,0)$ を通る場合を考える。このとき、 $k=\dfrac{\myBox{コ} }{\myBox{サ} }$ である。さらに、 $D$ が $E$ に含まれるような $r$ の値の範囲は\[ r\geqq \myBox{シス} \]である。
次に、 $r=\mybox{シス}$ の場合を考える。このとき、 $D$ が $E$ に含まれるような $k$ の値の範囲は
$k\geqq \dfrac{\myBox{セ} }{\myBox{ソ} }$ または $k\lt \dfrac{\myBox{タチ} }{\myBox{ツ} }$
である。
考え方
(1)や(2)のような、「必ず通る点」「三角形ができない条件」は、図形と方程式の分野では基本的な問題です。
(3)では、今考えている状況やそれまでにわかっている内容をうまくつなぎ合わせて解いていきます。文脈を理解しながら解いていく必要はありますが、状況はシンプルなのでそんなに迷うことはないでしょう。
【必答問題】
解答編
問題
座標平面上で、直線 $3x+2y-39=0$ を $\ell_1$ とする。また、 $k$ を実数とし、直線 $kx-y-5k+12=0$ を $\ell_2$ とする。
(1) 直線 $\ell_1$ と $x$ 軸は、点 $\left(\myBox{アイ},0\right)$ で交わる。
また、直線 $\ell_2$ は $k$ の値に関係なく点 $\left(\myBox{ウ}, \myBox{オエ}\right)$ を通り、直線 $\ell_1$ もこの点を通る。
解説
$\ell_1$ の式で $y=0$ とすると $3x-39=0$ なので、 $x=13$ となります。これより、直線 $\ell_1$ と $x$ 軸は、点 $(13,0)$ で交わります。
また、 $\ell_2$ の方程式を $k$ について整理すると
\begin{eqnarray}
(x-5)k-y+12=0
\end{eqnarray}となります。これより、 $x-5=0$ かつ $-y+12=0$ なら、 $k$ の値に関係なくこの式は成り立ちます。なので、直線 $\ell_2$ は $k$ の値に関係なく $(5,12)$ を通ることがわかります。
問題文にある通り、これを $\ell_1$ の式に代入すると成り立つことから、 $\ell_1$ も点 $(5,12)$ を通ることが確認できます。
解答
アイ:13
ウエオ:512
解答編 つづき
問題
(2) 2直線 $\ell_1$, $\ell_2$ および $x$ 軸によって囲まれた三角形ができないような $k$ の値は\[ k=\myBox{カ},\ \frac{\myBox{キク} }{\myBox{ケ} } \]である。
解説
三角形ができない場合とは、以下のようなケースが考えられます。
・3つの直線が1点で交わる
・3直線のうち2直線が平行
まずは、1つ目を考えてみます。(1)で見たように、 $\ell_1$ が $x$ 軸と交わる点は $(13,0)$ です。この点を $\ell_2$ も通るとすると
\begin{eqnarray}
13k-0-5k+12 &=& 0 \\[5pt]
8k &=& -12 \\[5pt]
k &=& -\frac{3}{2} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。
次に、2つ目を考えてみます。(1)で見た通り、 $\ell_1$ と $\ell_2$ は必ず $(5,12)$ を通るので、この2直線が平行になることはありません。 $\ell_1$ と $x$ 軸が平行になることもありません。なので、可能性があるとすると、 $\ell_2$ が $x$ 軸と平行になる場合です。
直線 $\ell_2$ の傾きは $k$ なので、 $k=0$ のときに $x$ 軸と平行になります。
以上から、 $k=0,-\dfrac{3}{2}$ のときには三角形ができないことがわかります。
解答
カ:0
キクケ:-32
解答編 つづき
問題
(3) 2直線 $\ell_1$, $\ell_2$ および $x$ 軸によって囲まれた三角形ができるとき、この三角形の周および内部からなる領域を $D$ とする。さらに、 $r$ を正の実数とし、不等式 $x^2+y^2\leqq r^2$ の表す領域を $E$ とする。
直線 $\ell_2$ が点 $(-13,0)$ を通る場合を考える。このとき、 $k=\dfrac{\myBox{コ} }{\myBox{サ} }$ である。さらに、 $D$ が $E$ に含まれるような $r$ の値の範囲は\[ r\geqq \myBox{シス} \]である。
解説
$\ell_2$ が $(-13, 0)$ を通る場合、これを直線の方程式に代入して
\begin{eqnarray}
k\cdot(-13)-0-5k+12 &=& 0 \\[5pt]
-18k &=& -12 \\[5pt]
k &=& \frac{2}{3} \\[5pt]
\end{eqnarray}が得られます。
ここで、 $\ell_1$, $\ell_2$, $x$ 軸で囲まれた三角形の頂点の座標を考えます。まず、(1)から、 $(13,0)$, $(5, 12)$ がわかります。また、 $\ell_2$ は $(-13,0)$ を通るので、残りの頂点はこの点です。
$x^2+y^2\leqq r^2$ とは、原点を中心とする半径 $r$ の円(周と内部)なので、 $D$ が $E$ に含まれるとは、 $D$ の点で原点から一番遠い点までの距離が $r$ 以下ということです。今の場合、3点とも原点からの距離は $13$ です。なので、 $r\geqq 13$ なら $D$ は $E$ に含まれます。
解答
コサ:23
シス:13
解答編 つづき
問題
次に、 $r=\mybox{シス}$ の場合を考える。このとき、 $D$ が $E$ に含まれるような $k$ の値の範囲は
$k\geqq \dfrac{\myBox{セ} }{\myBox{ソ} }$ または $k\lt \dfrac{\myBox{タチ} }{\myBox{ツ} }$
である。
解説
これも、 $D$ の点で原点から一番遠い点までの距離が $r$ 以下となる場合を考えればいいです。三角形の頂点のうち、 $(13,0)$ と $(5,12)$ は確定していて、原点からの距離は $13$ です。なので、残りの点について考えればいいです。
残りの頂点とは、 $\ell_2$ と $x$ 軸との交点です。 $\ell_2$ の方程式で $y=0$ とすると
\begin{eqnarray}
kx-5k+12 &=& 0 \\[5pt]
x &=& \frac{5k-12}{k} \\[5pt]
\end{eqnarray}となります。なお、今は三角形ができる場合を考えているので、 $k\ne 0$ です。
このことから、原点からの距離は $\left|\dfrac{5k-12}{k}\right|$ なので、これが $13$ 以下となる場合を求めればいいです。2乗したものを比較して
\begin{eqnarray}
\frac{(5k-12)^2}{k^2} &\leqq & 13^2 \\[5pt]
25k^2-120k+144 &\leqq & 169k^2 \\[5pt]
-144k^2-120k+144 &\leqq & 0 \\[5pt]
6k^2+5k-6 &\geqq & 0 \\[5pt]
(3k-2)(2k+3) &\geqq & 0 \\[5pt]
\end{eqnarray}より、 $k\geqq \dfrac{2}{3}$ または $k\leqq -\dfrac{3}{2}$ となります。このうち、三角形ができるのは $k\ne 0$ かつ $k\ne -\dfrac{3}{2}$ なので、求める範囲は
$k\geqq \dfrac{2}{3}$ または $k\lt -\dfrac{3}{2}$
となります。
解答
セソ:23
タチツ:-32